黒虹会
ペンネームの嘘
2002.2.23/2020.7.26
世間一般に信じられているペンネームの由来は、むろん嘘です。例のイーデス・ハンソンさんのファンだからというあれ。
確かに世間では、ダンセイニの団精二氏、アーサー・C・クラークの浅倉久志氏、アーサー・マッケンの朝松健氏などの例はあります。
若い方は、イーデス・ハンソンさんをご存じないでしょうが、関西弁をしゃべる外人タレントのはしりでした。
●「塙(ばん)団右衛門とか阪東妻三郎など強そうな名前はハ行から始まるから、何となく半村になり、ラ行は音感がいいので良にしたという」(週刊プレイボーイ1974年7月2日号「タイムマシンに乗った男・半村良のふぁんたすちっく空間」)。
●当人によれば「とんでもない。ハンソンがテレビに出る前に、自分で考えてつけた」名前で、永い間水商売をやってきたカンで開口音で始まってラ行で終わる名前が縁起がいいと命名したのだそうだ。(藤田昌司 出版トピックス 「新刊展望」1974年10月号)
●半村良というペンネームは将来自作が海外に翻訳されるときを考えて作ったというからたいしたものである。(「処女作時代の作家群像」権田萬治、別冊小説推理76陽春特別号)
●RYO・HUMMLERなどと英語を綴れるように考えた私のペンネーム(「現代っ子とお化け」 読売新聞1979年6月20日号夕刊)
●半村「だから、古今亭の芸名をもらいたかった、半生という……」 田辺「そういえば、あなたの名前はイーデス・ハンソンさんの名前をもじったものだと聞くんだけど……」 半村「いえ、ハンフリー・ボガートです。……」(作家のうらおもて 田辺茂一対談集、行政通信社、1980年)
●「イーさん、僕が小説を書いて出すときのペンネームは英語のハムラーをもじった半村にしようと思う」といったことが、未だに忘れられない。(「戦国自衛隊」板谷實、りんかい春秋1980年2月号)
はんぱの半 むらきの村 半村良は良い男 苺山人
ハンソンさんのデビュー前からのペンネームなので、嘘に決まっています。しかし、嘘もほんとにしてしまうのが師匠ですから……。
なお、週刊文春1975年2月26日号では、くだんのハンソンさんと師匠の対談が掲載されているのでありました。(平八)
