RMパピイの昔話:蕪村の句と天文

 春になりました、

寒さの遠のいた日差しの中の砂浜で凪いだ海のゆっくり打ち寄せる波の音を思わせます。蕪村の句で す。先だってのじじ怪説で「2000年は閏年」を覚えていてくれた教え子達のことを書きました。その時思い出したのが、もう一つの蕪村の句を、紅顔の美少年氷室貢二先生から習ったという葉書が 何十年も経って舞い込んだことを。

 これを、私は、新制中学「私達の科学」の13か14の天文の話で引用して、この句は、「メチャ寒い冬の真夜中に近い時刻の光景」と決めつけ、何故ならば・・・・と太陽の通り道「黄道」と月の通り道「白道」とそして序でに地球の赤腹帯、「赤道」と三つの「道」を説明して、やおら、この蕪村の句のように、月が、頭の上(天心)から照らすのは、北半球日本に於いては、冬をおいて、無いことを証明したのだそうです。満月の時太陽と地球と月の関係を思い浮かべると地球から見て太陽と月は、正反対の方向です。

 これだけでは、未だ、多分冬だろう程度ですね、地軸と赤道の公転面に対する傾き、23.5度を語り、地球赤道に対し、太陽は23.5度傾いて、地球の365.2422日に360度の天空を1周する事になってます。実はこの間地球は自転を366.2422回余するのですが、太陽の周りを同じ方向に1回転するので、1年に訪れる昼夜回数は、365回しか巡って来ないのです。月は自転してないように見えますが、軌道上で1月にきっちり一回自転と公転しているからいつも地球に同じ面をさらしているのですよ。これと同じで、マイナス1。

 天空に目を移すとそこは、地球が中心。365.2422日地球日を過ごすうちに、天空の星座は、366回転します。春夏秋冬掛かって星座が一巡りするのは誰しも知ってる解ってることでしょう。この中を太陽が段々と後事去りして行くので、星座が段々早く上がってくるように見えるのです。此の太陽の天空での後ずさり道が、黄道です。赤道と黄道は上述のように23.5度傾いています。春分には太陽は赤道の上ですから、此の2つの道は、春分点と、同じく秋分点で交差し夏、夏至には、北緯23.5度、台湾の嘉義((チャイ))の真上を、又冬至には、南緯23.5度まで下がります。南半球は暑いお正月です。

 月の天空上の往き道は、地球の公転面と、月の公転面の角度の違い約4.5度のずれ分黄道に絡んで黄道の±4.5度内を右往左往します。

 蕪村の句の、天心に最も近くなるには、真夜中に尤も黄道の位置が北上し、更に白道が、+4.5度を取って満月の位置に来た日です。


が仰角最高値となります。

 真夜中に夏至点が通のは、太陽がほぼ冬至点の前後で、又真夜中に月が頭の上に昇るのは、満月前後問題はその時白道偏倚が+4.5度に近いかで決まりますが、「月天心」は、冬の真夜中と見て間違いありません、又、仰角は、北緯33度の所と仮定して、最大、(90-33)+23.5+4.5 = 85度に過ぎなかったことが解ります。しかし、そのこうこうと冴え渡る冬の月の下に静まり返った寒村を見たとき、庶民の暮らしを思えば、いかにも貧しき村としか思えなかったことだろうと納得できる。蕪村は矢っ張り素晴らしい感性を備えている、そう解説したと覚えています。

 本人が忘れてしまいそうなことを、教え子がいるお陰で、50年後に思い出させて貰っています、幾つも年の違わぬ教え子にデス。


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