パピーの面白話:Q略号とクエイサーついでにパルサー

 QSOとか、QRZとかは、アマチュア無線だけに通じる略号だと思っては居ませんか? もう少し広そうだな?結構。 船舶無線にはもう一寸広げて使われていましたね。 末尾に、昭和27年夏、日本人に30局JAコールが免許された頃アマチュア無線に使われていたQ符号の表を掲げておきましょう。 参考にして下さい。 最近は随分勝手な意味に曲解されて使われていますので注意が必要です。

 ところで、この秋、高校時代の、天文倶楽部のOB会に呼び出されて、いまも天文に凝っている人たちと50年振りに会話するチャンスがありました。 難しいモノです。 分野の違う人との会話は。 こちらでカノープスが獅子座流星群の時見えた話をしていたら、何処からか、誰かが、QSOだのQSGだのと言っているのが耳に引っかかってきたのです。 「うん?ナヌ?」ってことになりますわな。 「オッ、誰か無線の話が分かる奴が居るのか、これは心強い」と先ずカノープスの話を片付けていると、更に、QSSと来た。 「うん?ナヌ?」、、、。 QRSなら判るがQSSは何だっけ?と思い始めると昔は、津島市や海部郡のあちこちで十分に老人星カノープスが見えたが、と言う目の前の話がQSSに気圧されてカノープスのように見えなくなってし まった。

 「ヤムヲエン」と話半ばにそちらのグループに出向いて、Q符号の意味を問うて見た。 「おや、大先輩、クエイサーを知らないことはないでしょう?」と来た。 「恒星状天体準星、至遠距離にある、銀河宇宙の中の超新星だけが光っているように見える奴じゃろが?」 「へえ、そいつらを纏めて、Quasi Stellar Object略して、QSO。 それらのうち、光の割に、強い電波を出している奴を、Quasi-stellar radio Source略して QSS、光の割に電波の殆ど出てない奴を、Quasi-stellar galaxy 略してQSGと呼ぶのだそうでわ。」と言う話でした。 「電波と言ってもパルスではないので?」 「そう、パルスが出ていれば、寧ろパルサーに括られてしまいますよ。」ですと。

 面白いですね、偶然にも、天文用語と無線用語にまたがって存在するQ略号。 チートも知らなかったワア。 電波望遠鏡の歴史を書いた責任上、電波星に関わるこの二つを天文辞典の線に沿って解説しておきましょう。

 (1)クエイサー:恒星状天体、準星:天体写真乾版上で、恒星のように(すなわち、角度で1秒以下の大きさ)見えるが星ではない。 光を波長別に分けるスペクトル写真に撮るとガス状天体特有の輝線が見られるが、大きな赤方偏倚を示し遠いところにあることを示し更にもの凄い早さで、遠ざかっていることを示している。 現在一番大きい赤方偏倚を示す恒星状天体は、PKS2000-330 と言う電波源で、その値は3.78,赤方偏倚はハップルの膨張宇宙説でのスペクトルのドップラー効果によるモノと考えると赤方偏倚が大きいほど我々から遠いとされるが、光度も程々にあり、このPKS2000-330の場合、絶対等級−27等、太陽の光度の約5兆倍の明るさになる。 一般にクエイサーのエネルギー放出は、赤外線域が強いがX線域から電波域までのすべての極めて幅の広い分布を持っている事が多い。 又光度や電波などの放射が不規則に数日から数年の尺度の変化を伴っていることも知られ、単一の星でなく、極めて遠い140億光年程度の膨張宇宙の先の方の銀河宇宙1又は複数のエネルギー発射源と見られている。

 1963年に初めて、恒星状天体として見つけられた3C48の場合、露出時間を長くすると光点をガス状のモノが包んでいる様にも見え、分解能の高い分光器で、本体のスペクトルと、周りのガスのスペクトルとを分離採取された。その結果光点としては、表面温度一万度ほどの星が多数存在することがわかりがガスはそれらの星のかなりの数が、未だ生まれて数千万年の若い星でガスを伴っているモノと判明した。

