たびのどうぐ
  とうとう買ってしまった!
漂流旅記


 
・じゃじゃ〜ん

今を去ること1年8ヶ月前、わたしはとある自動車屋さんの扉をくぐった。そしてその後さまざまな紆余曲折があり、いよいよ今日、それはやってきた。そう「LANDROVER Defender 110 Stationwagon(ランドローバーディフェンダー110ステーションワゴン)」である。
まさかこの車を自分が所有することになろうとは、3年前には夢にも思わなかった。しかしいまわたしの目の前に確かに存在する。 …くぅ〜っっ!

この車はぱっと見、2000年に製造された車には見えない。ほとんどが直線で構成された古臭いボディ、しかも新車なのに外板平面も歪んでいる。しかしこの車は外見など関係無い。一番のみどころは「脚」なのである。かつて「魔法のじゅうたん」と賞されたレンジローバー譲りのよく動くそして大きく動くサスペンションである。そのレンジローバーで確立されたコイルリジットの脚回りはよりヘビーデューティーに強化されてこのディフェンダーに搭載された。
その後ディスカバリー(ディスコ)にもほぼ同様の脚回りが載り、ランドローバー社のレンジ・ディスコ・ディフェンダーは世の悪路走破者から絶賛を受けるのであった。が、その後本家レンジローバーが、そしてディスコがコストダウンの名の元に、クロスカントリーカーとしては情けない脚になってしまい、いまではこの「魔法のじゅうたん」を受け継ぐのはこのディフェンダーのみなのである。
このよく動く脚に低速トルクが太いエンジン、そして国産同等クラスの2/.3という軽さが備わったこのディフェンダーは、今日本で一般人がお金を出して買えるクロスカントリーカーとしては、ひとつの究極の姿であると思う。

しかし問題が無いわけではない。このディフェンダー、なぜかランドローバーの正規代理店であるローバージャパンでは取り扱っていない。たまに限定発売と称して北米の売れ残りを発売することはあったが、ショートボディ(90)のオートマのみで、わたしの欲しいロング(110)のマニュアルはなぜか発売する気配が無い。したがって入手するには並行輸入業者から買うしかないのである。
そしてもうひとつ、重大な問題がある。「高い」のである。もちろんお値段が。実際にいくらするかは言わないが、わたしにとっては天文学的数字である。
そんなわけで「いつかは欲しいな」と思いつつも、まさか自分がディフェンダーを買うとは思っていなかったのである。

事の発端は2年前、それまで使っていたランクルFJ56Vが逝ってしまったことから始まる。代替機種を検討しなければならない。俎上に上がったのはランクルやサファリ。しかしこれらの日本車は気づかぬうちに腐っていたのである。脚回りやブレーキなど最も大事なところをコストダウンし、外見や内装、電気製品の充実に懸命なのであった。しかも決定的だったのが、価格までも太りきっていたのである。
気がつくとこれらの日本車とディフェンダーの価格差はそれほど大きなものではなくなっていた。日本車を買うもりでもうすこし無理をすれば手が届くところまで来ていたのである。
かたや見てくれは良く、多少は安いかもしれないが、外見を気にするうちに目的を見失い、走るべき道を失った車、かたや少々高く、外見は古臭いがしっかりした中味を受け継いだ車。
そして気がつくとわたしは清水の舞台から飛び降りていた。
 

・運転初日

今日は有給休暇取得済み。こんな日には仕事なんかしちゃいられない。朝も早よから起き出して、あまりの納車の遅れの埋め合わせに代車として借りていたL/R Lightweightで自動車屋さんに向かう。

午前10時、自動車屋さん到着。Lightweightと引き換えにDefenderのキーを受け取る。思い返せば免許取得以来何台かの車を所有してきたが、実はこれが初めての新車である。注意事項などを聞いた後、さっそく慣らし運転を兼ねてドライブへと出発する。納車初日だっつ〜のに。

とりあえずはエンジンを定速回転させるべく、高速道路に入り、ギアを5速にいれ80km/hで淡々と走る。もちろんタコメータなんて高級なもんはついちゃいない。そういえば5速がある車も初めてだなぁ。
アクセルに気を使いつつ、高速道路を無意味に遠回りをして、山梨の某林道に入りこむ。自動車屋の親父は一所懸命ワックスをかけてくれたようだが、はっきり言って無意味である。この車が纏うべきものはワックスではなく泥水である。舗装が途切れるとさっそくウエザリング開始。エンジン回転は上げられないが、絶妙なギア比の4Lメーカー純正の鬼タイヤXCL、どのポジションでもつかえるフルタイム4WDで全く不安は無い。あいにくとしょぼしょぼ雨が降る中、紅葉に染まる山中をゆっくりと転がす。日が暮れかかる頃にはいい感じにマットな模様が車体を彩る納車初日だっつ〜のに


 
 
・堕落?

この車にはなんとパワステ、クーラー(エアコンにあらず)が付いている。パワステは初めてだし、クーラー(エアコンにあらず)はランクルFJ56Vには付いていたが壊れており、修理しようにも部品が無かったので、実質的にはクーラー(エアコンにあらず)も初体験。ついでに言えば間欠ワイパーリヤワイパーも初体験!
しかし、いまどき軽自動車にもついてる電動ミラーやパワーウインドー、集中ドアロック、エアバックにABSなどの快適装備は影も形も無い。でも、そんなものこれまでも使ったこと無いし困ってないから別にいいや

永らくジムニーSJ10だけの生活で自動車での遠出がしにくかったが、これであちこち行けそうだ。しかも路外性能もそれなりに持っているし、とりあえずこいつで出かける旅の計画でも練るとするか。


 

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漂流旅記
2000.11.01 (c)おりじゃ

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