JIM HALL Maniacs

since 2001/12/01


Magic Meeting.

 2004年9月末未明、Jim Hallの新しいCD「Magic Meeting」が、Artist ShareのNet通販のみで5000枚上梓されました。 JHはTelarcとの契約が切れ、親友のブライアン・カミリロが考案したArtist Shareとの契約に切り替えました。 Artist Shareが新たにJHのホームページを作ったのが今春、小生はたまたま、Joe Pass Memorial HallのTaboさんから 「JHのこんなの出来てるよ!」とメールが来て知ったわけです。Artist Shareは、現行音楽産業の販売ルートに乗らずに、 全くゲリラ的インターネット的に、製作行程や肉声・映像などのストリーミング・コンテンツを介在して、 アーチストとファンとのコミュニケーションの場も作りながら、アルバム創りをする新しい試みのレーベルなのです。

 ということで、「Magic Meeting」は市中の大手輸入CD屋さんや、輸入専門CD屋さんの棚に登りません。 直接Artist Shareが作成したJim Hallの新しいH.Pにて「Live at The Village vanguard Project」に Participant(参加)することによってCD「Magic Meeting」が発送されます。 小生が申し込んだのが4月28日、CDが到着したのが10月12日、この間に、Siteでは 「3月5日のJHへのインタビュー」「5月3日のJHへのインタビュー」や楽譜のダウウンロード、 Village vanguardのリハやバックステージの映像等を、逐次楽しむことができました。 「Live!」の未発表テイクのストリーミング音源の提示もありました。 しかし、CDが到着するまで本当に来るのだろうか?と半年間、気をヤキモキしておりましたが、 届いて一聴して、録音の良さと演奏内容の良さ、紙ジャケのデザインの良さですべて納得しました。

 紙ジャケは、3折になってまして、右は、内部の右2折、左には娘さんのDevra Hallさんの ライナー・ノーツが書いてあります。下は、上の表紙につながっている2折分です。

 Devraさんのライナーの冒頭には、「It's been more than ten years since Jim Hall's last trio recording.」と あります。正確には、Trioだけのアルバムは、「Something Special/1993」以来ですが、Gt,B,DsのTrioと 言う事になれば、「Jim Hall Three/1986」となり18年ぶり、同一編成のLiveとなれば「Live in Tokyo/1976」 ですから28年ぶりということになります。日常のGig、コンサートや、クラブサーキットでは Gt,B,DsのTrioはそれなりにあるのですが、アルバムとなると制作のポリーシーからか、なかなか 実現しなかったものです。Telarcでは本当に色々と好きなことが出来たと述懐してますが、 それでもGt,B,DsのTrioについては、先送りしていたのでしょうか、実現しませんでした。

 アルバム・タイトルの「Magic Meeting」はJHの命名です。Scott Colley、Lewis NashとJHは それぞれ共演することはあったみたいですが、Scott Colley、Lewis Nashを一緒にPlayするのは このVillage vanguardが初めてだったみたいです。全体的にJHが取り仕切っているのですが、 この2人のリズム隊の緊密度、繊細な反応、音量バランスが絶妙、秀逸です。 この3人の邂逅の事を「Magic Meeting」と命名したのですねぇ? 特にダイナミックス・レンジが広く、かすかな音から、水墨画的なコミュニケーションがはじまる、 Scott ColleyとJHのラインの絡みの和合と対抗と調和が言い様もなく美しい、 Lewis Nashはドラマーとしては欲求不満にならざるを得ない小音量を、むしろ、楽しんで演奏している 様に見受けられる。今年の来日時は、同一メンバーの2度目のお手合わせ ということだった訳で、緊密度が更にアップしていたと思われます。

 曲は、12小節Blues形式の「Bent Blue」「Furnished Flats」、独特のリズムの反復が印象的な「Blackwell's Message」。 スタンダードの「Skylark」「Body and Soul」この音量、ミニマルな語り口。 「Seite Quatro」改め「Canto Neruda」ギターがリズムだけの七拍子の曲。来日公演の時も 各地で演奏していました。少し、シリアス系現代音楽風味! 「ST.Thomas」の「線路は続くよ」の本歌取りは、ご愛嬌!!

 さて、JHは来年早々には、また再来日してGeoff Keezer(P)とDuoのパフォーマンスを見せてくれそうです。 「Live!」のDon Thompson, bass & Terry Clarke, drumsとの往年のTrioも復活して、11月にはUSツアーです。 IAJE(国際ジャズ教育者協会)- NEA Prizeを今年の1月に受賞したからでしょうか?オファーが増えたのかも しれません。いずれにしても精力的に活動をして、まだまだ楽しませてくれそうです。

Magic Meeting/Jim Hall

・Bent Blue  8:50
・Blackwell's Message  13:05
・Skylark  9:18
・Canto Neruda   6:37
・Furnished Flats  8:25
・Body and Soul  11:03
・ST.Thomas  8:49

guitar: Jim Hall
bass: Scott Colley
drums: Lewis Nash

Recorded Live at The Village vanguard,New York NY April 30 Through May 2,2004.

(2004.10.30)