夜行列車 (上野・純米飲み屋)
純米酒(冷や)を飲ませる店
訪れたときの様子
ちょっとはまるほど面白かった日本酒の本(下記)のなかで紹介されていた。同じく誉められていた「花垣」も置いているようなので訪ねてみた。

住所を頼りにたどりつけば、一度店先に並ぶ銘柄をながめて通り過ぎた店だった。当時は「花垣」を知らず(店先にも掲げられていない)、とくにひかれるものはなかった覚えがある。
あらためて品書きを見ると、通常本醸造でよくみる「一ノ蔵」や「浦霞」を純米で置き、「天狗舞」も山廃ではない。でも「黒帯」は山廃だ。よく見る銘柄でも見慣れない感じがしてしまう。燗をつけずに冷やで飲ませるせいかな?

「燗にできるものはありますか?」と聞くと「いやあ、うちは燗はしないんですよ」と冷蔵庫の1升瓶から注ぐ。
確かに香りがたつ酒もけっこうある。でも燗にしたらうまそうなのが多いし、せめて常温で飲みたいなあ。いちおう燗用の銘柄も1つあって、「ふぐのヒレ酒」もやるみたいだし。

「これからの日本酒は純米の時代になります」と言うご主人。確かに本醸造でうまいものは少ないですねと(ちょっと控えめに)ふってみたら、「醸造アルコールが入るとだめです。あれは廃糖蜜なんかを使っているでしょ」とかなりかたくなだ。泡盛を置いているところをみるに、蒸留が悪いのではなくて原料が米でないことがポイントだろう。
聞いていると会話の中で「体に良い・悪い」という言葉をよく使う。当然醸造アルコールは悪い方。「次の日頭が痛くなるでしょ」となる。ん〜、頭が痛くならないアル添酒もある気はするんだが、もっと敏感な人のレベルで言っているのかな?

つまみはうまそうなものが品書きに並び、実際食べたものはみずみずしくてうまかった。お通しの酢はぴりぴりしないし、ワカメも鶏肉も上品。鮭もあっさり粕に漬かっていて、もともとの身のうまさが感じられる。隣りの人がとっていた「たらの白子焼き」がふっくらしていてむちゃくちゃうまそうだった。これらが「体に良い」ものであることは大きくうなづける。食べたいつまみをとってから酒を合わせていくのが得策とみた。(でもやっぱりいくつかは燗が欲しくなる)

肝心の「花垣」は純米吟醸。味がしっかりあって噂どおりうまかった。きれいな味で「たらの白子焼き」には負けそうだったので、純米や山廃も飲んでみたい。
この日注文したもの
日本酒は丸いグラスにこぼして枡でうける。あわせて1合をやや切るくらいの量だと思う。
鮭を吟醸粕で漬けて焼いたもの(700円)1、
「花垣」(「米しずく」純吟・800円)、「喜三郎の酒」(純吟・トンネル貯蔵・H13・700円)、各1
お通し(ワカメと鶏の酢の物、400円?)1、
1人で2700円(1時間弱滞在)
勝手なコメント
純米にこだわるのは良いと思うが、ぬる燗か、せめて常温はやってほしい。
★★(5つ星が最高)
詳しい紹介

「夜行列車」
JRの高架沿いの道、丸井の裏手あたり

台東区上野6-13
15時から営業?、23時半ラストオーダー(23時50分閉店)
火曜定休

JR山手線、営団日比谷線・銀座線 上野駅 から徒歩2〜3分
都営大江戸線 上野御徒町駅 から徒歩5〜6分
上野駅からは広小路口orしのばず口に出て、JRの一番丸井に近い側(不忍池や上野公園とは反対側)の高架沿いを高架を右に見るように御徒町駅方向へ歩く。少し歩いた左手が「夜行列車」。間口は狭いが、日本酒の銘柄の木札などいろいろ並べているので気をつけていれば通り過ぎることはないと思う。
上野御徒町駅からはJR御徒町駅に出て、高架沿いを高架を左に見るように上野駅方向へ。もうすぐ上野駅というあたりの右手が「夜行列車」。

たらの白子焼(600円)、なまこ酢、はまぐりの酒蒸しなど海のもの中心に400〜800円位。角煮もあり、そこそこ腹にたまる酒のあてという印象。

日本酒は飲んだ他に、「南部美人」(純米吟醸・600円)、「王紋」(「夢」・純米吟醸・700円)、「越のかぎろい」(「萬壽」純米大吟醸・800円)、「〆張鶴」(「純」・純米吟醸・800円)、「銀盤」(純米大吟醸・600円)、「浦霞」(純米・600円)、「一ノ蔵」(純米・600円)、「上喜元」(純米吟醸・600円)、「出羽桜」(「一耕」純米・600円、「出羽燦々」純米吟醸・800円)、「三千盛」(純米・700円)、「奥の松」(純米・700円)、「天狗舞」(「柔」・純米・600円)、「黒帯」(山廃純米・800円)、「千代むすび」、「雪鶴」(純米・600円)など
燗にできるのは「日光誉」(純米)のみ。(なお、ふぐのひれ酒もあり、これには本醸造を使っているよう)
「菊の露」(泡盛、1000円)もあった。

下記の上原先生の本で誉めてあるが、燗はつけないし、ましてや割水などしてくれる雰囲気ではないので、過大な期待はしない方がいいと思う。でも、店主が「体に良い酒」にこだわっているのは確かだし、飲み屋で「純米酒のみ」というのはほとんどない気がするのでその点が買われたのかと感じた。

⇒「純米酒を究める」 上原浩 光文社新書
(「最近知った店の中では・・好感を持った」として第七章で紹介。カラー写真付き)
⇒「dancyu」(ダンチュウ) 2003年3月号  プレジデント社
http://my.reset.jp/~tabo/cherry06.html
(個人作成の結構濃ゆいサイトのようだが、店に関する記述はいい感じ)


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