リウマチ専門医でリウマチ二期(ステージII)と診断され、非ステロイド抗炎症薬、抗リウマチ薬、ステロイド薬を処方された51歳女性。当院でリウマチが治癒した友人の紹介で来院されました。関節炎は、両側の手の人差し指、中指、薬指の第三関節(MCP)、手関節、足の第一趾の付け根、足関節、膝関節に顕著ですが、手指等の変形は認められません。
既往歴は、9年前に左急性中耳炎で鼓膜切開、6年前に子宮筋腫で子宮全摘、3年前に右側の甲状腺癌でその部位を切除しています。他の愁訴としては、腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛、十二指腸潰瘍、左側の耳鳴りがあり、肝機能のGOT、GPTが高値。また、血圧は128/70mmHgで小便はやや近く、大便は正常とのことです。
脈状は沈毛脈を呈し、腹診では腹全体が虚満、左右の関門穴、気衝穴辺りが軟弱で臍傍に抵抗が認められました。
治療は、まず、リウマチの主経となる足の太陰脾経・太白穴を補い、箕門穴を瀉、足の陽明胃経・足の三里穴を補い、陷谷穴を瀉。この取穴で体全体の“柱”を調整する一方で、足の第一趾の付け根、膝関節の関節炎に対処しています。
既往歴である子宮全摘、及び、十二指腸潰瘍の影響を考慮し、足の厥陰肝経・曲泉穴(右側)、行間穴(左側)を補い、足の少陽胆経・風市穴(右側)、陽陵泉穴(左側)を瀉。さらに、両側の丘墟穴を補って足関節の関節炎に対処しました。
足の少陰腎経・照海穴を瀉し、膝上4横指の無名穴を補い、手の少陰心経・青霊穴(右側)、手の太陽小腸経・肩貞穴(右側)を補うことで右側の甲状腺を切除したことによる経脈のアンバランスを調整し、同時に、腰椎椎間板ヘルニアによる腰痛、GOT・GPT高値、左の耳鳴りの改善を図っています。
また、手指の関節炎に対しては、手の陽明大腸経・合谷穴を補い、臂臑穴を瀉すことで人差し指、手の厥陰心包経・大陵穴を補い、曲沢穴(右側)、天泉穴(左側)を瀉すことで中指、手の少陽三焦経・中渚穴を補い、臑会穴(右側)、上四とく穴(左側)を瀉すことで薬指と手関節の改善にあたっています。
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「朝のこわばりがだいぶ楽になりました」。足の第一趾の付け根、左側の足関節の痛みは殆ど感じなくなったものの、手指の関節は時々痛みが出るとのこと。 |
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「手関節の痛みも殆ど感じなくなり、膝関節の痛みも軽減してきました」。朝のこわばりはまだ続いているとのこと。 |
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「朝のこわばりがなくなりました」。関節炎は概ね改善しているものの、時々痛みを感じるとのこと。 |
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「左手の中指と薬指、それから、左膝に時々痛みを感じることもありますが、お陰様でだいぶ楽になりました」。
今回で治療は一旦終了し、様子をみて頂くことにしました。 |
それから2年ほど経ったある日、「腰痛の友人を診て頂きたいのですが・・・」と、突然の電話。その方に同伴してお見えになった時にその後の様子を伺ってみたところ、関節リウマチはすっかり良くなって検査でもリウマチ因子陰性であるとのことでした。 |