 3C273を始めとして、いくつかの恒星状天体では、電波源が中心核から、両方又は一方に、見かけ上光速よりも速い速度で移動する現象が観測されている。 クエイサーは始めの一個が1963年に発見されてから2000年までに約1500個が見つかって研究されている。 それらを赤方偏倚の値に従って分類すると、値の小さいモノすなわち我々に近いモノから、光速の92%相当の極めて遠いモノに至るまで連続的に存在するが、遠方に近づくに従って急に数が増える、その分布ピークは、赤方偏倚で2-2.4付近である。

 (2)双子のクエイサーと重力レンズ:1979年に双子の恒星状天体 0957+561AとBが発見された。 この2個の恒星状天体は、天球上で、角度で6秒しか離れてなくて、AはBより約25%明るいがこの明るさの比は光でも電波でも同じで、更に分光スペクトルが、掃除で、赤方偏倚が1.405、吸収線の赤方偏倚が1.390と全く同じで、天球上AとBを結ぶ線上Bに近く赤方偏倚0.36(ABよりずっと我々に近い)の銀河が検出されており、この手前の銀河の重力レンズによって遠方の1個の恒星状天体が2つの像に分解されたと解釈されている。重力レンズはアインシュタインの相対性原理で予言され、水星の太陽による隠蔽などで、確認されている現象。

 (3)パルサー: 秒あるいはミリ秒の単位の短い周期で、パルス状の規則的な電波を放射する天体。  パルサーは強い磁場を持ちかなり早い自転をする中性子星だと考えられている。 1967年秋、ケンブリッジ大学の大学院生ベル嬢が、天空のある一角からパルス状の電波がやってくることに気付いた。 この観測グループヒューイッシュらは更に観測を続け、この電波源が、1.337...秒という極めて正確な周期のパルス状電波を出しており、しかも太陽系以外の遠い宇宙空間からやってくるモノであることを発見した。 ヒューイッシュらは、最初この奇妙な電波は、地球外文明からの交信かもしれないと考えた。 しかしその後、次々と類似の電波源が発見され、これらは自然現象に過ぎないとされるにいたって、パルサーと呼ばれることになった。

 この学会の慣わしとして、こういうモノがいくつか発見されると誰かが必ずこれはこんなモノがあって、こんな理屈でこんな事になって、こんな仕掛けでこんなパルスが出るのでしょう、とまことしやかなモデルを作って提案することです。 この時も色々な説によるモデルが提案されましたが、その後、超新星の残骸である”カニ星雲”のちっぽけな中心星から、周期0.033秒の極端に短周期のパルスが出ていることが判ってからは、超強力な磁場を持つモーターのような回転の速い中性子星モデルのみが生き残ってきました。 その説によると、パルサーは磁軸と回転軸の方向がずれた中性子星で、磁軸の方向に電波が放射されているが、自転により、磁軸の方向が観測者の方向に向いたときのみ電波が受信できる、と言う灯台モデルで説明されるが説得力ある説明として広く受け入れられている。 パルサーのパルス周期は極めて高い精度で一定である。 しかし、何十年という長い期間周期を見ていると、ホンの僅かではあるが周期が時とともに延びていることが判る。 パルサーは中性子星の自転のエネルギーを消費して、電波を放射しておりその結果自転周期が延びるのである。 従って、一般に、若いパルサー程自転が早く、年をとるに連れて自転が遅くなると考えられる。 しかし、1982年に発見された1.5ミリ秒の超短周期パルサーの場合、自転周期の延びる割合が小さく、周期が短いからと言って必ずしも若いパルサーとは限らない例もある。 パルサーは殆どの場合単独の中性子星であるが、1974年には連星系をなすパルサーも発見された。 この連星系パルサーは、それ自身正確な時計だから、この連星の軌道周期の永年変化を調べて、アインシュタインの一般相対性理論で予測される重力波の有無について検証が出来る重要なパルサーである。 現在パルサーは銀河系内で数百個見つかっている。 以上の話は電波を出すパルサーでした。 これ以外にX線でパルスを出しているX線パルサーもある。 X線パルサーは、中性子星と普通の星との近接連星系で、普通の星から放出されたガスが中性子星の磁極に降り積もるとき重力エネルギーが解放されてパルス状にX線が放射される天体である。

