43歳女性。5年前に子宮頚癌の手術を受けています。一度は諦めた子どもを授かる為に何度か試みた体外授精はいずれも失敗。4年前から鍼灸治療を、そして、2年前からは漢方治療を受診しています。しかし、「ここ1〜2年は卵子が未成熟で採取も出来ない状態が続いている」とのことで当院に来院されました。
問診を行い、「下半身の冷え」、「のぼせ」、「左側の耳鳴り」があることを確認。便・尿の状態は、「便秘気味で小便が近く、昼間は2時間が限度。夜は最低一度は小便に起きる」とのことでした。血圧は低いですが貧血はありません。
「下半身の冷え」には足の少陽胆経、「のぼせ」には足の太陰脾経・手の陽明大腸経をもって対処し、「耳鳴り」には足の少陰腎経・陽明胃経・手の太陰肺経をもって対処。「便秘」には足の太陰脾経・陽明胃経、頻尿には足の太陽膀胱経をもって対処。そして、「低血圧」には足の少陰腎経・手の陽明大腸経をもって対処しました。
さらに、子宮頚癌の手術により機能が低下している生殖器の活性化を図る目的で足の太陰脾経・厥陰肝経・陽明胃経のバランスの調整を行いました。
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卵子4個が採取出来ましたが、全て授精卵として分裂しませんでした。この頃には左側の耳鳴りがだいぶ小さくなり、のぼせも落ち着いてきています。便通は正常になりましたが、排便時に陰部から空気が漏れるとのこと。そこで足の厥陰肝経の行間穴を左右とも瀉法しました。 |
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陰部からの空気の漏れは治りましたが、生理の量が少なく、2日間で終わってしまうとのこと。この頃には下半身の冷えが改善され、小便も遠くなり、夜に小便で起きることは無くなっています。血圧は110/70mmHgです。 |
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生理が4日間にのびました。卵子2個が採取出来、授精卵として順調に分裂。1週間後に子宮内に戻すとのことでした。 |
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授精卵を子宮に戻して9日目。高温相(36.7℃)が続いているとのこと。脈診をしてみると「浮・動」の脈。着床したようですので万全のために全身のバランスを整える目的で治療を行いました。今回で治療は終了しましたが、その後、順調に経過しているようです。 |
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