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      手掘り井戸(前編)

            井戸掘り器の製作 〜 水脈に当たるまで

 雨水再利用の究極とも言える、手掘り井戸に挑戦してみました。いざ自宅の庭に自力で井戸を掘ろうとしても
何から手を付けていいのかさっぱり分からず、今治市の曽我部正美さんのホームページ

                          http://www3.ocn.ne.jp/~marchan

を参考にさせていただきました。今回掘った井戸は、人が入れるような「掘り込み井戸」ではなく、直径10cm足
らずの「打ち込み井戸」です。

                 

 掘り方は簡単です。水道用の塩化ビニル(塩ビ)パイプの一端にゴムシートで弁を作り、水を入れた穴の中で
それを上下させます。すると泥水がパイプの中に入ってきますので、パイプを穴から抜いて、中の泥水を外に捨
てます。この作業を繰り返すことで、穴はどんどん深くなっていきます。パイプを継ぎ足しながら、地下水が出
てくるまで掘り進めばいいわけです。
 川崎市の西部に住む私の場合は、関東ローム層という粘土質の地層を5mほど掘り進んだところで砂利の層が出
てきて、5.7mまで掘りました。一日2時間掘って、3日かかりました。運悪く途中で大きな石にぶつかったら、そ
の時は掘り直すことになると思います。

 費用は、手押しポンプ(27,600円)やコンクリートの台まで含めて45,000円ほどで済みました。業者に掘って
もらった場合、10万円はかかるのではないでしょうか。

1. 井戸掘り器の製作

     外径5cm弱の塩ビパイプを50cmの長さに切り、その一端に一辺が5cmの正方形に切ったゴムシート(厚
    さ1mm)をかぶせ、そこにパイプ同士をつなぐための塩ビ製のジョイントをかぶせます。このとき、パイ
    プとジョイントに挟むのはゴムシートの三つの角だけにして、残る一つの角は挟みません。挟まなかっ
    た部分が弁になるわけです。(丸いパイプに四角い弁ですから隙間ができますが、泥がそれを塞いでく
    れたようで、意外とうまくいきました。)

     次に厚さ5mmのアルミの板から、土を効率良く掘るための爪を切り取ります。爪の幅はジョイントの外
    径よりも少し大きくしておき、真ん中に固定用のボルトを通す穴をあけておきます。ジョイントに切り
    込みを入れて、そこにこのアルミ製の爪を入れてボルトで固定するわけですが、アルミの爪はゴムシート
    の弁が垂れ下がるのを防ぐような向きに取り付けます。こうすることで、弁は泥水が入る方向にしか開か
    なくなり、パイプの中に泥水が溜まっていくことになります。(このアルミの爪が無くても土は掘れるよ
    うですが、短気な私は最初から爪を取り付けてしまいました。)

     弁から30cm〜38cmのところに、幅3cmの横穴をあけます。パイプの中に溜まった泥水は、パイプを横倒
    しにしてこの穴から捨てることになります。爪とは反対側に異径ジョイントを接着して、外径5cm弱で長
    さ2mのパイプを接着すれば、井戸掘り器は完成です。

       注)塩ビパイプの接着には専用の接着剤を使い、木槌で叩き込む等して万全を期します。
         深い穴の中でパイプが外れると、拾いに行くことができませんから・・。
    

         

                                         → 詳細図はこちら

2. 井戸掘り

     シャベルで60cm程度の深さの穴を掘り、そこに水を溜めてから、井戸掘り器を突き刺します。井戸掘り
    器を何度か上下させて中に泥水が溜まったら穴から出して、横倒しにして横穴から中の泥水を捨てます。
    この作業をひたすら繰り返します。穴の中の水が少なくなったら、バケツ半分くらいの水を足します。大
    量の泥水を汲み出すことになりますから、それを溜める穴を近くに掘っておくと良いと思います。(左下
    の写真)

     掘り進むにつれパイプを継ぎ足していくことになりますので、パイプを横倒しにする場所も考えておか
    ないといけません。私の場合、最終的にはパイプの長さが6.5mになりましたが、これは2階の軒の高さに
    相当します。一人で作業するには、これぐらいが限界かと思います。
     パイプが長くなると、横倒しにしたものを持ち上げるときに大きくしなり、ジョイント部がはずれやす
    くなります。接着は念入りにしておく必要があります。

     私の場合、黒土は最初の10cm程度だけで、あとはずっと赤土(粘土質)だったため、途中で穴が崩れる
    ことはありませんでしたが、地質によっては外径7.5cmの井戸枠となる塩ビパイプを徐々に入れながら掘
    ることになると思います。その場合は当然のことながら、井戸掘り器は井戸枠の中に入るサイズに作らな
    いといけません。

              
     掘り出した泥水のプール(壁際が井戸)         井戸の入り口のみ波板で土留め

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     初日は2時間で1.8mほど掘りました。赤土が弁のところにつまり、弁が閉じなくなることがよくありま
    した。その度に手で土を落とす作業が加わります。童心に帰っての泥遊び、です。

     二日目の途中で2mのパイプを継ぎ足しました。パイプが長くなったことで、穴から引き抜いたときの作
    業性が悪くなりました。穴の深さが2.6mになったところで土の粘り気が増し、井戸掘り器の先端に付いて
    くる土の色に変化が見られました。面白いほどよく掘れます。
     が、3.2mで急に土が固くなり、進みが遅くなりました。その後、土が柔らかくなったり固くなったりし
    ながら、4.2mで初めて小石が混じるようになりました。

     三日目は1mのパイプを継ぎ足すことから始め、穴の深さが4.5mぐらいになったところで土の色が黒褐色
    になりました。パイプをさらに1m足して掘り進んでいくうちに、今日は最初にバケツ半分の水を入れただ
    けで、水を足していないことに気が付きました。
     5.4mからは砂利の混ざった非常に固い地層となり、なかなか進みません。水深を測ってみると1.5mをキー
    プしており、水脈にぶつかったことをほぼ確信しました。水が出ると言っても、温泉みたいにピューッと
    吹き出してくるわけではありませんので、感激もジワジワッとやってきます。5.7mまで掘ったところで、
    全く掘り進むことができなくなりましたので、作業を終了しました。

                                  → 4. 手掘り井戸(後編)へ


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