JIM HALL Maniacs

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おや!Greg OsbyのアルバムにJ.Hが!

 左の写真を、見てください。ギターはJ.H、アルト・サックスはGreg Osby、そしてなんとピアノは Andrew Hillです。J.HとAndrew Hillは、初顔合わせです。アルバム名は、

 The Invisible Hand/Greg Osby (BlueNote 2000)

で、左の写真はインナー・カバーです。Greg Osbyは、J.Hの近作、”パノラマ(1997)”や”By Arengement(1998)”に 客演しています。今度は、Greg Osbyのリーダー・アルバムに、J.Hが客演する形になったものです。

 J.Hは3曲に参加、"Sanctus"という曲を提供している。"Sanctus"では、サポートのみでアドリヴはなし。 "Ashes"(Hill)と"Nature boy"でアドリヴを披露している。J.H目当てで、購入しても楽しめないでしょう。 

 Greg Osby、Andrew Hillという異能な才能に対して、開かれたアプローチができる方、もしくは、既に 2人の存在も手口も承知していて、しかもJ.H.Mであれば、買です。Greg Osby、Andrew Hill2人ともはっきり 申し上げて、手ごわいですぞ!その手ごわい中に、J.Hが客演しているのだぞ、という情報だけで止めておいたほうが いいかもしれません。

 Greg Osbyは1960年生まれ、15歳でプロミュージシャンとなり、その後、ハワード大学、バークリー音大 に通う。1980年の初頭、Steve Colemanの提唱するM-BASEと名乗る音楽を追求してゆく。M-BASEとは、ソウル、ファンク、 ジャズ、レゲエ、ロック、エスニックミュージックなどのアフロ・アメリカンを中心とした様々な音楽的要素 を自在に組み合わせ、それをテクノロジーと融合させた、独自の黒人音楽を創造しようという動きであった。

 このM-BASEの理念と動きを理解した時に、何故か、”モー・ベター・ブルース”という映画の中の 台詞が思い起こされた。その台詞とは
  「ジャズ・クラブは、日本人とドイツ人しかいないしなあ!」
 現在のアメリカの黒人音楽は、Jazzとは言いがたい現実があるのではないかと考えるのである。又、パトロン 、シンパサイザー、熱心なリスナーもアメリカ国外の方が、多数になったのではないかと危惧するのである。

 Osbyは、その後、ジャック・ディジョネット(Ds)のスペシャル・エディションに参加、また、Blue Note とも契約、数作の後、このアルバムに望んだ。1999年が録音で、若干39歳のときである。独特の方法論による アドリブ・ラインの創作、常套句(クリシェ)に頼らない強固な意志、から発声されるアドリヴは、 ゴツゴツ・ゴリゴリと抵抗感が強いが、段々癖になる程、魅力的である。

 一方、Andrew Hillは、1937年生まれ。1960年初頭から、Blue Noteの新主流派として、プッシュされ 、1974年頃よりスティプル・チェイス、1990年前より再生Blue Noteへ復帰している。録音された殆どが オリジナルで、柔なスタンダードは一切弾かない硬派である。独特のアドリブライン、間の取り方、 コード・ヴォイッシングで難解である。但し、Hillも、Osby同様、油断すると癖になります。

 左の写真は、家主がついつい油断して癖になってしまった Hillのアルバムです。

 Andrew Hill/Live At Montreux (Freedom FCD 41023 /1975)

 1970年代に、ジャズ・フェステバルでソロ・ピアノがよく演奏され、アルバム化もよくされていた。 Andrew Hillを、こうして聴いてみると、彼の間の取り方は、ソロの時が一番有効であるような気もする。 Andrew Hillについて、あれこれ言及する資格はないのだが、このアルバムだけは、お勧めする。

 Greg Osby、Andrew Hillという異能な才能と共同作業ができるJ.Hとは何か?それは、見かけ上の、 柔らかなイメージの底に、ラジカルで異能な資質を持ったJ.Hが確実に存在していると言うことである。 しかし、本当にAndrew HillとJ.Hが共演するなんて夢にも思っていなかった。

   The Invisible Handの録音の1年前、デンマークにてJAZZPAR Prizeを受賞。その際の ライヴ録音が左のアルバムである。

 JIM HALL "JAZZPAR QUARTET+4" (Storyville STCD 4230 /1998)

 テラックのジャケットによく似た、油の抽象画がジャケットである。

 曲目は、  ・Stella By Starlight  ・Chelsea Bridge  ・MR.Blues  ・Thesis  ・QUARTET+4   ・Purple Haze  ・In A Sentimental Mood
 メンバーはChris Potter(Ts)、Thomas Ovesen(b)、Terry Clarke(Ds)、4曲目から6曲目までが Zapolski Quartet(弦楽四重奏団)との共演。
 Puple Hazeは、面識があったかどうかは知らないが、となりのアパートに住んでいたJim Hendrix の曲をZapolski Quartetと演奏、前述したが、どうも第6弦を緩めながら演奏している。J.Hも間違いなく 異能者である。

(2002,01,16.)