FUKUSHI Plaza漱石 Now and Then

漱石ゆかりの食べ物

漱石の小説にはいろいろな食べ物が出てくるがそのいくつかを紹介する。
最終更新日:2010年11月15日

和食

竹葉亭の鰻が『吾輩は猫である』に出てくる。 漱石ゆかりの地「竹葉亭」

川甚の鰻の蒲焼が『彼岸過迄』に出てくる。 漱石ゆかりの地「川甚」

駅弁

『三四郎』の主人公が、京都・名古屋間の列車内で食べる場面がある。

三四郎は思い出したように前の停車場(ステーション)で買った弁当を食いだした。
 車が動きだして二分もたったろうと思うころ、例の女はすうと立って三四郎の横を通り越して車室の外へ出て行った。この時女の帯の色がはじめて三四郎の目にはいった。三四郎は鮎(あゆ)の煮びたしの頭をくわえたまま女の後姿を見送っていた。便所に行ったんだなと思いながらしきりに食っている。
<略>
この時三四郎はからになった弁当の折(おり)を力いっぱいに窓からほうり出した。女の窓と三四郎の窓は一軒おきの隣であった。風に逆らってなげた折の蓋(ふた)が白く舞いもどったように見えた時、三四郎はとんだことをしたのかと気がついて、ふと女の顔を見た。
『三四郎』一

洋食

漱石の小説に、洋食店の精養軒がたびたび登場する。  漱石ゆかりの地「精養軒」

洋風かき揚げ

漱石に出したのがきっかけで松栄亭のメニューになった。  漱石ゆかりの地「松栄亭」

ライスカレー

淀見軒のライスカレーが『三四郎』に出てくる。  漱石ゆかりの地「淀見軒」

軽食

サンドイッチ

『道草』で健三が食べる場面がある。

ある時の彼は表へ出た帰掛(かえりがけ)に途中で買ったサンドウィッチを食いながら、広い公園の中を目的(めあて)もなく歩いた。斜めに吹きかける雨を片々(かたかた)の手に持った傘で防(よ)けつつ、片々の手で薄く切った肉と麺麭(パン)を何度にも頬張(ほおば)るのが非常に苦しかった。
『道草』五十九

ビスケット

『道草』で健三が食べる場面がある。

 ある時の彼は町で買って来たビスケットの缶を午(ひる)になると開いた。そうして湯も水も呑(の)まずに、硬くて脆(もろ)いものをぼりぼり噛(か)み摧(くだ)いては、生唾(なまつばき)の力で無理に嚥(の)み下(くだ)した。
『道草』五十九

飲み物

平野水

炭酸水のことで『行人』に出てくる。兵庫県多田村字平野村の湧き水が1884年に瓶につめて飲料水として売り出され、地名の「其矢」と一時三菱の所有地だったころから、「三ツ矢印平野水」と名付けられた。他にも「孔雀印平野水」などいろいろな種類があった。

 お兼さんは黒い盆の上に載(の)せた平野水(ひらのすい)と洋盃(コップ)を自分の前に置いて、「いかがでございますか」と聞いた。自分は「ありがとう」と答えて、盆を引き寄せようとした。お兼さんは「いえ私が」と云って急に罎(びん)を取り上げた。
『行人』友達六