§暑き戦い・・・・なのか?

 by 暁 十夜様



 俺達は白目を剥きピクリとも動かないジュアンを前に立ち尽くしていた。
 アベルでさせ悲痛な表情でジュアンを見下ろす。
 首から下を全て砂で覆われ身動きが取れない状態の所に幾度となく頭に振り下ろされた棍棒の傷痕。
「ジュアン・・・・どうして・・・こんな」
 クリスが細身の棍棒を持ってうめきにも似た声でそう問いかけるが誰も答えない。
 事の起こりは二日前、そうレイチェルの一言で全てが始まった。




「あ〜つ〜い〜」
 レイチェルが俺達やる気を失わせる様な気だるい声を上げる。
「暑い、暑いって言うな。余計暑くなる」
 俺はまったくやる気のない声で言葉を返す。 言えば言うほどに暑くなる。そうでなくてもいい加減この暑さにうんざりしてくる。
「なぁエリオットいい加減エアコン買わないか?」
 ジュアンが扇でぱたぱたと仰ぎながら言う。
 エアコン、大昔の技術を応用して作られた室温を調整できる魔法装置なのだが・・・いかんせん高過ぎる。
 下手をすると家一件買えるぐらいの値段だ、言うまでも無いがそんな大金はこの貧乏会社には無い。
「明日から路頭に迷ってもいいなら買えるぞ・・・・」
 呆れ口調でそう答える。はぁ・・・まったく夏と冬ぶっとばして春と秋だけ延々と周んねぇかな。
「そうするともう少し北の方にお引越ししなくてはいけませんねぇ」
 まるで俺の心を見透かした様にアベルが言う。こいつはこのクソ暑い中季節感のまるで無いロングコートを着こんでいやがる。
 しかも汗の一つもかいてないという恐ろしいヤツだ。絶対頭のネジが5,6本ぶっ飛んでるはずだ。
「だらしないわね。このくらいの暑さで」
 これまた季節感の無い長袖の服を着込んだクリスがダレきっている俺達(アベルはもちろん除く)を呆れた感じで言う。
「ああっ!!もうダメ死ぬぅ」
 レイチェルがそろそろキレそうだ。いつもなら「騒ぐなら外でやれ」と言うのだが、今はもうそんな気力すら無い。
「そういやアベル。お前使えるんだよな?魔法」
 なにかを思いついたジュアンがアベルに尋ねる。
「ええ、使えますよ」
 湯気を立てているお茶を啜りながらアベルは答える。まったくよく飲めるな。
「じゃあさ魔法でここ涼しくしてくれよ」
 おおっ、偉いぞジュアン。アベルの便利な活用方を見つけ出すとは。
 その場にいる全員がアベルに期待の目を向けて彼の返事を待つ。
「氷付けになってもいいのならやりますよ」
 お茶を飲み干して涼しい顔でそう言い放つ。百害あって一利無しのアベルだ言う事が違う。やはり期待した俺がバカだった・・・・
 この暑い盛りに凍傷なんぞで病院に運ばれた日にゃそれこそ、あそこは変人の集まりだなどと噂が立ってしまう。
「使えねぇヤツ」
 ジュアンはそう言って再び扇で仰ぎ出した。ん?まてよ。
「おい。それよく見たら俺のじゃねぇか!!」
 ジュアンが使っているのは紛れも無い俺の扇だった。
「ん?ああ、借りてるぞ」
 言うのが遅すぎる。俺はこの3日間その扇を探しまわり今日の朝諦めて新しいのを買ってしまった。
「ほぅ、それでお前はいったいどうやって俺の家に入ったのかなぁ」
 デスクの引出しの奥に眠っていた三節棍を握り締め俺はジュアンに詰め寄る。
 もはや怒りで自分がどんな表情になっているかわからないがそんな事はどうでもいい。こいつはヤル!!
