FUKUSHI Plaza20世紀の切手と美術仏像

明王〔みょうおう〕

最終更新日:2011年2月10日

「明」は真言陀羅尼(神仏の功徳を発揮させる威力をもつ呪文)のことで、「明王」は明をつかさどる王。 如来の真言の絶大なる効力を具体的に示す使者。7世紀ごろに密教が興ると、明王の存在が考えられ、その像が造られるようになった。もともとインドの神々だったものが、仏教に取り入れられたもの。

髪を逆立て怖い顔をしている(忿怒相)場合が多いがこれは強烈な慈悲の表現で、敵を屈服させるとともに己の煩悩を絶つためである。 手には悪を懲らす道具をもっている。

五大明王

金剛界五仏に対応する。不動明王以外は単独でまつられることはない。

不動明王

インドの最高神であるシヴァ神を仏教に取り入れたもの。 大日如来が一切の悪を退治するため忿怒相に化身したとされる。 右手に剣、左手に羂索を持ち、光背に迦楼羅〔かるら〕焔光を用いる。 単独像で信仰され、左に矜羯羅〔こんがら〕、右に制多伽〔せいたか〕の二童子を従うことが多い。八大童子、三十六童子を率いる場合もある。  金剛峰寺

降三世〔ごうさんぜ〕明王

煩悩のもとである三毒を過去・現世・未来の三世にわたって断ち切る。 通常は3つの顔と8本の腕、弓、矢、刃などの武器を手に、大自在天とその妃烏摩〔うま〕を踏みつけている。

軍荼利〔ぐんだり〕明王

軍荼利とは不死の意で、強い力で外敵を除く。からだに巻き付けた蛇は根深い煩悩を示しているとされる。

大威徳〔だいいとく〕明王

大威徳明王

優れた威徳をもつ。文殊菩薩の化身ともいわれるている。 六面六臂で水牛にまたがる。

金剛夜叉〔こんごうやしゃ〕明王

金剛杵の威力で人間の心の障害を、悪鬼のような力で破砕する役割をになう。

その他の明王

愛染明王

愛染明王

愛欲貪染の明王。人間のもつ三つの煩悩のひとつである愛欲をそのまま菩提心に高めるはたらきをする。 獅子冠をいだき焔髪とし、三目六臂で蓮華座に結跏趺座〔けっかふざ〕する。2本の手に弓と矢を持つ。 体、台座、光背のすべてが深紅で彩色される。

孔雀明王

毒虫や毒蛇を食べる孔雀の神格化で、一切の毒や心の不安を滅却するとされる。 多くは四臂で、孔雀にのり蓮華座に結跏趺座〔けっかふざ〕する。

大元帥明王

悪獣や外敵の難を除くとされる。 忿怒相で、身体や腕に蛇がまつわりついている。