JIM HALL Maniacs

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ボーカルアルバムとJ.H。

 Anita O'dayは1950年代後半から1960年代前半に数多くのVerveへの録音があります。 その中に、J.Hが参加しているアルバムがありました。

・Cool Heat/Anita O'day Sings Jimmy Giuffre Arrangements/Verve/1959

 ところが、このアルバムには、パーソネルのクレジットが原盤にも記載されていません。 実は、最初にこのアルバムにJ.Hが参加しているのではないかと、目星をつけたのは、 Anita O'dayのVerveのコンピレーション・アルバム「ファイネストアワー」にJ.Hがクレジット されていたからです。この時期のAnita O'dayのVerve盤には必ずと言っていいほど、Guitarが 参加していまして、一番多いのが、バニー・ケッセルです。他にも、「Anita Sings Most」の オスカー・ピーターソントリオとハーブ・エリスや、タル・ファローが参加したアルバムもあります。

 そこで、「ファイネストアワー」を入手するのも何ですから、収録曲から収録アルバムを 割り出して、消去法で「Cool Heat」を入手してみました。なんとこれはまさしくJ.Hではありませんか! ところが、パーソネルのクレジットはなくAnita O'day Sings Jimmy Giuffre Arrangements しか情報はありませんでした。なんとか確証を得る為に、弊サイトBBSでおなじみの25−25さんのBBSで 情報提示をお願いしたところ、TAKASHIさんよりwww.mosaicrecords.comのURLに原盤とパーソネルの 情報があることをご教示いただきました。という経緯で、「Cool Heat」には間違いなくJ.Hが 参加しているということを、ここに声を大にして言いたいのであります。パチパチパチ!

 ところで、内容はどうかと言いますと、これがなかなか良くて隠れ名盤ではないかと勝手に 妄想して、結構愛聴しています。Jimmy Giuffreのピアノレスの中編成のオーケストラで 、Anita O'dayの他のアルバムより気張りがないさりげない歌唱力と Jimmy Giuffreのクールなアレンジが楽しめJ.Hの出番もまあまあと言う事で大満足です。是非、お試しあれ!

 さてこちらは、「Mack The Knife-Ella In Berlin」の翌年のElla FitzgeraldのLive盤です。

・Ella in Hollywood:recorded live at the Crescendo/Ella Fitzgerald/Verve/1961

 パーソネルはElla In BerlinのPianoのポール・スミスがルー・レヴィーに替わりますが、J.H以下3人 はIn Berlinのままです。1959年のダウン・ビートの女性ボーカルのポール・ウイナーは、Ella Fitzgerald 、2位がAnita O'dayと言う事で、J.Hはこの二人の女王様いずれにも隷属した下僕であったわけです。

 ここでのJ.Hは、女王様を盛り立てる下僕でありまして、In Berlinと同様、コンピング、バックリフ、 多少のオブリガードしか出てきませんが、やはり圧倒的なElla Fitzgeraldの歌唱力がなんとも秀逸です。 特にラストの「Air Mail Special」は、素晴らしい。私事になりますが、いままでジャズ・ボーカルを 好んで蒐集したり聴いたりするような事はなかったのですが、このサイトを立ち上げた事で、 J.Hがらみのボーカル・アルバムをチェックするようになり、加齢のせいもあったのか、妙に シックリくるようになってしまった。不覚であるのか喜ばしいことなのか分からないが、楽しみの 選択肢が増えたのだからまあ良しとしよう。

 さて、こちらはAnnie Rossのアルバムです。

・A Gasser/Annie Ross/Pacific/1959

 「A Singer Annie Ross A Swinger Zoot Sims」というサブ・タイトルがついており、A Singerと A Swingerの語呂合わせの通りZoot SimsとPianoのRuss Freemanが大きくフューチャーされており、 本編10曲のボーカル部分は、J.Hはリズム・ギター奏者に徹している。

 CDのボーナス・トラックには、このアルバム録音の翌日のRoss抜きのインストルメント・ナンバー 5曲が追加されており、そこでJ.Hのアコーステック・ギターのアドリブが2曲ほど聴く事が出来ます。 又、同日の録音が↓で紹介する「Choice/Zoot Sims」にも2曲収録されています。 さらに同日の録音が、「リズム・ギター奏者としてのJ.H。」で紹介した「The Swingers! /Lambert,Hendoricks&Ross」 にも数曲紛れ込んでいます。何たるコッチャ!

 こちらは、Mark Murphyのアルバムです。

・That's How I Love The Blues!/Mark Murphy/Riverside/1962

 1962年の引っ張り凧状態のJ.Hは、ここにも出没しておりました。タイトル通りブルース・フェーバー が全篇通低しているMark Murphyのアルバムです。中編成のバンドで、アル・コーンのアレンジ、 オルガンが入っていて、J.HのGuitarも隙間にチョコチョコかいま出てきます。

 ところで、奥の細道にズンズン嵌り込んでいく行くわけですが、J.Hのリーダー・アルバムや 双頭バンド、CO-Readerアルバムのチェックが充分お済でない方は、そちらが先ですので 奥の細道にズンズン嵌り込んでいくのは、後で結構だと思います。(笑)期待して入手しても 思ったほどJ.Hの出番がなかったり、スタイル的に想像していたのと乖離があったりしてガッカリ するかもしれません。小生の場合、好き好んで奥の細道に嵌まり込んでいるわけでして、 思ったほどJ.Hの出番がなかったり、スタイル的に想像していたのと乖離があったりしてガッカリ したこともありました。ところが、いままであまり興味のなかったヴォーカルや50年代のウエスト・コースト ・ジャズ、Jazzの通史などに興味が湧いてきたのも未チェックのJ.Hがらみのアルバムを入手しだしてからなのです。 まあ、ボチボチやって下さい。(笑)

 さて、こちらはボーカル・アルバムではありませんが、

・Choice/Zoot Sims/Pacific/1959

 タイトル通りZootのPacific音源のChoiceなのですが、内容的には、Zootのリーダー・アルバムが ないPacificが、力技で無理矢理掻き集めてテープ編集も含めて何とか1枚のアルバムを作り上げた アルバムであります。それでも、J.Hの朋友ボブ・ブルックマイヤーのPianoが聴けるLive音源が あったりして面白い部分もありますが、Zootの代表作にはなりえません。↑にも書きましたが、 「A Gasser」の録音の翌日のJ.H参加のトラックが2曲入っています。

 ところで、大酒豪Zootは、テナーが吹けなかったら本当に只の酒飲みの白人のオッサンだったのだろうなぁ! Getzみたいに世渡り上手でないところに、何か人間味を感じるよなぁ!演奏も派手さはないが本当にうまいよなぁ! 結局、好きな酒がやめられなくて肝臓障害で亡くなったんだけど、好きな酒と好きなJazzをやって ある意味幸せだったんだろうなぁ!と考える今日この頃でした。

(2003.4.26)