「落ち着けエリオット!!ちょこっと借りただけじゃないか!!」
 引きつった顔でジュアンは後退りながらそう言うがもう遅い。俺の汗と時間を返してもらうぞ・・・・
「うるさい〜〜〜〜〜!!!天誅じゃぁ〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!」
 俺は三節棍を振り回しジュアンに天誅を下さんと狭い事務所の中を走りまわる。
 恥ずかしながらもはや暑さで我を忘れている。
「ああああああああ!!!!うるっさい!!!!!!!!!!」
 ついにブチキレたレイチェルが怒声を上げ俺とジュアンに向かって暗殺者も真っ青の殺気のこもった目で睨みつけてくる。
 それに対して俺とジュアンも負けじと睨み返す。
「あの〜、郵便なんですけど・・・・・」
 この超危険地帯(我が新聞社)に勇敢にも一人の郵便屋さんが恐る恐る入ってくる。
「すいません。そこに置いておいてください」
 この異常事態にも顔色一つ変えずにアベルが応対する。
 ちなみにクリスはと言うと俺達の間に入って「まぁまぁ」と仲介に入っている。
「あ、ありがとうございました」
 その言葉に俺を含む3人が一気郵便屋さんを睨みつける。
 郵便屋さんはヒッと短い悲鳴を上げ脱兎の様なスピードで階段を駆け降りて行った。
 ごめんなさい。これに挫けずお仕事がんばってくださいね。
「ほぅ・・・皆さん喜んでくださいこの暑さどうにかなりそうですよ」
 アベルが手紙を読み終えてそう告げる。どうやら郵便はアベル宛だった様だ。
「ホント!?」
 レイチェルが嬉しさのあまり目がキラキラ輝きまくっている。
 俺はジュアンへの天誅を一時中断してアベルの持っていた手紙を奪い取り目を通す。
 なんせアベル宛の手紙だ、手放しには喜べない。浮かれていると足元を思いっきりすくわれかねない。
「なんて書いてあるんだ?」
 俺の扇で涼みながらジュアンが訊いてくる。こいつには後で扇代を請求しておくか、三割増で。
「ええと、なになに。拝啓アベル、ついに念願の民宿をオープンした是非一度友人を連れて遊びに来てくれ・・・・以上。」
 手紙にはこの短く1行だけそう書かれてあった。
 いったいこの文のどこからこのうっとおしい暑さの緩和に結びつくのか検討がつかない。
「はぁ?どうしてこんな宣伝広告みたいな手紙でこの暑さがどうにかなるんだ?」
 まさに俺の考えていた事をジュアンがそのまま口にした。妙な所で役に立つヤツだ。
「いえ、この手紙自体ではなにも出来ませんよただの手紙ですよ。ただそこに書いてある民宿に行けば暑さを凌げると言ったんです」
「どこにあるんだ?」
 どうせ北の奥地の山岳地帯とか言うんだろうと思いながらも一応訊いてみる。
「確かオーサイドビーチとか言ってましたね」
「マジで!?」
 レイチェルがこれまでに無いほどの大げさなアクションで驚く。まぁ無理も無いか。
 オーサイドビーチはダグラムから馬車で約半日の距離にある海が綺麗な事で世界的にもかなり有名な観光地だ。
 更に天然の温泉が豊富に湧き出していると言うまさに天国の様な場所だ。
 ただその付近にある宿屋だのホテルだのが頭にバカが付くぐらい料金が高い。そのため金持ちのための観光地と言っても過言ではない。
 そんな所に遊びに行くなんて俺達の給料じゃ一生かかっても無理だろうな。
「なぁ、念のために訊いておくがタダだよな?」
 これで「有料です」なんて答えたら間違い無くアベルは西の海のど真ん中でサメの餌にされるだろう。いや俺がやる。
「もちろんタダですよ」
 その言葉にレイチェルとジュアンがやったと声を上げてはしゃぎまわる。
「ねぇ、ちょっといい?」 クリスが不思議そうな顔でそう尋ねてくる。訊かなくても何を訊いてくるかだいたい見当がつく。
「オーサイドビーチってなに?」
 やっぱりな、金持ち専用の観光地なんて言ってもクリスには理解できないだけだろうと思い俺は適当に海だよと答えた。
 俺達は話し合いする間でも無く翌日オーサイドビーチに行く事を即行で決めた。いや明日が楽しみだ。




 次の日、俺達は馬車に揺られオーサイドビーチの土を・・いや砂を踏んだ。
「あ〜、オシリいったぁ」
 半日も固い馬車の椅子に座っていたレイチェルが背伸びをしながら言う。
 ここの風景を見た者はそれを一生忘れないと言われているが、俺はまさにその通りだと思った。
 俺達の前には太陽に照らされ眩しいくらいに輝く海と雲一つ無い青い空が広がり潮の香りを含んだ風がやさしく頬を撫でていく。
 砂浜はまるで真珠の様に白く透き通っている様でここに訪れる人を暖かく迎え入れている様にも思えた。
 もし俺が絵描きなら間違い無く絵筆を走らせているであろうそんな風景だった。
「海だ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」
 持っていた荷物を放りだしジュアンが波打ち際に走り出そうとするがそうはさせない。ガシッと襟首を掴んで引きずって行く
「なにすんだよ」
「俺達は先に宿屋に荷物を運ぶの」
 後ろでアベルの「民宿ですよ」と言うツッコミが入るが俺にとってはどっちでもいい事だ。
「ええ〜、うっ」
 不満そうに声を上げたジュアンの喉元についでで持ってきた三節棍を突き付ける。
「文句は?」
「・・・・・ないです」
 俺の天誅スマイル(?)にジュアンはどこか悲しそうにそう答えた。
 荷物を持って俺達は一路宿屋に向う。ただアベルの知り合いと言う所がかなり気になるのだが・・・・・・
(どうか普通の人間でありますように・・・・)
 俺は心の中でそう願い民宿(アベルがあまりにもしつこいため訂正)に向かった。
 しばらくビーチ横の街道を歩く。等間隔に植えてあるヤシの木が白い砂浜といい感じでマッチしている。
「ここですね」
 アベルが足を止めて目の前の民宿を指差す。外見は・・・お世辞でも綺麗とは言えない。
 恐らく持ち主がいなくなって放置されていた宿屋を買いとってそのまま使っているのだろう。まさか幽霊とか出ないよな。
 一抹の不安を覚えながら俺達は民宿「アカツキ」へと入って行く。
「おう、来たかアベル。久しぶりだな」
 出迎えたのはタンクトップに短パンという格好のおっさんだった。
 一見普通のおっさんに見えるがよく見ると体のあちこちに古い傷跡があった。
 細身で長身だがバランスの取れしなやかな筋肉が只者ではないと言う事を物語っていた。
「紹介します。こちらこの民宿の主人のアカツキさんです」
「よろしくな」
 そう言っておっさん、もといアカツキが手を差し出す。
「こいつらの監督者のエリオットです。あの失礼ですけどアカツキさんは冒険者かなんかだったんですか?」
 俺はその手を取って握手を交す。後ろでなにやら騒いでいるがとりあえず無視っておこう。
「まぁ、そうとも言えるだろうな。」
 そうとも言える。その言葉が少し気になったが、まぁなんにせよ普通そうな人で良かった。
 その後アカツキは俺達を部屋へと案内してくれた。もちろんクリスとレイチェルの部屋とは別々だ。
 案内された部屋はベッドが三つとの向かいにソファとテーブル、と以外と広かった。
 もともと部屋がアカツキの部屋を含めて三部屋しか無いらしいから当たり前と言えば当たり前か。
「メシはもうすぐ出来るからな、それまでは温泉にでも入っててくれ」
 アカツキはそう言って厨房の奥へと消えていった。
「温泉かぁ・・・」
 ジュアンが意味ありげにそう呟いてなにか考え始めた。なんか嫌な思い出でもあるんだろうか?