 

無線で使用されるQ略号の例
(1953年8月号「ラジオと音響」付録より。オーム社刊)ほか。


Q略号問いかけ応答
QRA貴局の呼出符号は何ですか?当局の呼出符号は何々です
QRG当局の正確な周波数は?貴局の正確な周波数は、、、です
QRH当局の周波数は動きますか?貴方の周波数は変動します。
QRI当方の発射音調はどう?貴方の発射音調は、
1.良好です
2.変化します
3.不良です
QRK当方の明瞭度如何?貴方の明瞭度は、
1.読めません
2.時々読めます
3.読めますが困難
4.読めます
5.完全に読めます
QRL貴方は通信中ですか?当方は通信中でした
QRM貴方は混信を受けていますか?当方は混信を受けています
QRN貴方は空電に妨げられますか?当方は空電に悩まされます
QRO当方は電力を増加しますか?当局は電力を増加します
QRP当局は電力を減少しましょうか?電力を減少して下さい
QRQもっと早く送信しましょうか? もっと早く送信下さい
QRSもっとゆっくり送信しましょうか?もっとゆっくり送信下さい
QRT送信中止しますか?送信中止します
QRU貴局は送信するモノ無ですか?当方送信するモノ無し
QRV貴方は用意が出来ましたか?当方は用意できました
QRW当方が、、、に、貴方が、...kc/で
喚呼していることを伝えますか?
、、、に当方が...kc/sで
喚呼していることを伝えて戴きたい
QRX貴方は次は何時に当方を喚呼しますか?当方は次何時に貴方を喚呼します
QRZ誰が当方を喚呼していますか?貴方は、、、から歓呼されています
QSA当方の信号強度如何?貴方の信号強度は、
1.殆ど感じない
2.弱いが感じる
3.弱い、後一息
4.かなり良い
5.甚だ強い
QSB当方の信号にフェーデイングを感じますか?貴方の信号にフェーデイングを感じます
QSD当方の電鍵操作は不良?貴方の電鍵操作は不良です
QSG当方は一度に電報を、、通送りますか?一度に、、、通の電報を送って下さい
QSL貴方は受信証を送ることが出来ますか?当局は受信証を送ることが出来ます
QSO貴方は、、と直接交信できるか?当方は、、と直接交信可能
QSP貴方は無料で、に中継できますか?当方中継可能
QSQ貴船に船医乗船しているか?弊船船医あり
QSU当方はこの周波数で送信又は応答していいか?当方この周波数で送信又は応答します
QSV当方はこの周波数で、V連続を送信しましょうか?当方はこの周波数でV連続送信します
QSW貴方はこの周波数で送信しますか?当方はこの周波数で送信します
QSX貴方はこの周波数を受信出来ますか?当方はこの周波数の受信出来ます
QSY貴方はこれこれの周波数に移れますか?当方はこれこれの周波数に移れます
QSZ貴方は直前の語又は句を繰り返し送信できますか?当方は直前の語又は句を繰り返し送信します
QTA貴方は第、、号電報を取り消せますか?当方は第何号電報を取り消します
QTB貴方は当方の語数計算に同意できますか?当方は貴方の語数に同意します
QTC貴方には送信すべき電報がありますか?当方には送信すべき電報が、、通あります
QTH緯度経度で示す貴方の位置は?当方の位置は、、、、です
QTR正確な時刻は何時何分ですか?正確な時刻は何時何分です


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