FUKUSHI Plaza20世紀の切手と美術仏像

菩薩

最終更新日:2011年2月10日

「菩薩」は「悟り」の意。 もともとは釈迦の修業時代を菩薩といったが、大乗仏教の時代になると多様な菩薩が考え出された。悟りを求める心を得たものはすべて菩薩で、如来に次ぐ地位で衆生〔しゅうじょう〕救済の手伝いを役目を果たすと考えるようになった。

釈迦の出家以前の王子の姿をモデルにしているため、宝冠〔ほうかん〕、瓔珞〔ようらく〕、天衣〔てんね〕などの装飾を着つけており、一部を除けば女性的な温和で慈悲深い顔をしている。

弥勒〔みろく〕菩薩

弥勒菩薩 弥勒菩薩 弥勒菩薩

インドのバラモンの出身。釈迦が祇園精舎〔ぎおんしょうじゃ〕にいたときに釈迦から成仏を約束され、その12年後にこの世を去って兜率天〔とそつてん〕に昇った。すでに菩薩としての修業を終え、釈迦入滅のあと56億7千万年ののちにはこの世に下生することを約束された未来仏である。 「弥勒」は慈愛の意味である。

右手を頬のところにかざしている思惟手〔しゆしゅ〕のは、娑婆世界に下りてから衆生をどのように救うかを考えているポーズだとされる。

文殊〔もんじゅ〕菩薩

インドでバラモンの子として生まれ、経典の編纂にかかわったともされている。智慧を司り、ずべての菩薩を指導したとされる。

釈迦如来の脇侍として左側(向かって右)に仕える。 右手に剣、左手に経巻を持って、獅子の上の蓮華座〔れんげざ〕の上に座る。

普賢〔ふげん〕菩薩

普賢菩薩

修行を司り、あらゆる仏の御利益を代表しあらゆる場所にその姿や功徳をあまねく示すとされる。女性の往生を助ける役割をもつ。

釈迦如来の脇侍として右側(向かって左)に仕える。 六つの牙をもつ象の上の蓮華座の上に合掌して座る。

虚空蔵〔こくぞう〕菩薩

決して壊れることのない虚空(果てしなく広がる空間)のように、広大無辺の智慧と無量無辺の功徳をもって衆生を救済するとされる。

地蔵〔じぞう〕菩薩

「地蔵」は「大地の徳を蔵する」の意味。大地の恵みを神格化した存在で、大空を象徴する虚空蔵菩薩と対になっている。 釈迦が入滅してから弥勒菩薩が仏となるまでの無仏時代に出現し、われわれが住む娑婆世界に留まって衆生を救済するとされる。 地獄で閻魔王の裁きを受ける時にも助けてくれ、幼くして亡くなった子供の親代わりになって子供を護ると信じられ、とくに慈悲深い菩薩として人気を集めてきた。

頭を丸め袈裟をまとった比丘〔びく〕(修行中の僧侶)形で、持物は初めは左手の宝珠だけであったが、やがて右手に錫杖〔しゃくじょう〕(先に輪のついた杖)を持つ形が一般化した。

延命地蔵
寿命を延ばすという。
六地蔵
六道(地獄、餓鬼、畜生、修羅、人間、天)のそれぞれに相当する。 とりわけ地獄道の衆生を教化するというところから信仰が盛んになった。
子安地蔵
賽の河原で子供を救う。

観音〔かんのん〕菩薩

観世音〔かんぜおん〕菩薩、観自在〔かんじざい〕菩薩ともいわれ、衆生の救いを求める声を観じ、自在にこれを救う菩薩である。 経典には三十三の変化身〔へんげしん〕を現して衆生を救うと説かれるため、時代が下ると特に多様な発展をとげ、菩薩の中でも仏像の作例が多い。 女性的で優美な姿で表現され、菩薩像の中では最も人気が高い。本来は男性だが、後に白衣観音が誕生した。

