未来からの贈り物
私は、34歳のとき(1987年)当時4歳の長男を小児癌で亡くしました。それ以前にも、失恋や昇進の失敗など、失意の体験はあったのですが、ただ忘れることですませていました。しかし、子供を亡くしたことは、ただ忘れるだけではすませられない、私の生き方の見直しを迫りました。長男が亡くなったとき、それまで会社の仕事や合唱団の運営を優先して、子供と過ごす時間を充分持たなかったことを後悔しました。こういう思いがけない深い挫折の体験は、胃に穴をあけるような仕事上のピンチや転勤など、その後もまるで道標のように私の人生の旅路のあちこちに待っていました。子供を亡くしてからの10年は、後悔しないために今をどう生きるかを問い続けた10年であったと言えるかもしれません。
挫折は突然訪れるとは限りません。ふと気がつくと、閉塞状態に陥っていることもあります。「会社をやめようか、でも、やめてどうなる」と悩んだこともあります。期待される役割に応えられない自分に焦ることもあります。思い通りに行かぬ家族関係に疲れ果てていた時期もあります。
それら私には変えられないことがらに、私の幸福が左右されるなら、私は一生幸福にはなれません。一度しかない人生、私は幸福に生きたい。そこで私は、自分の人生の主導権を、外部の出来事でなく、私自身に取り戻す決心をしました。そのために私は今、親や教師から学んだ価値観や行動様式などを再点検しながら、自分で自分を育てなおしているところです。
このwebサイトは、後悔しないために今をどう生きるかを問い続けたこれまでの軌跡と、人生にイエスと言うことを決心した私の現在進行形の歩みとを綴ったエッセー集です。
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