8−2. 漣痕と恐竜の足跡 (群馬県神流町の瀬林)

  
 

<解説> 

 この露頭は1953年に道路の拡張工事を行った際にあらわれたもので、表面の細かいでこぼこ模様は漣痕(リップルマーク)と呼ばれるものです。漣痕は流水・波・風によって作られた周期的な模様で、砂浜や砂丘などで普通に見られる波状の模様が固定されたものです。一方向の流れによってできた場合は、断面が非対称になり、上流側が傾きが緩やかになりますので、この模様の形から当時の水の流れの方向が推定できます。この場所では、写真の上の方から下へ水が流れたことがわかります。この地層は1億2000万年前の白亜紀の砂岩層で、付近の化石から大昔の河口の干潟であったと解釈されています。
 漣痕そのものはそれほど珍しいものではありませんが、この露頭では左上のほうにある大きな穴と右下から斜め上に並ぶ不規則な凹みが特徴的です。これらは1985年になって恐竜の足跡であることが判明しました。日本では最初の恐竜の足跡の発見でした。また、この露頭の近くで恐竜の骨の一部が発見されています。
 恐竜の足跡は、たいていは3本指のはっきりしたものであることが多いのですが、ここのはあまり形がはっきりしません。それは、恐竜が歩いた地層はこの砂岩層の上にあった泥層であり、その下にあったこの地層には間接的に足跡が残されたためであると考えられています。

<地図>ここをクリックしてください。

<交通>JR高崎線新町駅より日本中央バス上野村ふれあい館行きで古鉄橋下車、徒歩1時間。

<駐車スペース>駐車場あり

<参考文献> 

 (1) 野村 哲(1998):群馬の自然をたずねて 築地書館 p.35−45
 (2) 小畠郁生、松川正樹( 1990):恐竜の足跡−中里村恐竜センター図録− 
    群馬県多野郡中里村
 (3)北中康文、斉藤眞、下司信夫、渡辺真人(2012):列島自然めぐり 日本の地形・地質
    文一総合出版 p.80−81

<撮影日>2008年10月7日
この場所は日本の地質百選に選ばれています。

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