独尊でも信仰されるが、阿弥陀如来の脇侍として左側(向かって右)に仕える。この場合はほとんどが聖観音である。

聖〔しょう〕観音

聖観音像 法隆寺金堂壁画 百済観音

観音の基本形でふつうの人間の姿をしている。

阿弥陀如来の化仏〔けぶつ〕(分身〕のついた宝冠をかぶり、右手に蓮華、左手に願い事を叶えてくれる功徳水〔くどくすい〕がはいった水瓶〔すいびょう〕を持って蓮台の上に立つのが一般的である。

六観音

千手観音立像 弥勒菩薩 如意輪観音
千手観音、伝如意輪観音(弥勒菩薩)、如意輪観音
十一面観音
本面と額の上の阿弥陀の化仏の他に11の顔を持つ。11の顔を四方八方に向け、どこにいても救いを求める声を聞き届けてもらえるとされる。 頭上の化仏だけで十一面のものと本面を加えて十一面のものがある。
不空羂索〔ふくうけんじゃく〕観音
不空広大明王観音菩薩とも呼ばれる。羂〔けん〕は獲物を捕らえれる網、索〔さく〕は魚釣りの糸を意味し、慈悲の羂索ですべてに衆生を救済する。人々の願いをことごとく聞き入れ必ず救済するとされる。
千手〔せんじゅ〕観音
詳しくは千手千眼〔せんげん〕観自在菩薩で、千の眼で衆生の願いを漏らさず見届け、千本の手で救済しするとされる。
実際に千本の手を持つ像もあるが、ふつうは四二手につくる。本来の二手は中央胸前で合掌し、ほかに40本の脇手がある。
如意輪〔にょいりん〕観音
願いを何でも叶えてくれる如意宝珠と、説法の象徴である輪宝〔りんぽう〕を持って、人々の煩悩を除き願いを叶えるとされる。片手を頬に当て、片膝を立てた姿の像が多くつくられている。その一手を思惟手とするため弥勒菩薩と判別がつかないものもある。
馬頭〔ばとう〕観音
天馬のように縦横に駆け巡り、あらゆる障害を乗り越えて衆生を救済するとされる。 頭頂に馬頭をいただき、すさまじい忿怒〔ふんぬ〕の形相をしている。
准胝〔じゅんてい〕観音
「准胝」は「清浄」の意味。諸仏・諸菩薩の母で、この観音が衆生救済のため多くの仏を生み出したとされる。

その他の観音

慈母観音
楊柳観音
白衣〔びゃくえ〕観音
三十三変化身のひとつ。白衣観音自在毋〔じざいも〕ともいわれ、観音の母で阿弥陀如来の妻ともされる、
楊柳〔ようりゅう〕観音
三十三変化身のひとつ。慈悲深くて衆生の願望に従うことが、楊柳の風になびくさまに似ているからいう。右手に柳の枝をとり、左手に施無畏〔せむい〕の印を結ぶ。

この他にも、水月〔すいげつ〕観音、魚藍〔ぎょらん〕観音などがある。

勢至〔せいし〕菩薩

観音の偉大な慈悲の力を得て智慧の光で一切を照らし、衆生に悟りを得ようとする心を起こさせることに尽力する。

阿弥陀如来の脇侍として右側(向かって左)に仕える。 頭上に水瓶をつけている。

日光菩薩・月光菩薩

薬師如来の脇侍として、 左側(向かって右)に日光が、右側(向かって左)に月光が仕え、両者の手の位置は左右対称につくられる。 単独の像でつくられることはほとんどない。 立像・坐像があり、両手は合掌したり蓮華をもったりで定形はない。

日光〔にっこう〕菩薩

日光菩薩

光明のあまねく際限のない徳を司る。

月光〔がっこう〕菩薩

月光菩薩

月のような清涼な法楽を衆生に与える。薬師如来の跡を継ぐべき菩薩とされている。

音声〔おんじょう〕菩薩

音声菩薩 音声菩薩

雲中供養菩薩

雲中供養菩薩像