JIM HALL Maniacs

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2010年新譜 CONVERSATIONS。

 2010年10月30日に、Jim Hall&Joey BaronのDuoの新譜がArtistShereからAir Mailで発送されて 11月の2週目に自宅へ届いた。今年の12月4日には、御大80歳の誕生日を迎える。実は、先般来日したSonny Rolinsも 9月10日に80歳を迎え、NYのBeacon Theaterで「Sonny Rollins @80: A Celebration with Special Guests.」と 銘打って誕生日コンサートが催行、御大もゲストで客演、「In a Semtimental Mood」他 2曲を一緒に演奏した模様。 このイヴェントの前振りという事なのか、 Sonny Rollins Quartet とJim Hall Quartet が 出演した「Burlington Discover Jazz Festival」で、御大は居残り6月12日にThe Sonny Rollins Quartet with Jim Hall という半世紀ぶりの共演が実現した。この時は、「In a Semtimental Mood」「If Ever I Should Leave You were」 2曲を一緒に演奏した模様。 再びの共演は、Brige当時の再現ではなくそれぞれの道を歩んできたもの同士の邂逅、 そしてそれぞれの現在のスタンスでのコラボだったに違いない。「If Ever I Should Leave You were」って 言い得て妙。 是非、聴いてみたかったもんだ。しかし、いいもんだねぇ!

 さて今回のアルバムは、前回2008年の「Hemispheres」 Jim Hall&Bill Frisellが上梓されてから2年経過、今年の5月2日、9月2日に 録音されたDrum Joey BaronとのDuo Album。Joey Baronは、1955年生まれ、前作「Hemispheres」の時にBill Frisellが自身の 演奏活動やアルバム製作に起用してた関係で参加、以降JHの御用達の一人としてよく一緒にGigってます。 Joey Baronのことは、あまり詳しくなかったので少々調べてみましたら、なかなか幅広く共演してまして Bill Frisell以外にもJohn Zorn、Carmen McRae、Pat Martino、John Scofield、John Abercrombie、Enrico Pieranunzi、John Taylor、Fred Hersch、 等々 で意外なところでグラムロックのDavid Bowieの1995年のアルバムなどにクレジットされてます。 お〜っと、待て待て、1988年の日本録音のDennon盤「These Rooms/Jim Hall Trio futuring Tom Harrell」にクレジットされてるではないですか? っ〜ことは、20数年前に共演済み、暫く縁遠かったのだが、Bill Frisellとのアルバムの時に再会、 最近は御用達のお努めもあり、Duoでもすんべ〜かと相成ったのではと妄想しますが如何なものでしょう。

 アルバムは下の15曲で構成されてます。

   1. Bag's Groove  (2:05)  
   2. Reinhardt  (1:21)  
   3. Pollock (1:01)  
   4. Conversations (4:55)  
   5. Ballad Painting  (5:15)  
   6. What If? (6:10)  
   7. In Repose (1:19) 
   8. Uncle Ed (0:47) 
   9. Safari (4:55)  
   10. Monet (1:00) 
   11. Travelogue (9:09) 
   12. At Sea (1:52) 
   13. St. Thomas (2:44) 
   14. Pocketful of Change (1:52) 
   15. Time (5:33)-Bonus Track 

 全15曲中 7曲が2分未満。長尺が5曲。既出曲もしくはJazz Standardは、1.8.10.13.。  テーマ・アドリブ・テーマという常識的な形式を取っているのは 1.13.程度でテーマも微妙にフェイクしてあるので聞耳を立てておかないと何がなんだかわからなくなります。 2.はかってのアイドル ジャンゴをイメージしてるのでしょうが、そんな風には聴こえてこないですね。 3.10.は画家の名前。10.Monetは「Dedications and Inspirations」に同名の収録が あるが聴き比べても同一曲に思えない。別物なのか。4.Conversationsはアルバムタイトル曲、おそらく全くの フリーインプロヴィゼーションと思われる。9.Safariは、8ビートのファンキーなワンコード一発物。 10.はJHはノンアンプリファイのギター、長いドラムの抽象的なソロからファンキーなコード一発へ、最終的に ギターはタップされる。5.14.のバラード・フィーリングでの単音・コードのバランスの美しさは秀逸。

 全般的には、韜晦で抽象的なアルバムでJH聴込初心者はほぼ戸惑うのではないでしょうか? 1993年のオーバーダブを含めたソロアルバム「Dedications and Inspirations」にコンセプトは通底していると思います、今回は2人ですが。 こわれやすいはかなさ、小声でのつぶやき・ささやき、 に、じっくり耳を傾けて、徹底的に付き合ってみて下さい。 JHの派手さのない、けれんみのない、独白の良さは、時として取り付きにくくわかりにくいのですけどね。

 しかし まあ Jazzのアルバムで、ギターとドラムで1枚のアルバムを上梓するってどうよ?って思いませんか。 フリー・インプロヴィゼーションでデレク・ベイリー(gt)ハン・ベニンク(Ds)のデュオっうのはありましたが。 で、JHはかってギターとピアノやギターとベースのデュオでのアルバムのイノベーターであったわけですがね。 今後は、このフォーマットでの若手の追随はないと思いますね。強烈に、変態的編成ですから。 五分の四世紀を生きて来、ほぼ半世紀以上をJazzへ身を捧げた者の、直近の上梓作品がこの「Conversations」という重さを 「天晴れ」というしかないと思います。ご本人は、そんなに深く考えてないのかもですが…

 で、話は変わりますが昨年の5月に「アランフェス協奏曲 By Jim Hall Quintet With Strings」で来日してから、今年は来日なし。 来年も今のところ気配なし。例年ほぼ恒例の東欧・イタリア方面にはちゃんと営業されてます。 雑誌のインタビューでも、日本に行きたいとの談話があったりするのですが…    そこはそれ、諸般事情というのがあるみたいです。諸般事情が気になる、是非知りたいという方は、メール下さい。 厳秘扱いでお教えします。但し、「尖閣ビデオ流出」みたいになると大変です。 ネタ元にご迷惑を掛けてもなんだし、守秘義務もありまして… ガハハ…。 ま、再来年の来日に期待しましょう。

(2010.11.13)