2000年1月号 第6巻第1号(通巻56号)

あけましておめでとうございます

皆様のご多幸をお祈りします。

今年もご愛読のほど、よろしくお願い申し上げます。

発行人:小矢野哲夫 ■発行所:こやの研究室 毎月1日発行(2000年1月1日発行)

専用郵便番号562-8558 大阪外国語大学 日本語講座 研究室直通電話とファクス 0727-30-5183

E-mail  tkoyano@gb3.so-net.ne.jp

記事中の〔 〕内、※以下は小矢野の注記。新聞は大阪本社版に基づいています。

【INDEX】

◆今月号登録件数(9) 見出し語の数字は1999年分の登録件数の通し番号を示す。つめかっこは””で代用した。

Vチップ ・バーチャルアイドル ・レンタル動物 ・カモ米 ・ウエアラブルパソコン ・エコラベル ・セカンド・セクハラ ・K号事件 ・ユニバーサルファッション

◆「気が付いたけとば」(7)

球際(たまぎわ)など ・「立ち上げる」「立ち上がる」について ・述語のはしょり、または、格の誤用 ・「メールを投げる(など)について」についてのコメント ・ 「のの」についてのコメントへのコメント ・「あじわう」対「あじあう」など ・「飲ませる」と「飲ます」

◆「雑感」……かるがもまちこ「クリスマス

\(^o^)/投稿大歓迎【ご投稿のメール】は「件名」に「けとば言うたろカードへ」「気が付いたけとばへ」「雑感へ」と書いてE-mailでお送りください。ペンネームO.K.

■990062 Vチップ

 

 暴力シーンなど、子どもには見せたくない番組を自動的にカットするテレビ受像関連機器Vチップの導入について市民グループが、視聴者、テレビ局の双方にアンケートした結果を冊子『Vチップは日本のテレビを救えるか?』にまとめた。視聴者の回答では「賛成」「どちらとも言えない」が共に約四割だが、テレビ局の回答では「賛成」はわずか二%。送り手と受け手の認識が大きく異なっている。

(中略)

 調査をした一人、兵庫県宝塚市の野村純子さんは「Vチップ導入よりも、視聴者と制作者が意見交換し、性差別や暴力的な表現を減らしていく方が先。番組はおのずから選択できて、Vチップはいらなくなるかも」。

 もう一人の兵庫県尼崎市の吉田清彦さんは「原則反対の立場では作り手の思うつぼ。僕はとりあえず導入に賛成」と話している。

 冊子は千円。申し込みは送料込み千二百四十円を郵便振替で01120・5・8197「コマーシャルの中の男女役割を問い直す会」へ。(『朝日新聞』1999年11月17日朝刊21面)

 

■990063 バーチャルアイドル

 

 最近、テレビのブラウン管をにぎわすタレントや女優の顔が丸くなってきている。人間ばかりではない。人形やコンピューターグラフィックスの世界でも、丸顔であごのないバーチャルアイドルが全盛だ。顔学会理事で東大工学部教授(電子情報通信工学)の原島博さんは「幼児化した社会は子供化した顔を好む」と分析する。(『毎日新聞』1999年11月22日夕刊1面、國枝すみれ記者)

 

■990064 レンタル動物

 

 都市部の小学校や幼稚園に「レンタル動物」が広がっている。授業で動物を観察する機会が増える一方で、住宅地域では動物が飼いにくくなり、動物虐待などのトラブルも起きているためだ。レンタルなら長い休み中の飼育の手間もなく、動物の入れ替えも簡単というメリットも。(『毎日新聞』1999年11月25日夕刊1面、蓮見新也記者)

※小学生のとき、学校の大きな小鳥小屋の様子を描いて投稿した記事が『少年マガジン』だったか『少年サンデー』だったかに載ったことがあります。飼育栽培係というのがありました。ボクはそれらの係を取材して記事にする新聞係でした。

 

■990065 カモ米

 

 カモ類の楽園として知られ、ラムサール条約の登録湿地でもある石川県加賀市の片野鴨池付近で、冬場の田に水を張ってカモのえさ場にし、そのふんを肥料に利用する「カモ米」づくりが進んでいる。激減する渡りのカモの保護とブランド米作りという一石二鳥を狙った試みで、今秋初めて出荷された米は「一等米」の評価を得る上々の出来となった。(『朝日新聞』1999年11月25日夕刊13面)

