|
6ヶ月ほど前に左側の末梢性顔面麻痺を発症した50歳女性。大学病院ではベル麻痺と診断され、3ヶ月ほど治療を受けたとのこと。症状の改善がみられず、インターネットで検索した鍼灸院に通院したものの、全く変化なし。相談した知人に当院を勧められ、来院されました。
両眼を閉じて頂くと左眼が薄目がち。鼻唇溝に左右差はありませんが、左側の鼻孔が右側に比べて狭くなっており、小鼻が動きません。また、口角は下方へ引っ張られています。これらのことから、この方は【T型】の顔面神経麻痺であることがわかります。
その他の症状は、「左側の額のしわ寄せができない」、「左目から泪が出る」、「口に含んだ水が左口角から漏れてしまう」、「左頬が動かない」、「物を食べると左目が細くなる」、「左耳が詰まる」など。主な既往歴は、「花粉症」、「高血圧」、「子宮筋腫」で、大小便は正常です。
| |
患部である顔面を流れる経気(=経絡の気)のうち、足の太陽膀胱経、足の少陽胆経、手の太陰肺経の経気は虚し、足の陽明胃経、足の厥陰肝経、手の少陽三焦経の経気は実の状態になっています。
この方は左耳の閉塞感を訴えていますが、この場合は足の少陰腎経、手の太陽小腸経の経気の虚がからみます。
また、ハント症候群であれば足の少陰腎経、手の太陽小腸経の虚、中耳炎、真珠腫が原因であれば加えて足の太陰脾経の虚がからみます。 |
| |
左鼻孔が少し開き、左口角がだいぶしまってきました。泪もあまり出なくなり、食事の時に口に含んだ水が漏れにくくなってきたとのこと。 |
| |
「目を閉じられるようになり、左小鼻が動くようになりました」。外見上も鼻孔の左右差はなくなっています。また、水分が左口角からこぼれなくなり、泪は完全に止まったとのこと。 |
| |
「額にしわが寄るようになり、口のしまりも良くなりました」。
現在気になっているのは、左頬がこわばること、食事中に左目が痙れるような感じがすること、左目の下が時々ピクピクすること、及び、左耳が時々詰まること。 |
| |
「笑った時に左口が思ったとおりに開かないことがあり、そのことが少し気になるります」。しかし、それ以外は良好でかなり楽になったとのこと。 |
| |
家族や知人から外見上特に指摘されることはなくなったとのこと。上唇、頬、目尻が気になることが時折あるものの、「普段意識することは殆どありません」とのことでしたので、今回をもって治療を終了しました。 |
|