 考え事をしているジュアンなんて滅多に見られない。いや実際俺は見た事が無い。
「どうかしたのか?」
 俺は少し心配になって訊ねる。
「いや、混浴かなぁと思って」
 心配した俺がバカだった・・・そうだこいつはこう言うヤツだ。
「残念ながら違いますよ」
 アベルがいったい何が入ってるんだと訊きたくなるようなスーツケースをベッドの上に置きながら答える。
「やっぱそうかぁ」
 心底残念そうにジュアンがうめきなにかに神経を集中させていた。
 しばらくしてなにやら決意を固めたような表情で立ち上がりいそいそと準備を始める。
「よし行くか」
 ジュアンは自分の鞄からお風呂セットを取り出して部屋を出る。微妙に手に持っている物体が気になる。
「あ、待てよ温泉行くなら俺も行く」
 俺はジュアンに続き自分のお風呂セットを持って後に続く。一応アベルにも行くか訊こうとしたがいつの間にやら消えている。
 あいつ・・・もしかして人間じゃなかったりして・・・・・・
 ジュアンに追いつき俺達は二人で男湯の扉をくぐる。しかし温泉なんて久しぶりだ。
 以前に一度だけ行った事があるがその時はジュアンのせいでゆっくり入れなかった。
 ・・・・・今物凄くいや〜なイメージが・・・・・・・・いや、いくらジュアンでも同じ過ちは犯さないはずだ。
 たぶん・・・・・・・・
 必死に頭から嫌な予感を振り払い湯船へと向かう。お願い神様どうか・・・どうかジュアンがバカな真似をしませんように。
 俺の祈りも虚しくジュアンは腰にタオルを巻き今まさに女湯をのぞくためにせっせと石垣を登っていた。
 しかも滑らない様にと滑り止めの付いた靴まで履いている。そうか部屋を出る時に持っていた物は靴だったのか。
 しかし、そうまでしてのぞきたいかね。ジュアンの行動が未だに俺には理解不能だった。
「って、んなこと考えてる場合じゃなかった」
 このままではあの時の二の舞だ。俺はジュアンに近づいて小声で話し掛ける。
「おい、なにやってんだ。やめろ」
「ん?お前の分はそこに置いてるぞ」
 ジュアンに指差された所にはもう一組の靴が置いてある。ほんと妙なところで用意周到なヤツだ。
「う〜ん、夏に入る温泉っていうのもいいものね」
「そうだね〜」
 竹製の仕切りの向こう側。つまり女湯からレイチェル達の声が訊こえる。
「おいやめろって」
 俺の静止もまったく聞く耳持たずにジュアンは一心不乱に石垣を登っていく。
 そしてようやく女湯が見える位置まで上ったところで相手から見えない位置に体を固定する。
「ふふふ、前のような失敗はしないぜ。さぁゆっくりと拝ませておもらおうか・・・・って、あれ?」
 もはやイっちゃってる人の発言をするジュアン。しかしどうやらジュアンの企みは失敗に終わった。
 なんせ女湯にレイチェル達はいないからな、見たくても見れない。
「ジュアン」
「へ?おわ!?」
 不意にレイチェルに後ろから声をかけられ間抜けな声を出したジュアンは石垣から落ちそうになるのを必死に堪えている。
「あはは、変なカッコ」
「覗こうとした罰よ」
 身動きが取れないジュアンに容赦の無い口撃が浴びせられる。同じ男としてなんとも悲しい姿だった。いや自業自得か・・・・
 なぜ彼女達がここにいるかと言うとそれは水着を着こんでいるからである。彼女達にはジュアンの行動が読めていたらしい。
 さすがと言うかなんというか・・・・・・・・
 ちなみにレイチェルは白のセパレート、クリスは色はレイチェルと同じだがこちらはワンピースだった。
「はぁ、おもしろかった。じゃあたし達もう上がるね」
 ひとしきりジュアンの醜態を笑ったレイチェル達は女湯に戻って行った。う〜ん女って怖いねぇ。
「さて俺も上がるか」
 ジュアンのおかげで少々精神的に疲れた。もう温泉につかる気が起こらない。
「おい、待てよエリオット!!降りるの手伝ってくれないのか?」
 そう叫ぶジュアンの声が訊こえるがとりあえず無視、溜息をつきながら俺は風呂場を後にした。
「おや?お早いお帰りですね。そうそう食事の用意が出来たそうですよ」 アベルが読んでいた雑誌から顔を上げて言う。俺はアベルの読 んでいた雑誌のタイトルに目をやる。
『霊峰チョメランマと伝説のスノーマン』
 いったいコイツの脳ミソはどんな構造になっているんだ?なぜ海に来てまでそんな雑誌を読むんだ?