 

■990066 ウエアラブルパソコン

 

 日本アイ・ビー・エム(IBM)とオリンパス光学工業は、ウエアラブル(身につけられる)パソコンの試作機を発表した。テレビを上回る画質で動画を見ることができ、ノートパソコンと同等の性能を持つ。航空機整備や電気配線などの際、画面の説明を見ながら作業をしたり、通勤途中に電子メールを読んだりするなどの使い方が予想される。(『朝日新聞』1999年11月17日朝刊12面)

 

■990067 エコラベル

 

 環境にやさしい漁業者の魚には「エコラベル」を──。水産庁は、環境に関心の高い消費者の協力を得ながら、良心的な漁業者を支援し、資源を保護しようという「エコラベル」制度を導入する方針を決めた。2002年度に始める。(『朝日新聞』1999年12月12日朝刊2面)

 

■990 068 セカンド・セクハラ

 

 大阪府の横山ノック(山田勇)知事が、セクハラ訴訟では過去最高の1100万円の支払いを命じられた。知事が女性の主張を「真っ赤な嘘(うそ)」と決めつけ、女性の心を再び傷つけた「第二セクシュアル・ハラスメント(セカンド・セクハラ)」を、判決は厳しく指弾している。(『毎日新聞』1999年12月17日夕刊1面、畑律江記者、山田道子記者)※( )内のルビは原文では横ルビ。

 

■990069 K号事件

 

 「カネ、カネ、キンコ」事件が東京でも起きた。覆面をした5人組が今月上旬、会社社長宅に押し入り、地下室の金庫から5000万円を奪ったのだ(中略)犯行は深夜から未明にかけて。目出し帽などで顔を隠し、鉄パイプや日本刀を手に片言の日本語で「カネ、カネ」「キンコ、キンコ」「ダイヤ、ダイヤ」と脅してロープで縛る。この脅し文句と”緊縛”の頭文字から付いた名前が「K号事件」。捜査当局は同一グループの外国人の連続犯行との疑いを強め、合同捜査本部も置いている(『毎日新聞』1999年12月20日朝刊1面「余録」欄)※同じ語を繰り返して言うやり方には、なんとなく関西的なものを感じます。

 

■990070 ユニバーサルファッション

 

 おなかが出ていても、また体が不自由でも、美しく、カッコよく──。体形や手足の障害に関係なく快適に着こなせる服を開発する「ユニバーサルファッション」の考えが衣料品業界に広まり、商品化の例も増えてきた。これまで「若く細い体が美しい」というイメージを流布してきた業界だが、高齢者市場を無視できない時代を迎え、発想の転換を迫られている。

(中略)

 ユニバーサルファッションは、年齢や障害に関係なく快適に使える商品開発を示す「ユニバーサルデザイン」の概念を、ファッションにあてはめた言葉だ。(『毎日新聞』1999年11月24日朝刊17面、大和田香織記者)

気が付いたけとば

岩田洋子さんから

「球際(たまぎわ)」

 プロ野球の優勝争いも大詰め、本号発売の頃には結果が出ていることでしょう。野球といえば、誰がいい出したのか、球際(たまぎわ)という言葉を散見(散聞?)するようになりました。球際に強い、はほめ言葉ですが、本当のところどういうことか解釈は難しいですね。推測するに、ほんの少しだけ人より長く、執着心・集中力をもってボールに反応することができる、くらいの意味でしょうか。(『英語青年』1999年11月号、第145巻 第8号「編集後記」)

岩田さんのコメント:切抜きの言葉”球際”をはじめて見ました。家族はラジオやテレビの解説で聞いたことが(そんな稀ではなく)あるそうです。皆様いかがでしょうか。

 

 '99.8月号”しゃべられる”は”ら”入れではなく、”しゃべる”という四段活用動詞の未然形”しゃべら”に助動詞”れる”がついたものではないでしょうか。昔は(?)、最近のように可能形、ex.行ける、書ける、が無くて、”行かれる”、”書かれる”と言いました。大阪方言は古形を残しているのでしょう。今、思うと、”行かれる”は、いかにも間のびしていて、”食べられる”が””食べれる”になるのも無理はないと思います。

 

”ニホンシリーズ”は、7拍だから聞いて落ちつきます。ニッポンシリーズだと8拍で、なんだか浮きあがった感じですね。


小矢野幹夫さんから(19991207)

