私は富士登山バスツアーには参加したことがないのですが、このHPをご覧下さっている方々の中にはそういう情報を欲している方もいると思いますので、知人の話、送っていただいたメール、ガイドブック、ツアーのパンフレットなどから概略をまとめて書いておこうと思います。
ツアー参加費用ですが、新宿発ですと「1泊2日・下山後の温泉付きツアー」で16000円から19000円あたりが相場のようです。平日と休日では値段が違います。下山後の温泉がなかったり、食事の回数が少ないものはその分安くなっています。登山ツアーは、ほとんど富士スバルライン(河口湖口)五合目から登りますので、それを前提に説明します。
なお、パンフレットには「河口湖口」と書いている場合があります。ずっとこの名前で呼ばれていたのですが行政的に「富士スバルライン五合目」と呼ぶようになりました。また、六合目で「吉田口登山道」に接続します。ですから「吉田口」という名前も憶えておいて下さい。本当にややこしいですけど。
(左)富士スバルライン五合目、(右)登山前に気合いを入れる。
富士スバルライン五合目に昼頃から午後に到着し、レストハウスの大食堂で昼食を摂ります。そして、一日目の宿泊場所である七〜八合目の山小屋をめざして登り始めます。
所用時間は4時間程度。元気な人だとちょっと間延びした感じ、逆に年輩の方だとちょっとつらいかも。でも、多くの人の場合、八合目まで4時間なら大丈夫のはずです。序盤で急ぐと疲れますし、高山病にかかりやすくなります。ゆっくり登ってください。
現役ガイドの方から所要時間についてのご指摘がありました。五合目から七合目まで4時間というのはともかく、八合目の山小屋まで5時間はかけて登っている。本八合目、御来光館だとおおむね6〜7時間、とのことです。
(2011年8月14日追記)
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バスツアーによっては、序盤でハイペースで歩き出すことがあるそうです。「余裕のあるうち速めに負荷をかけて高所順応させる」のだそうですが、そんなツアーに参加してしまった場合は、無理せず早めにリタイアして下さい。生命に関わります。
(2010年9月13日追記)
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食事はカレーライスが定番。ほとんどの山小屋ではおかわりはありません。大食の人は夜食用にパンなど(腐りにくいもの)を持参すると良いでしょう。(東洋館の夕食はハンバーグ定食で、御飯のおかわり自由だそうです)
食事がすんだら就寝。大きな山小屋なら万年床なので早くから眠れますが、小さなところではカレーを食べたところに布団を敷きますから20時頃になります。もちろん、他のお客さんと相部屋になります。場合によっては男女一緒ということもあります。部屋の中は人がいっぱいなのでむしろ暑いくらいのようです。もともと夜間登山用に防寒服も持参しているはずですから、寒さの心配はないでしょう。布団は、やや湿っているようです。神経質な方は、枕カバー用のタオルなどを用意しましょう。
山小屋内の様子。この状態はまだまだゆったり。ピーク時はもっと詰め込まれます。
眠る状態ですが、混んでいる時は1畳に二人が横になります。一人あたりの幅は約45センチ。1枚の布団を二人で使います。十分仮眠がとれないから前日たっぷり寝ておくように、と、あるツアーのパンフレットには書いてあります。
これでもかなり良くなったのです。吉田口(富士スバルラインから登るルート)の山小屋は2007年にすし詰め緩和の方針を打ち出すまではかなり劣悪で、混雑時には1畳あたり3人が詰め込まれ(幅30センチ)、頭と足を交互にして眠らされました。この意味わかります?枕の位置が一人ずつ反対に並ぶという意味です。さらに劣悪な状況では横に寝る、つまり背中をつけないようにして寝る事を強いられたこともあったと聞いたことがあります。確かに人間は横から見ると幅が狭いですから。
たいていの人が熟睡はできないようです。普段、そんな早くから寝ていませんし、また、夜遅くまで新たに到着した人が部屋に案内されてくるので、そのたびに起こされることもあります。そして、狭いところに大勢の人がいれば、いろいろなノイズ(雑談、子供の泣き声、くしゃみ、寝言、いびき、歯ぎしり、おなら、発電器の音)がするし、体臭も気になるだろうし、布団も汗くさくて臭いだろうし、睡眠環境としては最悪です。そこで、耳栓を持っていくと便利です。イヤーウィスパーとかピップ耳栓などはかなり雑音を減らしてくれます。薬局などで売っています。最近は100均でも安いものがあります。
