JIM HALL Maniacs

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ボーカルアルバムとJH その3。

 Astrud Gilbertoのアルバムに、ほぼ間違いなく、JHが参加しているトラックがありました。

・The Shadow of your smile/Astrud Gilberto/Verve/1964

 事の発端は、弊サイトBBSへのせっささんのカキコから始まりました。 せっささんがある雑誌でJHが次の様に述懐しているのを記憶しており、 The Shadow f your smileの3つのトラックがそうではないか?と推理してくれました。 JHの述懐内容は、「何枚かプレゼントされたレコードの中にジョアン・ジルベルトのものがあった。 私はそれがとても好きになり、その後ニューヨークでジョアンと実際会うことができた。 当時私は彼の奥さんだったアストラッドとレコーディングしたこともある。 発表されたかどうかはしらないけどね。」です。

 早速、聴いてみましたら、まさしくJHに間違いないと確信しました。3つのトラックとは、 Fly Me to the Moon、Who Can I Turn To?、Funny Worldで、このトラックのみ録音日やアレンジャーが 他のトラックと違い、ギターがルイス・ボンファーの生ギター以外にもう一本が入っているのです。 Fly Me to the Moonは、かすかに聞こえる程度ですが、Who Can I Turn To?のオブリガード、Funny Worldの 出だしのブロック・コードは、音色、フレーズ共に1964年頃のJHに間違いありません。 ところが、アルバムにJHのクレジットはありません。多分、Verveには詳細な録音データがある筈ですが、 公開されてません。なんとか、裏づけがとれないかと思いましたが手立てがありません。 まあ、いいかととりあえずここで話は終わりませんでした。

 小生が、SJ誌の「ジャズ何でも相談室」に、今年の春先に投稿しておいたのです。暫らくチェックしていたのですが、 採用されずに没になったものと思ってましたが、友人のしみべぇさんが「SJ誌に掲載されてるよ。」(2004年8月号)って 教えてくれました。回答者は杉田宏樹氏で、今年の「Jazz Elite 2004」で来日したJHに直撃の質問を してくれたみたいです。してその回答は、「確かにアストラッド・ジルベルトのアルバムに1枚参加している。 (『いそしぎ』のジャケットを見せるが)ただそれが何というアルバムかは分からない。君だってそんな 昔にどんな仕事をしたのか、詳しくは覚えていないだろう?(笑)」との事です。 ジャケットを見せるだけでなく、一聴してもらえば見解が変わったかもしれませんねぇ!残念。

 う〜ん、JHらしいといえばJHらしいんだろうなぁ!さて、杉田氏は「それでは僕の見立てはというと・・・。 益満妙さんのご推察と同じです。」という回答で締めくくっていただきました。ほぼ間違いなくという見立ては 以上の経緯から「間違いない」です。ところで、このアルバムですが、ノンビブラート唱法のアストラッドが タップリ楽しめ、ブルックマイヤーやアビー・グリーンのトロンボーン、ルイス・ボンファーの ギターがフューチャーされたよいアルバムです。 Who Can I Turn To?、Funny WorldではJHが寸の間ですが、いい味を出してます。お薦めします。

 さて、こちらはJHが1トラックに参加しているアルバムです。

・Out of the Blue/Carol Sloane/Columbia/1962

 Carol SloaneのアルバムにJHが参加しているという情報は25−25さんからでした。有難う御座いました。 「Out of the Blue」はJohn Hendricks(Vo)に見出された後に、Columbiaに吹き込まれたデヴュー・アルバムです。 JHは、その内、1トラック「Will You Still Be Mine」でフューチャーされてますが、 アルバム・ジャケットにはBob Brookmeyer,Barry Galbraith,Clark Terry,Bernie Leightonらとfeaturingと 列記されています。ちなみにBarry Galbraithは、3トラックにフューチャー。JHの知名度は、60年代 初めには、マアマアだったのでしょうか?

 Carol Sloaneは、もう1枚Columbiaにアルバムを残し、暫らくはレコーディングがなく、秘書としてほぼ引退状態だったようです。 たまたま縁があって、1977年日本のトリオ・レーベルにレコーディング、活動を再開し、コンコード・レーベルに在籍した後、 現在も現役バリバリで近作もHigh-Noteレーベルから上梓されています。 余談にも書いてますが、写真家安部克自氏の「バートランドの子守唄」という本に、 ジョージ・ムラツとローランド・ハナにはさまれた、Carol Sloaneのオッパイポロリ写真が掲載されています。 日本でのアルバムレコーディングの合間のスナップでしょうか?上のジャケットの細身の写真に、 加齢の為の貫禄がタップリついてます。 アルバムの内容は、1曲の演奏時間は短かいですが、非常に小洒落たアレンジに、ミニマルなソロ、 よく纏まっていて、なかなか良いですよ。

 こちらは、男性ジャズ・ボーカリストJoe WilliamsのアルバムにJHが2トラック参加。

・Jump for Joy/Joe Williams/RCA/1963

 このアルバムは、新潟のさいとおさんから情報を戴きました。有難う御座いました。 JHは「It's A Wonderful World」「The Sounds Of The Night」の2曲でリズム・ギターを担当。 他のトラックは、ケニー・バレルが参加。Oliver NelsonとJimmy Jonesがアレンジを担当する ビックバンド及び中編成のコンボをバックに、Joe Williamsが面目躍拠です。

 さてもう1枚。

・Big Joe Rides Again/Joe Turner/Atlantic/1959

 う〜ん、これはどちらかというと、R&BやBluesよりなんですね。 JHもリズム・ギターのみで参加しているだけで、「そんな 昔にどんな仕事をしたのか、詳しくは覚えていないだろう?」と言われそうです。(笑) ところが、この中編成のバンドのパーソネルをみてみると、Coleman Hawkins(Ts), Jerome Richardson(As),Doud Watkins(b),Charlie Persip(Ds)などです。凄いメンバーですね。 Coleman Hawkinsいえば、1940年代に録音された「Body and Soul」で、テーマをフェイクした アドリブのみのレコードが一世を風靡した事で有名です。 当然、JHは10代の頃に間違いなく聴いている筈なんです。 JHが今でも、お気に入りの「Body and Soul」は、10代での「刷り込み」でしょうか? それにしてもColeman Hawkinsと一緒にGigってたんですね!93ヘェ〜ですね!(笑)

(2004.11.21)