「立ち上げる」「立ち上がる」について

 

 「立ち上げる」を広めた(らしい)立場からひとこと(この言葉,もとはもっと古いと思いますが)。

 私が「立ち上げる」をはじめて聞いたのは,今から12年前,東京大学の共同利用研究所でのことでした。

 「この研究所の立ち上げ期にはねぇ……」

 「研究プロジェクトの立ち上げのとき……」

 「この装置の立ち上げには,まずこのスイッチを入れて……」

という調子です。

 はじめて聞いたときは,私は違和感を覚えたのですが(文法的にもちょっと違うし),いっしょに連れていった学生は,気に入ってしまい,帰ってからも良く使うようになり,瞬く間に仲間うちに広がっていきました(後に私も)。

 なぜ,すぐに気に入られたのか? なぜ,すぐに広まったのか?

 それは,『何もないゼロの状態から,努力を重ね,なんとかして,新しいものを作り上げていく』というニュアンスを,「立ち上げる」から感じ取ったからです。実際,私自身も,違和感とともにこれを感じましたし,当の研究所の人たちも「感じ出てるでしょ?」と言っていましたっけ。


小矢野哲夫から

述語のはしょり、または、格の誤用

 

 金沢からの帰途、列車の中で新聞を読んでいました。こんな表現に目が止まりました。

 調べでは、男が買ったのは木製のさや付きナイフ、園芸用殺虫剤(農薬)、缶入り塗料の三点。同種のナイフは血の付いた自転車などが放置されていた醍醐辰巳児童公園【】、殺虫剤と塗料缶は同小校庭【】遺留されていた。(『読売新聞』〔北陸支社版〕1999年12月28日夕刊11面。【 】は小矢野)

 【 】の部分にご注目ください。「児童公園で」とありますから、「見つかり」とか「発見され」とかの述語が予想されるところです。ところが、文の終わりを見ると「遺留されていた」となっています。これは「校庭に」と符合します。

 「児童公園で」の後に「発見され」が書かれていたのを、校閲段階で削られて、格助詞の「で」がそのまま残った、という解釈が考えられます。述語のはしょりと言いましょうか、はしょられとでも言いましょうか。

 あるいは、「児童公園で」と書いて、その後、「発見された」と書こうと思っていたのが、「校庭に」と書いたものだから、前に書いたことを忘れて、そのまま「遺留されていた」で結んだ、とも考えられます。格と述語のねじれとでも言いましょうか、結果的に誤用になっています。


ウウォッチングさんから(4件)

 

■ 「メールを投げる(など)について」についてのコメント

 

 仲間内のことばを部外者として使うときは確かに不安を覚えることがあります。'Re' はまっとうな英語なので私も使いますが(と言っても、日本語のメールタイトルに英語を混ぜるのはおかしな話なので、意識的に「〜の件」などの日本語を使うこともあります)、何となく怪しげな「レス」ということばは使ったことがありません。(「けとば珍聞」11 月号に「『メールを投げる』へのレス」とあるのは私が付けたタイトルではなく、実は「〜へのコメント」とでもしていただきたかったものなのです。)

 

 「ホームページのアドレス」については、「アドレス」という表現はおかしい、「ページ」もおかしい、「ホームページ」はこの上なくおかしい、という主張をインターネット上で読んだことがあります。しかし、ことばは使われるうちに意味が拡張されていくものですから、一般人としてはあまり神経質になる必要はないような気がします。専門家が概念を突き詰めて考えていくうちに、1つの語には1つの明確な意味を持たせたいという衝動にかられるのは理解できるのですが。私も学生のとき「前提(presupposition)」というテーマの研究をたくさん読んだことがあり、その後しばらくはテレビやふだんの会話で「前提」という語を聞くたびに、心の中で‘それは「前提」ではない!’と叫んでいました。

 

■ 「のの」についてのコメントへのコメント

> 「のの」の用例を見ていて、最初の「の」は「こと」の代わりに使われて

> いるのではないかと思いました。「の」と「こと」の境界が揺れていると

> いうことでしょうか?