まちがってもホテルのような状況をイメージしてはいけません。まさに文字通りの山小屋です。風呂やシャワーはもちろんありませんし、洗面用の水もありません。夜間にトイレにいくときのために懐中電灯は必携です。ただし、混んでいるとトイレに行くことすら大変だそうです。
これが1日目の様子です。続いて2日目の説明です。
深夜0時頃にご来光をめざして山小屋を出発します。この時に、お弁当を渡してくれます。バスツアーでは、登山ガイドはツアー参加者に、なんとか山頂で御来光を見てもらおうとしますので、御来光の時間が迫ってくると結構速いペースになることもあるようです。登山道が混みすぎている場合は下山道を登ることもあります。登頂する人は約7割程度だというメールをいただいてます。お鉢めぐりはほとんどのツアーではスケジュールに組み込まれていません。お鉢めぐり付きのツアーもありますから希望する方はそれを選んで申し込んで下さい。
頂上まで行けなくて途中でリタイアした場合ですが、勝手に下山せず、そのまま山小屋に翌朝まで滞在するように指示されます。そして、翌朝、朝食をすませてから山小屋の人が下山道まで誘導してくれます。八合目の山小屋ならバイパス道を通って通常の下山道へ行けますが、七合目の山小屋に宿泊した場合は、登山道の岩場の近くを通っているブルドーザー道を使って下山することになります。
利用予定の山小屋よりも手前でリタイアした場合の宿泊代がどうなるかは、登山前に説明されるはずなので確認しておいて下さい。予定の山小屋で休んだ後にさらに上の山小屋でリタイアした場合の料金は当然、自己負担です。
要注意!!!
富士スバルラインからのバスツアー参加者が注意しなければならないのは下山道です。
下山時に気をつけないと須走口の方へ下ってしまいます。 富士スバルライン五合目の下山路へは八合目の江戸屋の脇をすり抜けるという、ちょっとわかりにくい構造になっています。

一般的にツアーでは、ここでいったん全員集合します。そしてガイドさんが参加者を出発地の富士スバルライン五合目方面へ誘導します。しかし、このあたりは狭いのでガイドさんを囲むようには並べません。後ろの方の人はガイドさんの指示が聞こえないことがあります。そしてここからはまとまって下りるのではなく、解散して各人が五合目までバラバラに下山します。その結果、下山道が続いている須走口の方へ下りてしまう人がけっこう大勢いるのです。もし下山時に急に人が少なくなったらまちがっているかもしれません。すぐに周囲の人に聞いて確認して下さい。
富士スバルライン五合目は左方向です。シンボルカラーは黄色。写真の案内板をしっかり覚えておいてください。そして間違わずに下山してください。それだけでも、当サイトを見てくださった価値があります。
須走口新五合目から富士スバルライン五合目までタクシーで戻ろうとすると2万円弱かかります。
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下山の所用時間は4時間程度。これはなかなかきびしい設定ではあります。通常、下山、約3時間とされている場所ですから年輩の人にはきついかも。あせらず、でも、着実に降りていくしかありません。ガイドさんは、一番ラストの人について降りていくようです。下山道は一度入ってしまえば、もう五合目までまちがえることはまずありません。六合目の山小屋が営業を止めてしまったので、ゴールの五合目まで飲料を確保できないかもしれませんので、途中で飲むための飲料を買っておくのも忘れずに。分岐点の江戸屋は飲料が山頂の山小屋より高いですが、そんなことは言ってられません。
単調で気の遠くなるような長さのつづらおりの道が続きます。半分ほど下りたあたりに避難所、そして最下部にトイレがあります。さらにそこから、こんどは横方向に約2.5Km歩いていきます。その区間(獅子岩から500mほど進んだ場所→五合目)は馬を利用できます。足を痛めた場合は、最後の手段としてそれに乗りましょう。料金は1万円(97年の値段)。
