14−2. 貨幣石 (東京都小笠原村の母島)

  
 
<解説>
 
  貨幣石(ヌンムリテス)は、アメーバなどと同じ原生動物の単細胞生物で、石灰岩に見られるフズリナや星の砂(バキュロジプシナ)と同じように海にいる有孔虫の仲間です。形がコインに似ているので貨幣石と呼ばれています。ただ、ほかの有孔虫とは異なり、大きさが非常に大きく、中には直径10cmにも達するものがあるそうです。上の写真の扁平なクッキーのようなものが貨幣石で、銀色の丸いものは1円玉です。1円玉の直径が2cmですので、ここの貨幣石の直径は3cm程度のようです。有孔虫は、細胞を包む石灰質の殻を持ち、そこに仮足を出すための小さい穴がたくさん開いているのでこのような名前がついています。内部構造は複雑で、らせん状に規則正しく並んだ多数の小部屋からできています。写真ではわかりにくいのですが、貨幣石の割れたものを見ると、その多数の小部屋が断面に見えます。
 貨幣石は新生代の古第三紀(6500万年前から2500万年前)に世界中で栄えましたが、この時代の終わりには衰えてしまいました。現在でも熱帯の海には生存していますが、第三紀の示準化石であり、地層の年代決定に役に立っています。日本では小笠原以外では熊本県の天草地方や沖縄などの南西諸島で見つかります。 

<地図>ここをクリックしてください。

<交通>
  小笠原父島二見港よりははじま丸で母島下車、徒歩20分。

<駐車スペース>あり

<参考文献> 

 (1)貝塚爽平(1980):東京都地学のガイド コロナ社 p.252−260
 (2)白尾元理、小疇尚、斎藤靖二(2001):グラフィック 日本列島の20億年 岩波書店
    p.56−59

<撮影日>2002年8月6日

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