 

 「の」の連続が我々に抵抗を覚えさせるのでしょうが、結果的には「の」以外の言い方との境界が揺れていると言ってもよいかも知れませんね。

 

 「こと」との関係にとどまらず、次のように普通なら「もの」や「やつ」とでも言いそうなところに「の」を使っている例もあるようです。

 

(出典)http://www.lares.dti.ne.jp/~ssachiho/990402.htm

 そのあとやったミニドラマはタイムマシンもののやつで、【12 月に見たのの続編】だった。 

(出典)http://www.gld.mmtr.or.jp/~niimi/b9805.html

 さて限定版に弱い私としては、つい「完全限定 6,000 部、シリアルナンバー入り!!!」なんて腰巻をみると、ついふらふらと…… (中略)ちなみに【あたしの買ったののシリアルナンバー】は「No.005938」でした。う〜ん、地方の悲しさか。^^;

 

■ 「あじわう」対「あじあう」など

 

 「あじわう」の変化形である「あじあう」という言い方が『言葉に関する問答集(総集編)』(文化庁)で取り上げられています。同書はこの変化について類推の観点からの説明を試みていますが、ほかの要因として「あじわわ」という未然形が同一音節の連続を含んでいることも関与していそうです。

 AltaVista で平仮名表記の「あじわう」「あじあう」を含むページの数を調べてみると、次のように「あじわわ」のときに変化形の比率が高くなっています。

あじわわせ

7

あじあわせ

61

あじわわれ

1

あじあわれ

0

あじわわな

2

あじあわな

4

あじわわず

0

あじあわず

1

あじわい

1,209

あじあい

1

あじわう

324

あじあう

10

あじわえ

395

あじあえ

4

あじわおう

15

あじあおう

0

あじわった

93

あじあった

0

あじわって

329

あじあって

3

 「味わう」「味あう」「味合う」などの漢字表記も考慮に入れると比率が変わってくるようですが、正確な統計を取るのがたいへんなのできちんと調べていません。

 

 「にぎわう」対「にぎあう」についても同様の傾向が認められます(目下の話題とは直接関係ありませんが、「にぎわせ」「にぎわし」を含むページの数はそれぞれ 1,049、1,112 でした)。

にぎわわせ

19

にぎあわせ

34

にぎわわし

2

にぎあわし

5

にぎわい

11,039

にぎあい

33

にぎわう

5,542

にぎあう

92

にぎわって

7,034

にぎあって

29

 「祝う」については、「いわわれる」を「いあわれる」としているような例は見つかりませんでした。

 

■ 「飲ませる」と「飲ます」

 

 使役の言い方に「〜(さ)せる」と「〜(さ)す」の2つがあります。私には両者の違いについて‘前者は関東風、後者は関西風’という程度の認識しかなかったのですが、実際のところはもっと複雑なようですね。

 中でも、使役の受身を表現するときは多くの方言で「飲まされる」とするのが一般的のようです。

飲ませる

3,797

飲ます

613

飲ませた

2,601

飲ました

155

飲ませて

6,902

飲まして

550

飲ませれば

163

飲ませば

7

飲ませなかった

35

飲まさなかった

3

飲ませられた

16

飲まされた

1,244

 「食べさせる」「食べさす」のような一段動詞の使役表現についても同様の結果が得られました。

 

 使役の使役を表すときも、使役の受身の場合と同じくまず「飲ます」が選ばれるような気がします。つまり、もし言うとすれば「飲ませさせる」ないし「飲ませさす」ではなく、「飲まさせる」ないし「飲まさす」になるような気がします。しかし、こんなややこしいことは普通言わないと見えて、実例は見つかりませんでした。ちなみに、『古典語現代語助詞助動詞詳説』(学燈社)で宮地裕氏は「母が姉に子どもを歩かさせる」ことを「母が姉に子どもを歩かせる」とも言うというように書いておられますが、理屈に合わない後者には私はやはり抵抗を覚えます。もっとも、理屈に合う前者も十分に分かりにくい表現ですから、どっちもどっちといったところでしょうか。

 

 なお、次のように単なる使役を「飲まさせる」「飲まさす」と表現している例はありました(他方、「飲ませさせる」「飲ませさす」の例はありませんでした)。

 

(出典)http://www.inv.co.jp/~iwata/nikki002.html

 今日はほとんど病院にいました。また次回もけんさー、やだなー。先々週から薬を【飲まさせられていて】、副作用で3キロもふとっちゃいましたー。

雑感

               クリスマスプレゼント

 

かるがもまちこ

 

