JIM HALL Maniacs

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Rejoice!、Burnin' 他。

 JH参加のアナログ中古盤を4枚入手しました。おそらく、余程の事がない限り、CD化再発される事は ないのではないかと思います。

・Rejoice/Red Mitchell/Pacific/1961?

 1枚目は、Red Mitchell名義のピチカートスタイルCellistとしてのデビュー・アルバム。 ハリウッドの「Renaissance」でのLive録音、Frank Strazzeri(P)のTrioにRed Mitchellと JHがジョイントしたクインテットでの演奏です。ん、「Renaissance」といえば、 JHが参加した At The Renaissance/Ben Webster/Contemporary/1960 というLive盤もあったな! Good Friday Blues/The Modest Jazz Trio/1960というアルバムも西海岸でのRed MitchelとJHのGig から録音の運びとなった訳で、1959〜1960年はJimmy Giuffreのグループに在籍し ツアー、レコーディングをしながら、西海岸を中心に活動していたみたいです。

 録音日は、AMG(All Music Guide)によると、1961年9月とクレジットされているが、 アルバムのライナーは、1961年1月5日のDown Beat Magazine掲載のJohn Tynanの記事が 転載されている事から、1960年の録音ではないか?と考えられます。まあ、どうでも、いい事だが!

 1曲目は、JHの作曲の「Jim's Blues」、タイトル曲の「Rejoice!」はFrank Strazzeri Trioが フューチャーされてRMとJHは少しのアドリブ、ん?、Red Mitchellのアルバムではないのか! 「You'd be so nice to come home to」では、RMのピチカート炸裂。「Night in Tunisia」では JHがテーマを取り、Frank Butler(Ds)が大きくフューチャー。JHの「Night in Tunisia」ですぞ! 全体的にJHの出番もまあまあ、Liveの雰囲気がよく取り込まれて、かといって演奏内容は しっかりしたレベルであるが、「名盤」として復刻される事はないでしょう。 もし万が一、復刻もしくは中古盤を見掛けたら、即、買いですよ。お薦めします。

 さて、2枚目は、オルガントリオ(Org+b+Ds)+JHのカルテット編成の珍盤。

・Burnin'/Paul Bryant/Pacific/1961

 Paul Bryantは、ニュージャージ生まれ、幼い頃からPianoを習得し、ロスでの高校のSchool Dance BandにFrank Morgan(as)や Art Farmer(tp) Ed Thigpen(ds) Buddy Collette(reed)らと同籍した。朝鮮戦争には空軍として 参加、帰国後、1958年よりオルガンに専念し、ショウビジネス、映画音楽、テレビ音楽等の音楽に 携わっていたようです。1960年の秋、兼々オルガニストのアルバムを創りたいとの Pacificのリチャード・ボック氏の目に止まり、このアルバムが作成されました。 が、このアルバムを含めFantasyに2枚リーダー・アルバムを残し表舞台から引っ込んでしまった。 1990年代に、Blues関係のアルバムにクレジットされているが、Jazzにどっぷりというのが 嫌だったのかもしれない、ミュージシャンに向いてなかったのかもしれない。そうでなかったかもしれない。

 ジャズ・オルガンといえば、ジミー・スミスが大御所で、どうしても比較してしまう。一聴目、二聴目、 何かが足りない、何か違う。もう少し聴き込んでみる。あ、これは、これでいいんだ、これが、この人の 個性なんだ。如何に、ジミー・スミス・スタイルに強烈に毒されていたのか、よ〜く、解った。 少々、サラッとしてますが、これは、これとして楽しめますね。

 JHの出番もまあまあ、JH参加としては、変わった編成で珍盤ですね。 ただ、こちらのアルバムも、「名盤」とは言い難く、余程の事がない限り 復刻はないと思います、残念ですが。

