1−3. 盾状火山 (長崎県五島市の京ノ岳)

  
 
 <解説> 

 盾状火山とは、火山を横から見たときに、西洋の盾のようにすそ野が広がった平べったい形をしているもので、玄武岩のような流動性の高い溶岩が流れ出てできた火山です。以前使われていたシュナイダーの火山の形式分類では、アスピーテまたは楯状火山と呼ばれていたものです。現在の地質学では見た目の形だけに着目したシュナイダーの分類は使わないのですが、少し古い地理の教科書や観光案内にはまだ出てきます。現在の正式な盾状火山は、溶岩の流れだけでできており、溶岩と火山灰などが交互に重なった成層火山とはでき方が異なります。そのため、以前はアスピーテであるとされていた八幡平や霧ヶ峰、月山などは、現在では成層火山に分類されています。
 盾状火山の例としては、ハワイ島のキラウエアやマウナロア、マウナケアのほか、アイスランドの火山がよく出てきます。日本では厳密な意味での盾状火山はほとんどなく、写真の京ノ岳は貴重な例のようです。この山は標高が183mしかない低い山ですが、きれいにすそ野を引いており、ハワイの山々にひけをとらない形をしています。火山活動は30万年前とのことです。写真の左端に突き出ている山は姫島という別の島の山で、京ノ岳の側火山ではありません。
 この写真は、福江島の貝塚という港から嵯峨島に渡る船から撮ったものです。福江島の島内から京ノ岳を撮ろうとしても、山全体をきれいに見渡せるところがなかなかなく、木や家に邪魔されてしまいます。もっともよかったのは、きれいな砂浜がある高浜海水浴場近くの魚籃観音のところでしたので、船がだめならここをおすすめします。
 福江島は知られざる火山島で、京ノ岳以外にも鬼岳、火ノ岳、箕岳、臼岳などの火砕丘や岐宿(きしく)火山、富江火山などの溶岩台地など火山好きには見所いっぱいの島で、隣の嵯峨島にも男岳・女岳の火山があり、盾状火山である女岳は、その火口の部分が海の侵食によって断面が直接見られるというたいへん貴重な山です。その割には非専門家が見られるような資料がほとんどないのが残念です。また、福江島の島内はバスが走っていますが、本数が少ないため、レンタカーを使用したほうが効率よく巡ることができます。

<地図>ここをクリックしてください。

<交通>
  嵯峨島へ行く船への行き方
    福江港から五島バスの三井楽行きに乗り、里バス停下車。(終点までいかないほうが
   よいそうです。)そこで三井楽タクシーが運行する循環バスに乗り、貝津港待合所前で
   下車。ここから嵯峨島行きの船に乗る。上記の写真は嵯峨島に着く直前の場所で撮っ
   たものです。

 高浜海水浴場近くの魚籃観音への行き方
    夏の海水浴シーズン以外は直接バスでは行かれないようです。三井楽からタクシーで
   しょうか。

<参考文献> 

 (1)Kunihiko Suzukiさんのサイト(福江火山を見て回るにはこちらのサイトが最も頼りになります)

<撮影日>2010年3月27日

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