「そいえばジュアンさんはどうしたんですか?」
 痛くなった頭を抱えていた俺にアベルが訊ねる。
「もう少し温泉につかってるだと」
 八割方本当の事言う(実際は壁に貼りついているのだが)俺はお風呂セットをテーブルの上に置いて食堂に向かう。
 食堂にはすでにクリスとレイチェルの姿があった。二人は温泉に入っていたためか頬が少し赤くなっていた。
「おう来たか。ん?後一人はどうした?」
「まだ温泉に入っているそうです。彼の分は後にしておいた方がいいでしょう」
 料理を運んできたアカツキにいつの間にやら席に座っているアベルが答える。
「そうか、それなら仕方ないな。さぁ食ってくれ俺の自慢料理だ」
 そう言って料理の乗った皿をドンとテーブルの上に置く。
 その皿の上にはついさっきまで海の中で元気に泳ぎまわっていたであろう大きなロブスターが頭の部分を残してまるで甲羅を剥された様な形で盛りつけられている。
 しかもまだ触角がゆらゆらと動いている。
「えと・・・・これは・・・・・・」
 クリスが困った表情でアカツキを見る。大丈夫だ今回はワケわからんのはお前だけじゃないぞ。
「これはロブスターの姿盛りだ。その醤油にわさびを少し入れて食うんだ」
 目の前にある小皿に黒い液体と少量の緑色をした物が置いてある。
 どうしていいかわからない俺達をよそにアベルが器用に箸を使いロブスターの身を一切れ掴み醤油に漬けて口に運ぶ。
「やっぱり取れ立てのロブスタ−は美味しいですね」
 そう言いながらひょいひょいと箸でロブスターの身を食べていく。
 それを見て俺は恐る恐るフォークで一切れ取り醤油に漬けて食べてみる。なにかつんとした刺激が口に広がる。
「あ、うまい」
「え、ホント?」
 俺の言葉にレイチェルも一切れ取って食べる。
「うう、なんか鼻が痛い」
 レイチェルは涙目なって言う。確かにレイチェルには刺激が強いかもしれない。
「はは、お嬢ちゃんにはさび抜きの方がいいな」
 そう言ってわさびの入っていない小皿をレイチェルの前に置く。レイチェルは再びロブスターの身を取って食べる。
「あは、今度のは美味しい」
 今度はレイチェルにも美味しいと感じた様だ次々と口に運んでいく。
 皆食べている中でクリスだけがなかなか食べようとしない。やはり生でしかも触角動いているのは彼女にとって辛いんだろうな。
「食べないのか?」
 次の料理を持ってきたアカツキがクリスに訊ねる。
「ええ、ごめんなさいやっぱり私触角が動いてるのはちょっと」
 クリスが申し訳無そうに言う。それを訊いたアカツキは苦笑しながら持っていた大きな土鍋を置く。
「これなら大丈夫だろ。ロブスター鍋だ」
 どうやらロブスターの身を野菜と一緒に煮込んだ物の様だ。
 アカツキは慣れた手つきで一人一人に鍋から取り分けてタレをかける。
 これもまたうまかった。ほどよく煮込まれた野菜とロブスターに酢系のタレがよく合っている。
「さて、最後の仕上げだ」
 そう言うとアカツキは土鍋の中にご飯を入れかき混ぜる。最後に卵を入れてロブスターリゾットが完成。
 なるほど、わざわざ鍋ごと持ってきたのはこのためか。
 ロブスターリゾットはロブスターのダシだご飯によく染み込んでいてまさに美味。もうこれ以外の言葉では表せられない。
 ふふふ、ナバールよお前もこれは食った事はあるまい。
「ああ〜、おいしかったぁ」
 レイチェルがご満悦の表情で食後のお茶を飲んでいる。あれ?そう言えばなんか忘れてるような?