 さて、3枚目はTeddy Charles(Vib)の中編成のロシアの作曲家の曲をモチーフにしたアルバム。

・Russia Goes Jazz/Teddy Charles/United Artists/1963

 Teddy Charlesは1928年生まれ、JHより2歳年上。18歳の時に、打楽器奏者を志してNYのジュリアード音楽院へ 出向きましたが、NYではその代わりにJazzにどっぷり足を突っ込むことになりました。1950年代前半には、ベニーグッドマンなどの 著名なビッグバンドにそれぞれ短期的な仕事をし、アニタ・オーデイ、オスカー・ペティフォード、ロイ・エルドリッジ、の コンボにも加わった経歴があるようです。チャールズ・ミンガスとテオ・マセロと共にJazz ComposersのWorkshop(1953-55) にも参加、クラシック音楽や即興演奏からのアイデァも駆使して、 1963年までに自己のリーダー・アルバムを含み、40枚近くプロデュースしたアルバムがありました。 が、その後カリブ海での航行事業へと転身、Jazz界から足を洗ったかに思えたが、1988年(60歳)にカムバック してアルバムを作ってます。「Russia Goes Jazz」は、カリブ海での航行事業へと転身する直近のアルバムです。

 全8曲中、3曲はguitarにJimmy Raneyが参加。残り5曲にJHが参加。ロシアの作曲家の曲をモチーフにしたアルバム なのだが、タイトルが面白いので紹介してみます。Scheherazade Blue(Korsakoff) Lullaby of the Firebird(Stravinsky)  Borodin Bossa Nova(Borodin) などなど…。といっても、「Scheherazade Blue」は 3拍子の12小節のBluesであったり、中身はJazzなんですが。曲名から内容を想像して見て下さい。(笑)   「Lullaby of the Firebird」はJHの参加トラック、「火の鳥」のモチーフが良く生かされている様に思います。 ストラビンスキーも真っ青ですなぁ!(笑)  JHの出番もまあまあ、曲の構成、内容もしっかりしてます。 が、余程の事がない限り復刻はないと思います、残念ですが。

 さて最後になりますが、作編曲家 Alec Wilderの作品6曲と、Brookmeyerの自作曲1曲が収録されている Bob Brookmeyerのカルテットのアルバム。

・7 X Wilder/Bob Brookmeyer/Verve/1961

 Bill Crow(b) Mel Lewis(Ds)は、当時のGerry Mulligan Concert Jazz Bandからの参加。 JHとBob Brookmeyerは、Jimmy Giuffre Threeつながり。メンバーに不足なし、しかもカルテット。 と、期待して聴いてみたんですが、あれ、誰かPiano弾いてます。全7曲中、4曲でBob Brookmeyerが Pianoを弾いてます。(途中で持ち替え1曲) もともと、1950年代初頭にビッグバンドに在籍していた時はピアニストとしての 役割を果たしてました。う〜ん、EvansとのPiano Duoのアルバムを創るぐらいですのでピアニストとしての 腕前はそれなりなんですけどねぇ。Dom Cerulliのライナーノーツに

"His style of playing is personal and not readily categorized."

 と書いてある通りで、トロンボーンの場合はまだしも、Pianoの場合は本当に「not readily categorized」で 掴まえ辛いのです。「personal」と言う事は、「誰にも似てない。」と言う事で、そこら辺が ど〜も何だかなぁ〜と思考してしまうのです。ハイ!。「Live at the North Sea Jazz Festival」の JHとのDuoでのトロンボーンパフォーマンスは、ラインの紡ぎ方が本当に「personal」で、痛く感心させられたのですが。 ワンホーンのカルテットでやって欲しかったと思考する今日この頃でした。

 まあ、内容は悪くはないのですが、やはり、「名盤」として発掘されるには少々何か不足しているようです。 JHの出番は、まあまあです。「7 X Wilder」とのアルバムタイトルの様に「Wild」かと言えば、 むしろ「Sick」で「Modest」です。収録されているAlec Wilderの曲は、「Who can I turn to」しか 知りませんでした。ハハハ…

(2006.01.03)