 1月程前から息子達の話題はクリスマスプレゼント一色だった。指折り数えてクリスマスを待っていた。二男は、高畠純さんのサイン入り本「きょうりゅう一ぴきください」(文:竹下文子 偕成社)を一晩に何回も読んでいた。長男は、学校図書館で「かいけつゾロリのきょうふのプレゼント」(原ゆたか 作・絵 ポプラ社)を借りてきた。《かいけつゾロリシリーズ》はわたしが担任している小学3年生にも大人気だ。寝る前に長男と二男に読み聞かせをすると、二男はたいそうその本が気に入ったようだ。何度も読んでとせがむ。二男は、ゾロリの子分にあたる双子の猪のイシシとノシシの大ファンだ。独り言で「ゾロリせんせ、・・・するだよ。」などと言ったりしている。夫とわたしが二人で掛け合いで読み聞かせをした時などもうもう大ウケだった。

「かいけつゾロリのきょうふのプレゼント」の中で、いたずらのてんさいあくのおうじゃゾロリ(どうやら年齢が109歳らしい)が

「3年まえのクリスマス・こどもじゃないとプレゼントはくれないときいたから、一ねんじゅうはんズボンはいてあめをしゃっぶってくらしてみたが・けしゴムひとつくれやしない。2年まえのクリスマス・よいこじゃないとプレゼントをくれないというから、なみだをのんで一どだけごみばこにごみをすててやったのに・てぬぐいいっぽんくれやしない。きょねんのクリスマス・ものをだいじにするこはよいこだときいたから、ふるくなったおまんじゅうをすててはいけないとちゃんとたべてやったのに・ティッシュひとつくれやしない、サンタのけちんぼ」

という所が面白くて、わたしは、よくその台詞を口にした。息子達の頭にはこのことがすっかりインプットされたようだった。

 待ちに待ったイブの夜。夫はその日、金沢に仕事で出かけた。二女がご馳走を作ると張り切って、買い物から全て一人でしてくれた。「お父さん、雪の金沢で一人でおうどんを食べたんだって。かわいそうだねえ。」と言いながらも4人でにぎやかなパーティを楽しんだ。二女からは、長男にはかっこいいマフラー、二男には、ドラえもんの襟巻。長男がキャラクターのマフラーはあまり好まないだろうとあっちこっち探したみたいだ。北海道の長女からは、二女にはバッグ、長男には、「スーパードンキーコング4コママンガ劇場」(kkエニックス)、二男には、「ころわんとしろいくも」(間所ひさこ作・黒井健絵 ひさかたチャイルド) の絵本。どれも心のこもった贈り物だった。わたしからは、キャラクター長靴入りお菓子。と、いっぱいもらったにもかかわらず、息子達の関心事は、サンタさんが、自分たちがリクエストした物を持って来てくれるかということだったようだ。パーティの最中にも、「サンタさん、来てくれるかなあ。」「よい子じゃないと来てくれないよね。」と言っていた。寝る前の息子達のよい子の証は、歯磨きだった。いつもだと誰かが「歯磨きしいよ。」と声かけしないと決してしない二人なのに、言われる前からさっさと磨いていた。そのけなげな姿を見て、わたしは、プレッシャーを感じた。サンタのお役目ちゃんと果たせるかなあ。「なあんだあ、お母さんだったのお。」なあんてばれてしまって夢をこわしたらどうしよう……と。

 お布団の中では、長男が、「早く寝よう。早く寝たら朝が早く来るから。ぼく、もう寝る。でも、おかあさん、ぼく、眠れないよ。」「大丈夫、明日はお休みだから、もっと起きててもいいよ。」と言っても、「でも、寝ようっと。」といつの間にか寝息を立てていた。二男もすぐに、寝入った。夜中、わたしは、ドキドキしながら、夫が準備していたプレゼントを運んだ。よし、二人とも目を覚まさなかったゾ。後は、朝を待つばかり。

 いつもより早く長男は、目を覚ました。予想通り、プレゼントを探している。「あった!プレゼントだ!!」歓声と共に、ドライバーを出して、プレゼントを組み立て始めた。1時間ほど遊んで、「ぶんぶん、まだ起きないんかなあ。」と二男も起こして、二人それぞれに遊んでいた。わが家のサンタは金沢の空の下から、息子達の夢をかなえ、わたしにも息子達の笑顔をプレゼントしてくれた。

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