「あああああ!!!もうメシ終わっちまったのか!?」
 おお、そうだ風呂場に貼りつけの刑にされていたジュアンの事をすっかり忘れてた。
「おっさんもう無いのか?」
 悲しげな声を上げてジュアンがアカツキに訊ねる。しかし返ってきた答えはジュアンにとって余りにも無情なものだった。
「すまん、全部使っちまった。もう無い」
 そう俺とレイチェルの散々たるおかわりで用意されていたロブスターはジュアンの分も含め全て腹の中に収まっている。
「お前が早く来ないからだぞ」
 俺はお茶を啜りながらいけしゃあしゃあと言い放つ。う〜ん、俺って非常だねぇ。
「ううっ、お前等覚えてろよ・・・食い物の恨みは怖いからな・・・・・」
 ジュアンは急遽アカツキが用意してくれた質素な料理を食べながらなんとも恨めしいそうな声を出す。
 だから自業自得だっつーの。




 夜中、俺はトイレに行くためにベッドからのそのそと起き出した。
 つい2時間前まで明日海で遊ぶ時の荷物番を決めるために延々と大貧民をやっていたためか少々頭が痛い。
 俺が手を洗いトイレから出てきたその瞬間、突き当たりの廊下を白い影がスゥ〜と通り過ぎていった。
「なんだ?まだ誰か起きてんのか」
 寝ぼけ眼(まなこ)を擦りながら白い影が通り過ぎていった場所まで行って見る。
 そこには白いワンピースドレスを着た金髪の女性が立っていた。
 一瞬クリスかと思ったがアベルではあるまいしこんな時間にこんな姿をしているわけが無い。
 女性は寒気を覚えるような笑みを浮かべて、そして消えた・・・・・・・・
 まさか・・・・・・ゆう・・・・れ・・・い・・・・?

「ノ〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜〜!!!!!!!」

 俺は思いっきり叫んでいた。まさか、まさか本当に出るとは!?
「なんだぁ!?どうしたんだ!?」
「う〜、うるさい〜」
 ジュアンとレイチェルがそれぞれの部屋からなにごとかと出てくる。俺はギギギとギクシャクした動きで振り向く。
「で、ででででで出た」
 あまりのパニックでうまく言葉が出ない。 「出たって、何が?」
 ジュアンが怪訝そうな表情でそう訊いてくる。妙なところで鋭いくせにこんな時には鈍いヤツだ。
「出たっていったら幽霊に決まってんだろうが!!」
 俺は再び声を大にして叫ぶ。幽霊を倒す事は可能らしいが一般市民の俺にそんな事は出来るはずも無い。
 ただもう叫ぶしかない。
「なんだ?騒がしいな」
 騒ぎを訊きつけてアカツキが姿を現す。 「幽霊がでたんだと」
 ジュアンがなにをバカな事を言ってるんだといわんばかりに言う。
「なんだ、もう出てきたのか。あいつは危害を加える類のもんじゃないから安心しろ」
 そう言ってアカツキは自分の部屋に戻ってしまった。いったいなにを安心しろと言うんだ。存在自体が怖いんだよ。
「そっかそれならいいや。はぁ寝よ」
 ジュアンがどうでもいいと言うふうにあくびをしながら言う。いったい何がいいんだ!!何が!! 「そうだね、寝よ寝よ」
 レイチェルも半分寝ながら部屋に戻る。
「おい、待てよ。それでいいのか!?」
 悲しくも俺は一人その場に取り残されてしまった。
(遊ぼう・・・・・・・・・・)
 不意に後ろから声が訊こえてくる。俺は慌てて振り向く。やっぱりいいいいい!!!さっきの幽霊だあああぁぁぁぁ!!!!
 俺は叫びたかった、しかし声が出ない。
(ね、遊ぼう・・・・・・・・・)
 幽霊はゆっくりと近づきながらそう言ってくる。首をブンブン横に振りながら俺は後ろへあとずさろうとするが動けない。
 その間にも幽霊は近づいてくる。もうダメだ、そう思った瞬間。
(さぁわった、次はあなたが鬼よ)
 は?おに?なんのこっちゃ?
