JIM HALL Maniacs

since 2001/12/01

再発されない2枚のアルバム。


 再発されない2枚のアルバムとは、下の2枚である。

 Jim Hall/Live! (A&M Horizon 1975)

 Jim Hall & Red Mitchel (ArtistHouse 1978)

 私の記憶によれば、最初に発売されたのが20数年前で、それ以降、再発、CD化されていないと思う。 ということは、現在Jim Hallが好きである40歳未満の方で、20歳前後にJim Hallと 出会ってない方たち以外の人は、アルバムの存在は承知していても、聴いたことがないの ではないかと思われる。

 "そんな事、言われてもなぁ"と、お思いでしょうが、この2枚が相当いい内容なのです。 まず、あのJim Hallのホットな部分が、凝縮されている。初めから、最後までバッキングを 含め、Jim Hallが徹底的に楽しめる。Liveであることから、スタジオ録音のクールで コントロールされた部分より、多少オフコントロール気味な所もあり、ヴィヴィッドな インタープレイ、インターリアクションが随所に散見され、開放感がある。

 と、いうことで、聴いたことがない方は、何とかして、聴いてみることを、強烈にお勧めする。  まず、年輩のJazz Fanと懇意になり、レコードを貸してもらいダヴィングする。  それが、叶わなければ、老舗ジャズ喫茶へ足繁く通って、リクエストする。

 ところで、再発の見通しはないのか?と言われれば、私見であるが、暗いと言わざるを得ない。 まず、片方はA&M/Horizonより発売されているが、マスターテープ、版権は、持っていないの ではないかと思われる。(A&M/Horizonの"Commitment"は、CD化されている。)元々、2枚ともプライヴェートな私家盤的な要素があって、よほど 時間とお金と熱意を持った人が動かないと、発掘が難しいのではないかと思うのである。現在 の、日本の音楽産業の状況では(特にJazz)どうにもならない様な気がする。よし!俺が 何とかしようじゃないかと、誰か侠気を出してください。お願いします。

 同じことを、外国の方も考えているようで、All About Jazzのウェブサイトに Jim HallへのQ&A(1998年)が紹介してあるので、一部抜粋する。JHはJim Hall。

From: Rod Furlott (furlott@gtenet)   Jim Hall "Live" is one of my very favorite jazz guitar recordings. Are there any plans to release it on CD? Is there anything that your fans can do to expedite the process?

JH:  You could write to the provider, John Snyder at:
   34 Homer StreetNorwalk, CT 06851
John also has more unreleased stuff from those recordings.

 John Snyder氏は、CTIに在籍後、Horizonのプロデュースをまかされた人で、1998年 当時もまだJim Hallと親交があったと、思われる。未発表テイクもあるみたいで、再発になれば おまけがついてくると思う。レコード盤は、40分からせいぜい50分が限度で、CDで70 分収録可能となれば、言わずもがなである。
 (ArtistHouseもJohn Snyder氏がからんでいるらしい。 Jim Hall & Red MitchelはCD化されたとの情報もあるが、小生は見たことはない。)

 実は、小生も、この2枚のアルバムは発売当時入手していたのであるが、訳あって現在 所有していない。かろうじて、カセットにダビィングしてあったのを、CD−Rに落として 時々、愛聴している。

 という訳で、このアルバムを所有している方々は、その稀少的な価値を認識して戴き、 後輩、同胞諸氏の為に、有効利用もしくは、リサイクルをご検討ください。再発CD化される のが、ベストではありますが。

 ところで、上記2枚のアルバムに関して、少々、追記する。

 1)Jim Hall/Live!にDrumsにTerry Clarkeが参加。ノリは横にグルーブすると言うより、どちらかといえば、縦ノリであるが、Jim Hall と相性がいいのだろう。その後、現在に至るまで、Jim Hall御用達である。
(Jim Hall/Live!の録音の際、テープレコーダーを、止めたり、 回したりの作業は、BassのDon Tompsonが行っていたらしい。)

 2)1976年の来日の時は、Jim Hall/Live!と同一メンバーで来日した。公演は大阪で見た。 Trioの細かいコミュニケーションが、会場では充分掌握できずに、ガッカリした。多分、PA の問題や、会場の広さの問題であったのであろう。"Live in Tokyo"のアルバムを聴く限り 、受け手の問題であろうか?Jim Hall/Live!が気に入って、福岡で公演に行った友人の場合 不覚にも寝てしまったとの事。1992年9月(With Larry Goldings,Terry Clerk,Scot Coly?) 、1998年9月(With Dave Holand)のクラブサーキットの時は、楽しめた。やはり、会場の広さの問題かなぁ?

 3)Jim Hall/Live!とJim Hall & Red Mitchelの間に、ギターを持ち替えている。前者が、 名器Gibson ES-175で、後者はD'aquistoのオーダーメイド品。D'aquistoは、現在も使用 中。これに関して、"Jim Hall 音色の秘密"という別項を考えている。

 4)Jim HallとRed Mitchelは、1950年代からの付き合いであり、相手の手口を充分に理解している。 それにしてもこのアルバムのRed Mitchelのビートは凄い。ところで、Red Mitchelは1988年にHerb Ellis ともDuoのアルバムを残している。
   Doggin' Around/Herv Ellis & Red Mitchell   Concord/CCD-4372
 聞き比べてみれば、Herb EllisとJim Hallの質感の違いがわかり面白いと思う。尚、Herv Ellis はGibson ES-175を弾いている。

(2002,01,12.)
(追記)2003年3月に、「Jim Hall/Live!」が20数年ぶりに紙ジャケでCD化されました。 「再発されない2枚のアルバム。」は「再発されない1枚のアルバム。」になってしまいましたが、 この記事はこのままにしておきます。ボーナス・トラックもありませんでしたが、まあめでたしめでたし と言う事で。
(2003,04,20.)