JIM HALL Maniacs

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Jim Hall & Red Mitchell VALSE HOT Sweet Basil 1978

 早いもので、JH翁が鬼籍に入って丸三年になろうとしています。JHMのコンテンツの更新も2年超の御無沙汰でした。 予想していたほど、過去音源のリリースが少なく、やっとJim Hall & Red Mitchell(1978/ArtistHouse)の未発表音源が、 ArtistShareから上梓されました。

・Jim Hall & Red Mitchell VALSE HOT Sweet Basil 1978/ArtistShare

 Jim Hall & Red Mitchell(1978/ArtistHouse)は、再CD化されずにいまだ埋もれたままですが、未聴の皆さんYou Tubeで 検索すれば、好事家が音源をUpしてくれています。是非拝聴あれ。録音日は1978/1/20、21、今回のArtistShare盤は1978/1/18、19。 ArtistShareのHPに、録音されたテープリールのキューシートがUpされているので、時系列で整理してみますと・・・

・1978/1/18 1st set #1

1.Talkin  (Red Mitchel)
2.Time after time
3.Valse Hot  (Solo Good)
4.These Foolish things
5.Bag's groove

・1978/1/18  (6にも見えるけど) 2nd Set #2

1.Waltz New
2.Embracable You
3.In a semtimental mood
4.Now's The Time  (Solo Good)
5.Stella by starlight

・1978/1/18 3rd set #3

1.Talkin  (Red Mitchel)
2.Baubles,Bangles,and Beads
3.Alone together
4.Untitlled
5.Body and soul

メモ以外に、ArtistShareのHPに All the things you areの音源がUpされています。

で、ArtistHouse盤の1978年に上梓されたTune Listを見てみますと、

・1978/1/20,21

<A面>
1.Big Blues   (Jim Hall)
2.Beautiful  (Red Mitchell)
3.Waltz new  (Jim Hall)

<B面>
1.Fly me to the moon
2.Blue Dove  (Mexican folk song arranged by JH & RM)
3.Osaka Express   (Jim Hall)

で、今回のArtistShare発掘音源盤は、

・1978/1/18,19

1.Now's the time   1/18 2set
2.Valse Hot   1/18 1set
3.Alone Together
4.There is no greater love
5.God bless the child
6.Stella by starlight

 如何ですか? 1978ArtistHouse盤採用曲は、スタンダード1曲のみ、JHオリジナル3曲 RM1曲、Folksong1曲と18日のリールのキューシートにあるのは「Waltz New」のみ。 「Big Blues」は、 「Now's The Time」や「Bag's groove」と代替の利くKeyがFのBlues形式で JHオリジナルクレジット曲の方が売りには良いですよね。 1978年国内盤発売時、リアルタイムで何回も聴き齧りました。A面の掴み「Big Blues」B面の掴み「Fly me to the moon」 強烈だったなぁ〜(笑)

 こうやって、Listをつらつら眺めてみると、Sweet Basilでの1週間ほどのGigで最初は、慣れたスタンダードで調子を合わせながら オリジナル曲中心のListへ移行していったのではないかと妄想される。ArtistHouseの当時まだ30歳前のJon Snyder氏の意向が反映されたのかもしれない。 「Talkin」(Red Mitchel)という曲は、「Beautiful」へと名前がすり替わったのかもかもしれないし・・・。真偽は、闇の中ですが、妄想果てしなし。ハハハ・・・。 今回のArtistShare盤のプロデューサーにも、Brian Camelioと連名でSnyder氏がクレジットされてます。

 ArtistShare盤を、聴き込めば聴き込むほど、ArtistHouse盤との空気感が一緒なんだが、全く別のまとまったアルバムとして充分に楽しめるように 配慮されていると思います。Horizen盤「Live」の未発表音源「Live Vol.2-4」みたいに出してもらったら、又、違う印象になるのかもしれませんが。 未発表音源で、ここまでの演奏クオリティ、音質、で仕上がっていることに感服すると共に、アルバムとしてのストーリー性を再構築紡ぎ出している事に 感嘆します。

   ArtistShare盤の内容ですが、掴みの「Now's the time」、ArtistHouse盤「Big Blues」と、聴き比べて見ると やや同工異曲感がぬぐえませんが、「Now's the time」のJHのSoloコードパフォーマンスの方が秀逸であります。 「Valse Hot」後半部分、JHとRMが渾然と絡み合う様は、素晴らしい。「Alone Together」はRon Carterとのコラボと同じ程度のテンポですが RMの存在感は別格、JHのミニマルな音使いも印象的。RMはPianoも弾き、歌も唄い、JH曰く 「彼はメロディを、歌手やホーンプレイヤーみたいに唄い、いい塩梅のテンポを提示してくれる。」との事。 JHの「There is no greater love」は初物、美しいバラード「God bless the child」、JHの初リーダーアルバムでも共演している「Stella by starlight」。 暫く、飽きませんね〜。

 当初のArtistHouse盤作成時に、JHは「アンプになるべく頼らずラウドにならぬこと、楽器本来の音を出すようにやさしく」「時には、Gene AmmonsやLucky Thompson やBen WebsterやRolins達のテナーサックスのサウンドを、心の中に描いてアンプを調整」と英文ライナーにつぶやいてます。ギターも、Gibson ES-175から、 ダキストに変わって、ラウドにならずアコーステックで中低音は抑え気味の、クリーントーンサウンドが現出されています。RMの200年超経年していたBassとの 音色の絡みが良く、38年も前の録音の発掘と思えないほどGood Soundが現出されました。Good Job!

 さて、こちらも今年(2016年)に、上梓されたJHの参加盤。

  ・Bob Brookmeyer/On the Way to the sky/1989/Delta

 西ドイツのWDR Bigbandに、JHの盟友Bob Brookmeyerが現代音楽風の6曲を提供し、JH Mel Lewisが客演したアルバム。 1989年に録音Mixされ、Mel Lewis名義のCDに1曲のみ発売されていた模様。全6曲の上梓は、2016年が初か?

 Bob Brookmeyerも多才な人だ。ジェリーマリガンとの双頭バンド、ジミージュフリー3でのプレイ、サドメルオーケストラの一員としての プレイからは、多分想像できない12音セリーに基づいた、現代音楽アルバムを作ってしまった。一部Jazz的な部分もあるが、シンセ系キーボード2台 ギターはJH以外にMilan Lulicという人がクレジットされており、アルバムとしては面白いかもしれないが、JH目当てでは、当てが外れるかも。 自己責任でどうぞ。

(2016.11.21)