「どう言う事?」
 ワケがわからず幽霊にそう訊ねてしまう。幽霊はやれやれと言った感じで首を横に振る。
(もう、鈍い人ね。鬼ごっこよ。)
 鬼ごっこ・・・・・・なるほどアカツキが言っていたのはこう言う事か。
 俺は部屋に戻り俺の大声でも起きなかったアベルをベッドから引きずり出して幽霊の前に連れて行く。
「こいつとなら朝までやってもらって構わないから、こいつと遊んでてくれ」
 幽霊はしばらく考えてから笑顔を浮かべた。
(うん、わかった。いいよ)
「じゃあ俺は寝るから。おやすみ」
 俺はアベルに幽霊を任せ(押付け?)ベッドに潜り込む。まぁアベルなら死ぬ事も無いだろう。
 アベルのおかげで俺はこの後、朝までグッスリと眠る事が出来た。サンクス、アベルお前の犠牲は無駄にしないぞ。
 次の日の朝、俺達はオーサイドビーチの浜辺に来ていた。
「わ〜、うみうみ〜」
 レイチェルは思いっきりはしゃいでいる。水着は昨日のとは違う黄色のビキニだ。
 彼女曰く。あんなダサい水着はもう着ないと言うことだそうだが俺にはよく理解できない。
 ちなみにクリスは多少デザインは違うがやはり白を基調としたワンピースだった。
 白いワンピースの水着がよく似合う。いや決して変な下心があるわけじゃない。ただ純粋にそう思うだけだ。
「ねぇエリオットもクリスも早くきたら?とっても気持ちいいよ」
 レイチェルに誘われる間でも無く俺とクリスは波打ち際まで走って行く。
「っと、忘れるところだった。ジュアンちゃんと荷物見てろよ」
 昨日の大貧民で荷物番に決まったジュアンにクギを刺しておく。
「わかってるよ」
 ジュアンはかなり不機嫌そうに答える。しかしここに来てからジュアンは災難ばっかりだな。まぁ、ほとんどが俺のせいなんだけど。
「エリオット〜早く早く」
「ああ、今行く」
 俺はレイチェル達と泳いだり水を掛け合ったりして楽しい時間を過ごした。
 途中まで感じていたジュアンの恨めしそうな視線もいつの間にか消えていた。
 そして遊んでいて新たに発見された事があった。やはり、と言ってはなんなのだがクリスは泳げなかった。
 そんなわけで後半からはクリスの為に俺とレイチェルで泳ぎを教える事となった。
「すっごい、こんなに早く泳げるようになるなんて」
 レイチェルが驚きと尊敬が混じった様な声で一人はしゃいでいる。
 クリスはさすがに自称勇者だけあって運動神経はいいみたいだ。
「そうなのかな?泳ぐのって楽しいから」
 クリスは本当に楽しそうに言う。それにつられてレイチェルもかなり楽しそうだ。
「さて、そろそろ上がって休憩しようか」
「うん、そうだね」
 俺達は海から砂浜に戻りジュアンがいるビーチパラソルへと向かう。
 あれほどまでにうっとうしかった暑さも気持ちよく感じる。やっぱりここに来て良かったな。
「寝てるし」
 ジュアンは潮風に吹かれて気持ちよさげに眠っていた。いや実際は一人だけ遊べないためのふて寝だろうな。
 と、そんな事を考えているとレイチェルが突然パラソルと荷物をどけてジュアンに砂を掛け始める。
「なにしてんだ?」
「ちゃんと仕事してない人への罰」
 レイチェルは小悪魔の様な笑みを浮かべてジュアンに砂を掛けていく。
 ジュアンの体はどんどん砂で埋まっていき、ついに顔以外全て大量の砂で埋もれてしまった。そして最後に頭にスイカの皮をかぶせる
「ふぅ、完成」
 レイチェルは額の汗を拭い満足げな表情でジュアンを見下ろす。いや・・・ホント災難続きだな、ジュアン。
「楽しそうな事をしていますね」
 アベルがジュアンの悲惨(?)な状態をみて楽しそうに言う。お前は他人の不幸がなにより楽しいんだろうなぁ。
「って、なんだよお前その格好!?」
 俺はアベルの姿を見て驚きを通り越し呆れてしまった。
 黒のダイバースーツにシュノーケルに水中銃。果てはなぜかシャチの浮き輪(膨らまし済み)まで持っている。
 これから海底探査にでも出かけるつもりなのかと思うほどの異様な格好だった。
「まさか、それならもっといいものを持ってきますよ」
 俺の心を見事に読んでそう答える。
「さいで」
「そうそう、忘れるところでした。アカツキさんからの差し入れです」
 そう言うと背中に背負っていた袋からスイカを取り出す。
「おお、デカイスイカだなまた」
 直径が30cmぐらいスイカを見て俺は声を上げる。
「ねぇねぇ、これでさスイカ割りしようよ」
 レイチェルがナイスな発言をする。しかしスイカ割りなんて何年ぶりだ?
「そうですね、ちょうどいい具合の棍棒もありますし」
 いったいどこから出したのかアベルが割と細身の棍棒を差し出す。
「スイカ割りってなに?」
 なんとクリスはスイカ割りすら知らないのか・・・・・・・・・・
「スイカを離れた場所に置いて目隠しをして他の人の声でスイカのとこまで行って棍棒で叩き割る遊びだよ」
 レイチェルが簡単にスイカ割りを説明する。しかし一般常識に疎いにも程度と言う物があるだろ。
 俺達は話し合いの結果初めてと言うことでクリスがやる事になった。
 クリスは目隠しをしてスタート位置に立つ。
「じゃあいくよ〜。最初は真っ直ぐ」
 レイチェルが指示を出してクリスを誘導するがクリスはスイカよりも左の方へ行ってしまう。
「右、右」
「え?右?」
 クリスは右方向へ思いっきり曲がってジュアンの方へと向かう。
「あ、あった。これね」
 足に当ったジュアンの頭に思いっきり棍棒を振り下ろす。
 ゴスッ
 そんな鈍い音がしてジュアンの頭のスイカの皮が弾ける。と言うかスゴイスピードで振り下ろしたぞ、今。
「ねぇ、割れた?」
 クリスがそう訊いてくるが言葉に詰まる。
「いや、割れてはいないけど・・・・・・・・」
「え?結構力入れたんだけどな。じゃあ」
 ゴスッ、ドカッ、バキッ
 クリスは連続して棍棒をジュアンの頭に振り下ろす。ところどころで「ウッ」とか「グッ」とかジュアンが言っている。
「って、あー!!クリス!!ストップ!!」
 慌ててクリスを止める。もうこれ以上やるといくら石頭のジュアンだからと言ってもマジに死にかねない。
「おい、ジュアン生きてるか!?」
 ジュアンの安否の確認をするが完全に白目を剥いて気絶している。
「ジュアン・・・・・・どうして・・・・・こんな」
 目隠しを取ったクリスが小さくうめく様に言う。
「ジュアンさん・・・・まさか死んでしまうとは・・・・・・」
 アベルが悲痛な表情で言う。いや、まだ死んでないって。
「ジュアン!!死なないで〜」
 レイチェルは目に涙をためてジュアンに呼びかける。
「うっ・・・・」
 一瞬ジュアンがうめき声を上げる。
「ジュアン!!しっかりしろ!!」
 俺はもはや虫の息になってしまっているジュアンに呼びかける。
「じいちゃん・・・・え?・・・こっちに来いって?」
 ジュアンが意味不明の言葉を発しはじめる。まずい、非常にまずいもうお迎えが来てしまったのか!?
