JIM HALL Maniacs

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「The Easy Way」と「Folk Jazz」。

 今年(2003年)になって、世界初CD化のJ.Hがらみのアルバムが2枚発売された。その内1枚が、

 ・The Easy Way/The Jimmy Giuffre 3/Verve/1959

である。このアルバムは、”Jimmy GiuffreとJ.H。”や”「Careful」の足跡。”で紹介していましたが、 Jimmy Giuffre with Jim Hall trio&Quartet/Giants of Jazzで「Careful」のトラックのみのチェック したのみでアルバムの全貌はこのCD化で初めてチェックできました。嬉しい限りです。

 収録曲は、Giuffreのオリジナル6曲とスタンダード2曲、そしてJHの「Careful」です。 Jimmy Giuffre 3の出発当初のフォーマットに、変態的編成を経て、戻ってきたのです。 全体的にシックで、リラックスして、時に瞑想的な部分さえ感じられます。ドラムレスという フォーマットで、室内楽的に、音色、ダイナミクス、タッチがよく生きて大変心地よいです。 そして、JHの出番も申し分なく、音色もトレブルをカット気味でなかなかよいです。 Ray Brownがきっちり仕事をしていて、リリカルに、クラシカルに、そして時にブルージーに 歌い上げています。お薦めいたします。「Seven Pieces」というベースがRed Mitchelに 替わった1959年のVerve盤もあるのだが、こちらは現在入手不能です。

 さて、もう1枚が

 ・Folk Jazz/Bill Smith/Contemporary/1959

 Bill Smithは1926年生まれのクラリネット奏者、1947〜51年にthe Dave Brubeck Octet、1959〜61年に Paul Desmondの代わりにDave Brubeck Quartetに在籍、その他には教鞭に立つことが多く学術肌のプレイヤーである。 このアルバムのコンセプトも、民間伝承から10曲を選び出し、メロディにリハーモナイズなどの 手を加えてJazzにしたもので、なるほど学者肌的な発想といいたいのだが、内容はモダン・スイングの クラリネット・ジャズで充分楽しいものに仕上がっている。

 選ばれた曲は、Spiritual、Traditional、Early English folk songなどなど。 Jim Hallの出番も申し分なく、The Easy Wayと同様トレブルをカット気味の音色でなかなか良いです。 ドラムスのShelly Manneのブラッシュ・ワークも切れ味がよろしく、ボーナス・トラック でのJHのアドリブの聴き比べも楽しみです。これは、定かではありませんが、「Greensleeves」という 曲をJazzに持ち込んだのは、Bill Smithが初めてではなかろうか?「Greensleeves」はその後、 Paul Desmond、John Coltrane、Wes Montgomeryらが演奏している筈ですが、Bill Smith以前の 録音があったら教えてください。

 The Easy Wayのジャケ写を見て下さい。Giuffreはクラリネットを手にしています。Bill Smithは クラリネット奏者。そして、同じくRolf Kuhnもクラリネット奏者、更にここにもJHが出没しています。

 ・Rolf Kuhn and His Sound of Jazz/Rolf Kuhn/Fresh Sound/1960

 Rolf Kuhnは、1929年ドイツ生まれ、ドイツのダンスバンドで腕を磨き、1952年に渡米し Tommy Dorsey、Benny Goodman、Urbie Greenらのバンドで働く。1962年ドイツへ帰国、弟の Joachim Kuhnらとアバンギャルドな方向性も模索、編曲者やプロデューサーとしても活躍している。

 オリジナル・レーベルがどこなのか?不明です。SpainのFresh Soundは、過去の隠れ名盤を 発掘してくれるのですが、オリジナル・レーベルのクレジットは差し障りがあるのか明記してくれない のです。どなたかご存知の方教えてください。

 このアルバムに3曲JHが参加しています。上2枚は、ピアノレス、こちらはピアノが入っていて 自ずと役割分担が軽くなっている分、JHのピアノレスでのロール・プレイングは 聴けませんが、ホーンライクなアドリブが楽しめます。 他の4つのトラックにチャック・ウエインが参加しており、全体的にスインギーな モダン・スイングのアルバムに仕上がっています。興味のある方はどうぞ!この情報は、P-tanさん からいただきました。有難うございました。

 も一つ、P-tanさんからの情報です。

 ・Two of A Mind/Paul Desmond & Gerry Mulligun/RCA/1962

 これも今年Bluebirdからボーナス・トラック付で再発されたものです。オリジナルのアナログ盤は、ピアノレスの2reed(Paul Desmond、Gerry Mulligun) プラス、ベースとドラムの筈ではとお思いの方、なんと、ボーナス・トラックの中に2トラックJHが参加しています。

 ボーナス・トラックの録音日は、6月8日、JH抜きの録音日は6月26日、7月3日、8月13日の3回に 分かれています。これからが、小生の妄想話です。JHとPaul DesmondはよくスタジオでGigっていたらしい とは、「Paul Desmondとのコラボレーション。」で紹介しています。1962年JHは多数のアルバムに参加しています。 いわゆる引っ張りだこ状態。ところが、6月と7月前半までは、空白です。Paul Desmondとの録音は 春先の「Desmond Blue」がクレジットされています。8月13日は、Quincy JonesのBig Band Bossa Novaに 参加しています。これらの状況から妄想できることは、「このアルバムは、元々、Paul Desmond Quartet (JHを含む)+Gerry Mulligunとしての企画ではなかったのではなかろうか?」と言う事です。

 結果的に「Two of A Mind」になったのは、JHが6月中旬から7月中旬までNYを離れていたのでは ないかと妄想しています。もしくは、MulligunがJH含みで頭だしをしたのだが、これはコードレス のQuartetの方が面白いのではないかとDesmondに相談して路線修正をしたのではないかと妄想しています。 真相は如何?まあ、どうでもいいことですけれども!興味のある方はどうぞ!P-tanさん、 妄想のネタを有難うございます。

(2003.07.05)