なぜ、こんなに横方向が長いのかというと、それは昭和55年に吉田大沢(山小屋群の向かって右側部分)で大落石事故が発生したため、下山道が現在のツバクロ沢に変わったのです。ですから、沢を横切る部分には落石防止用のトンネルが作られています。
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さて、無事にバスに乗り込みますと、麓に下りて食事をしてお風呂に入ります。場所はツアー会社が提携している場所で、ホテルだったり遊園地だったりドライブインだったりします。そこで汗を流し、着替えをすれば、もう帰宅時のバスの中では熟睡まちがいなしです。マイカー登山は帰宅時の居眠り運転が心配なのですが、バスツアーならその心配はいりませんね。
バスツアーは、雨でも登山を決行します。ですから雨具は必携です。しかし、それでもさらに天候が悪化した場合は八合目の山小屋でおしまい、ということもあります。以前、知人たちががその羽目にあってしまいました。都内在住で、当時30才前のメンバーでしたから彼らの場合はバスツアーでなかった方が、簡単に富士登山を順延できたし、また八合目で無理矢理寝ているよりは、自分たちのペースでどんどん登っていった方が簡単に登頂できたはずです。やはり平均的な脚力を前提にスケジュールが組まれていますから、ものすごい健脚の人はいらいらするかもしれません。
それより問題なのは、ご年輩で相当時間がかかる人の場合です。2000年の富士登山で、ツアー参加者から、「70才の男性が六合目でリタイア、50才代の女性が七合目でリタイアした」というメールをいただきました。また、かつては、ツアー参加の年輩の女性の方が、オーバーペースのために倒れて亡くなられるという事もありました。富士山という過酷な自然環境では、なおさら年齢間の体力差が顕著になります。そもそも20才代から70才代までが同じグループで登るというのが無茶な話なのです。そういう理由で、高齢者の方には、バスツアーはあまりおすすめはできないのです。もし参加したとしても、ペースについていけそうになかったら早めにリタイアするべきです。
以上、参加したこともないのに知ったかぶりして書いてしまいました。でも、数社のバスツアーのパンフレットを見比べても、だいたいのスケジュールや内容はこんなものだと思います。あとは実際に参加される場合、ツアー会社の人に良く質問しておいてください。「みんなの登山記」には実際にバスツアーに参加された方の登山記もありますので参考にして下さい。
(雑感)
スーパーの袋について
スーパーでもらえるポリ袋は、水に強く頑丈なので重宝しますが、品物を出し入れすると、袋がすれてガサガサと大きな音がします。山小屋に宿泊すると、暗い室内で、なかなか荷物が取り出せず、ごそごそする人が多いのですが、この騒音が周囲に大迷惑です。「うるさい!」と怒鳴られて、きまずい思いをするかもしれません。小分けした荷物は、布袋か柔らかいビニールの袋に入れるのが、音があまりしないので良いと思います。いずれにせよ、山小屋の中は暗いです。手探りでも取り出せるように整理しておくのが肝心です。
ツアーのお弁当
内容は、ご飯に簡単なおかずやふりかけです。私だったら、たとえ数百グラムでも荷物になるから持って行きたくないですねえ。それにご飯は冷えてしまってちっとも美味しくないと思います。山頂にいけば暖かい食事ができるのですから。この弁当をやめて少しでも旅行代金を安くしてくれるとありがたいのですが。でも、山小屋にとってはドル箱みたいなものですから廃止は無理なのでしょう。
雷
富士山では、午後から夕方にかけて雷になることが多いのです。ですから、御来光登山は早朝に下山するので、この雷の心配をあまりしなくてすみます。団体で下山している途中で雷に遭遇したら、避難する場所がないので、めちゃくちゃ大変です。通常のバスツアーのスケジュールはその点、うまくできていると思います。登りの時なら、まだ融通が利きますから。
富士登山バスツアーは多くの会社が開催しています。
Yahoo!やGoogleで「バスツアー 富士登山」で検索するとたくさんヒットします。
【参考サイト】
富士登山バスツアーを主催している旅行会社
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WILLER TRAVEL
クラブ・ゲッツ(札幌通運)
トラベルロード
本ページの写真(夜間風景以外)はkaburaさんに提供していただきました。