JIM HALL Maniacs

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JH参加盤 最後の4枚?

 なかなか、中古やオークションで出回らないので諦めてたら、ひょっこり出てきた盤です。

 ・Jimmy Giuffre Quartet in Person/Jimmy Giuffre/Verve/1960

 JHは「The Jimmy Giuffre 3」というユニットで、Jimmy Giuffreと1956年の暮れから付き合いだして 中編成のJimmy Giuffreが編曲する盤にもよく御用達として起用され、ツアーも良くやってたようですが、 この盤を最後に公式には、共演してないようです。JHの雑誌のインタビューなどからの言動から、 勝手に妄想させていただくと、JHへの影響度が一番大きかったのはGiuffreではないかと最近、感じています。

 まず、リズムに関する基本的な考え方、それから、音の強弱、ニュアンス、サックス的なアプローチの提案、等 50年代のBop Guitaristや白人Cool派のGuitaristらが具現化していた方式とは、異なる要求がGiuffreから あったからではないか?と妄想しているのです。JHのリズム感、リズムキープ力、ブレのなさ、 揺らぎ、「タメ」、を含めて、常々驚嘆してしてますが、これも、Giuffreの変態的編成の中で 培われ刷り込まれた賜物ではないか?と思ってます。ギターでの表現の幅や陰影を拡げ深める為に、 「ライトゲージ」の使用、3弦を巻弦からプレーン弦へと変更するカスタマイズを、 既にこの時期より少し前から、実行したのではないか?との思いも深まってます。

 閑話休題、ところで、この盤ですがNYの「Five Spot」でのドラム入りQuartetでのLive盤で、録音は 明け方まで掛かったそうです。演奏後の拍手が少ないトラックがあるのは、客の大半が帰った後の Takeが採用されたりしたからだそうです。選曲は、Giuffre持ち込みは1曲、JHが2曲、 「My Funny Valantine」「What's New」のスタンダードが2曲、Monkの曲が1曲とバランスもよいです。 「The Jimmy Giuffre 3」の緻密で繊細な方向性よりも、Giuffre自身も制約のない自由を謳歌して ブロー気味で溌剌としています。JHもしっかり出番がありますので、この時期の、「スタジオ録音チョイト出」 と比べると満足感は大きいです。再発CD化され、JHMな皆様が聴けるように祈念しておきます。

 こちらも、レア盤、Vi Velascoというフィリッピン生まれの、当時23歳の女性シンガーのボサノバアルバムにJHが参加しています。

・Cantando Bossa Nova/Vi Velasco/Colpix/1962

 この盤にJHが参加しているという情報は、新潟のさいとおさんから頂きました。有難う御座いました。 「Cantando Bossa Nova」とは「Singing the Bossa Nova」という意味。1962年は世界的にBossa Novaが 爆発した年です。JHは、南米ツアーの際に遭遇したボサノバ創生期の消息通と言う事で、 目立つことなく陰ながらですが、引っ張り凧だった年でもあります。A面のアレンジは、Manny Albam、 B面のアレンジは、Al Cohn。JHは、既にManny Albamと3枚のアルバムに参加している事から Albamからのオファーであったのだろうか?

 で、内容はなかなか良いです。ボサ・ナンバーが中心ですが、Albamのアレンジのジャズ・スタンダード が、ボサ・ビートに乗り洒脱なアレンジで意表を突いていて楽しいです。JHの出番もまあまあで、 Vi Velascoの軽目の声色とボサ・ビート、アレンジがベスト・マッチングです。さいとおさんの 情報では欧州の方で、CD化されてたとの事ですが、なかなか、流通量が充分でなく入手が難しいです。 見かけられたら、即Get下さい。お薦めします。ハイ!

 白人デキシーランドバンドのアルバムに、JHが参加してました。これは、珍しい!

・Breakin' It up on Broadway/The Dukes of Dixieland/Columbia/1961

 The Dukes of DixielandはFrank(Tp)、Fred(Tr)、Jac(Tr)のAssunto兄弟により1948年に結成され 、50年代はニューオリンズでの活動(ルイ・アームストロングのバックバンドで2枚のアルバム録音) 、60年代前半は絶頂期、その後メンバー逝去に伴い構成員が交代するが、現在まで息長く活動しています。 このアルバムは、Columbia移籍後の最初のアルバム。フロント(Tp,Tr×2,Cl)は其の儘にして、 当時後期The Jimmy Giuffre 3に在籍していたJHとJim Atlass(b)をリズム隊に起用し録音されたものです。

 内容は、文句なしのデキシーランドジャズ、で、JHはどうかと言いますと、終始キザミ(リズムギター)に 徹してます。フロントがけたたましい時やバンジョが入ったトラックでは、かき消されてますが、 トラックによってはJHのキザミが生々しく前に出てきてます。興味がおありの方はどうぞ!

 こちらは、2006年にコンピ盤で再CD化されたRuby Braff(Tp)のアルバムにJHが参加していました。

・Ruby Braff Goes Girl Crazy/Ruby Braff/Warner Bros./1958

 コンピ盤は「Ruby Braff with Hank Jones Complete Recordings Featuring Jim Hall」と 謳われて発売されてますが、1927年生まれのRuby Braffは録音当時31歳、JHもまだ27歳、Hank Jones既に40歳。 ほぼ、半世紀前の録音ですが、この御三方、現在も御健在でお達者です。 内容は、全トラックGershwinの曲をカバーしているスインギーでリラックスできるアルバムです。 「I Got Rhythm」のアレンジは、なかなかお洒落ですぞ! JHも、まあまあの出番です。ちなみにJHとHank Jonesは、 「I Just Dropped By To Say Hello/Johnny Hartman/Impulse/1963」 でもサイドメンで御一緒しています。ハイ!

 ということですが、現在、Discographyにリーダーアルバム32枚を含んで、172枚の アルバムを掲載してますが、すべてについてコンテンツの中で紹介したり言及しています。 172枚について、すべて、耳でチェックしたということです。フ〜ッ!!!。奇しくも Jim Hall Maniacsを上梓してから2007年の1月20日で5周年になります。 当初こんなつもりは毛頭なく、いつの間にか、そうなってしまったと言うべきか。 まあ、とりあえず、よかった、よかった。JHMをご愛顧、ご支援、ご贔屓にしていただきまして 有り難く厚く御礼申し上げます。あ!参加アルバムについて、未確認ですが一つ気になる情報がありました。ヤレヤレ。

(2006.12.23)