「行くなジュアン!!そっち行ったら死んじまうぞ!!」
 俺はジュアンの顔をバシバシ叩きながら必死に引き戻そうと呼びかける。
「ええい、最終手段だ!!ジュアンもし戻って来たらレイチェルとクリスがキスしてくれるぞ」
「はっ、マジで。なぁマジで」
 俺の一言でジュアンはどうやら無事あの世のお迎えを振りきったようだ。
「ん、なんかスゲェ頭が痛い。のわぁ!?なんだこれたんこぶだらけじゃないか!!!」
 無残にも形の変わってしまった自分の頭を触ってジュアンがパニくる。
「おい、エリオット。オレになにがあったんだ?」
 記憶喪失者っぽいセリフで俺にジュアンが詰め寄る。
「さ、さぁ?」
 思いっきり視線は外し明後日の方向を見ながら曖昧にそう答える。
「と、とりあえず民宿に戻って治療してもらった方が・・・・」
 レイチェルがすかさず助け舟を出してくれる。
「そ、そうねじゃあ私が連れて行くから。ジュアン行きましょう」
「え?おい、ちょっと、マジでオレに何があったんだ!!」
 クリスが棍棒を後手で隠しながらジュアンを民宿へと連れて行く。はぁ、なんとか誤魔化せたか。
 無事ジュアンの治療も終わった頃にはオーサイドビーチは夕焼けに包まれていた。
 その夕焼けの砂浜に俺は一人で佇んでいた。
「よう、なにしてるんだ?」
 ウェットスーツに身を包みサーフボードを持ったアカツキが声をかけてくる。
「別に、ただ海をみてたださ。おっさんは今からサーフィンか?」
 俺は短く答えて逆にアカツキに訊ねる。
「ああ、そうだ。ただもうすぐ来る波はとてつもなくデカイ。非難してた方がいい」
 アカツキの見つめる方にここからでもわかるぐらい大きな波が来ている。高さが10mくらいあるんじゃないだろうか。
「アレに乗るのか?」
「ああ、10年に一度のチャンスだ。過去に二度失敗してるが今回は乗ってみせるさ」
 なるほど、体にある古傷はあの大波に乗るのに失敗したからか。
 俺は安全な場所まで下がりアカツキは海へと入っていく。
「なんだ、どうしたんだ?」
 民宿の方から歩いてくる。クリス達を見つけて声をかける。しかし、やっぱジュアンの頭に巻かれている包帯だ痛々しい。
「アカツキさんが面白い物を見せてやるって行ってたから」
 そう言ったクリス達と一緒に大波が来るのをじっと見つめていた。
 やがて小さな波が訪れ、そしてその次に巨大な波が一気に押し寄せる。
 アカツキはボードを波に乗せ立ちあがった・・・・が腰が引けていてかなりふらついている。
 あんなんで大丈夫なのか?と、そう思った矢先。あ、こけた。
 アカツキは波に呑まれ錐揉み状態で砂浜に打ち付けられる。挑戦以前になにか根本的な物が間違っていると思うのは俺だけか?
「大丈夫か?おっさん」
 俺達はまた新たに傷ができたアカツキに訊ねるがアカツキは厳しい顔つきで近くに置いてあったモリを持ち出してきた。
「なにするんだ?」
「ヤツを殺す」
 アカツキがいきなりワケのわからない事を口走る。波を殺せるわけないじゃないか。
「ヤツって、さっきの波のこと?」
 レイチェルがそう訊ねるとアカツキはモリで海中から出ている三角形の物を示す。
「あれって、サメ?」
「そうだ、体長3mを超えるホオジロザメでデビルシャークと呼ばれていてな。何年かに一度このビーチにやってくるのさ」
 アカツキは固い決意をした目でデビルシャークを睨みつけ海に入ろうと走り出す。
「そんなケガじゃ無理だって!!」
 俺達は海に入れないようにアカツキを押さえる。こんなボロボロの体じゃ食い殺されるのは目に見えている。
「ええい!!放せ!!!!」
 アカツキは力を振り絞り俺達を引き剥がしモリを構えてデビルシャークに向かっていくがやはり腰が引けている。
 海に入って数秒後、バシッと尻尾ではたかれあっさりと砂浜に突っ込んでくる。弱いぞおっさん。
「ええい、まだまだぁ!!」
 再びデビルシャークに向かって突っ込む。今度は腰の引き具合だ多少改善されている。
 しかし、やはり尻尾ではたかれ砂浜に打ち上げられる。
「くそぉ、なかなかやるな。だが俺は諦めんぞ!!」
 三度デビルシャークに向かって突進する。おお、今度は腰が引けてないぞ、ってんな悠長に構えてる場合じゃなかった!!
 俺は近くにあった棒を拾いアカツキとデビルシャークに向かっていく。
「エリオット!!」
 クリスが叫んで俺を止めようとするが全力で走っている俺には追いつけなかった。
 波打ち際まで来た俺は棒を支えにして飛び一気にデビルシャークとの距離を詰める。
 血の匂いで興奮しているデビルシャークの頭に蹴りをぶち込む。
 デビルシャークは一瞬怯んだが怒りまくって俺とアカツキに向かって牙を剥いてくる。俺ピ〜ンチ。
「やれやれ、仕方ないですね」
 アベルが両手を掲げ力ある言葉を紡ぎ始める。
「氷雪の化身よ汝の凍てつく息吹で全ての邪悪を滅ぼせ。ダイヤモンドブラスト!!」
 アベルの力のある言葉が終わると共にアベルの両手から強烈な冷気が放たれデビルシャークと海を凍りつかせる。
 しかも、俺達ごと・・・・・
「へっくっしん!!ううっ、さぶっ」
 氷の中から救出され俺は民宿の暖炉の前で毛布に包まっていた。凍傷にならなかったのが唯一の救いか。
「はっはっは、いや〜アベル助かったぞ」
 俺と同じ様に氷付けになったはずのアカツキはなぜか異様に元気だった。
「そう言えば、どうしてあんなに大波に乗る事やサメと戦う事に固執してるわけ?」
 レイチェルが信じられないといった表情で訊ねる。
「ああ、趣味だ」
「「「「は?」」」」
 本人とアベル以外の全員の声がハモル。ありえん、ありえんぞそんな理由。
「そうなのか。オレはてっきりあのどっちかのせいで家族が死んだのかと思った」
「俺の家族はみんな生きてるよ。まぁカミさんにはにげられたがな」
 アカツキは笑いながらそう答える。
 趣味が大波サーフィンとサメ退治じゃ誰だって逃げたくなるわ。
 結局アベルの魔法のせいでオーサイドビーチの海は1km先まで凍結してしまい今年1年ビーチは閉鎖になってしまった。
 俺達は逃げる様にダグラム行きに馬車に飛び乗りオーサイドビーチを後にした。
 ちなみに言うまでも無いかもしれないが俺は帰った後きっちり夏カゼを引き一時は肺炎まで起こしそうになった。
 ちきしょう・・・・もう二度とアベルの知り合いなんぞに関わるもんか。ぐすん。


- 終 -

■あとがきの皮を被った言い訳(汗

なんか書くたびに段々と長くなってきてるなぁ(^^; というわけですんませんメッチャ長くなりました。ボツにしてはしょった部分を入れるとワードで30ページくらいなるくらい無駄に長いです(汗
例によって葵さんの命題は全部入れました。それに更にオリジナルな部分(ごくごく一部)入れてます。
今回はジュアンがひたすら災難でエリっちは無事に済むかと思っていたら結局は不幸なんだよなぁ(笑
ああ、がんばれエリオットその内きっといい事あるさ(ごめんたぶん無い
さてさて今回話しの中で登場したロブスター料理。実はあれ俺っちがガキの頃実際に食べた事のある伊勢海老料理が元ネタなんすよ。
マジで姿盛りは触角がゆらゆら動いてました。姉貴がそれでその料理食えませんでした(笑
俺っちはと言うと。「あ、動いてる〜♪うんおいし♪」
子供って時々残酷だよね。いや今でも触角動いてようが、足が動いてようが容赦無く箸でつつきますけどね(^o^)
なぜか今回もアクションチックな所が入っております。アベやんの魔法を適当に作ってしまいましたがどうなんでしょう?
女性陣の水着に付いては何も言わないで(^^;
お願い・・・・だってセパレートとか書いてるけど実際どんな水着か知らんし(爆
クリスに白が似合うってのも俺っちが勝手に思ってるだけだし(激爆
それ以前にクリスが泳げかったという設定を勝手につけてすみません(と言うか最初に謝れ
さて今回かかった時間は約半日。もち俺っちは夜行性生物ですから貫徹です(苦笑
さぁここで問題。俺っちの今の気分はどれでしょう?
@.疲れた・・・・・・
A.眠い・・・・・・
B.次回予告書きたいな♪(マテッ
さぁ正解はCMの後(謎爆
最後に一つ注意がありマフ。
この話しに出てくるアカツキは俺っちとはなんら関係ありませんのであしからず。
さすがにあそこまでぶっとんだヤツじゃないです(笑
えと、葵さんなんか書くたび書くたびキャラがどんどん壊れてっています。どうしましょう(汗汗
でわでわ。

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