2004年3月24日
新・新・大森なんでも伝言板で〈奇想コレクション〉(河出書房新社)企画案ネタがもりあがっている。今日はやや体調不良気味なので、暇つぶしにわたしも考えてみた。
●アヴラム・デイヴィッドスン『あるいは牡蠣でいっぱいの海』
作品選択にあたって、以下の方針を決めた。
- 版権の問題から40年以上前の作品に限定する。
- 『10月3日の目撃者』(村上実子訳、ソノラマ文庫・海外シリーズ)とできるだけかぶらないようにする。
あいにくわたしは、デイヴィッドスンの短編集はThe Avram Davidson Treasuryしか持っていないので、横になってぱらぱら読みながら考えた。こんな感じでどうか。
- "The Golem"(1955)
- "Now Let Us Sleep"(1957)
- "Or All the Seas with Oysters"(1958)
- "The Tail-Tied Kings"(1962)
- "The Sources of the Nile"(1961)
1.は『10月3日の目撃者』に収録されているし、他にもいくつか邦訳があるが、傑作かつ代表作なのでしかたない。
2.はSFマガジン1982年11月号に邦訳あり(「さあ、みんなで眠ろう」洲浜昌弘訳)。バドリスばりにいやな話で好きなんだが、テーマに比重がかかりすぎて、ややデイヴィッドスンらしくない気もする。ほかにいい作品があれば、除いてもよい。
3.はヒューゴー賞受賞の代表作。邦訳は『ヒューゴー賞傑作集1』(ハヤカワSFシリーズ)に収録(「あるいは牡蠣でいっぱいの海」常磐新平訳)。
4.は未訳短編。どういう話かひと口で説明しがたいけど、異様なイメージがよろしい。
5.は未訳中編。これとほぼ同じアイディアの日本SF短編があるはずだが、著者もタイトルも思い出せない。たいへんおもしろく、傑作だと思う。
えーっと(……と計算して)これで200枚くらいか。まだまだ入るな。もうちょっとあさってみるか。(1)の条件から「どんがらがん」と"Polly Charms, The Sleeping Woman"を収録できないのは、まことに残念。
2004年3月25日
アルジス・バドリスの短編選集を日本で出すのは「現在の状況では難しい」と思うけれど、選べと言われたら、こんな感じか。Budrys' Infernoを読了していないので、暫定版だが……。
1. "The End of Summer" (1954)
2. "Silent Brother" (1956)
3. "The Ridge Around the World" (1957)
4. "The Edge of the Sea" (1958)
5. "The Distant Sound of Engines" (1959)
6. "All for Love" (1962)
4.と6.さえ入っていれば、あとはなんでもいいという気もする。
こういうセレクションは楽しいんだけど、いざ実現しようとすると艱難辛苦の連続だし、ほとんど実現しないのが難点ですね。
版権の問題は1970年12月以前ならクリアできるらしいので、条件を変更し、アヴラム・デイヴィッドスン選集を再考してみた。
- "The Golem"(1955)
- "Now Let Us Sleep"(1957)
- "Or All the Seas with Oysters"(1958)
- "The Tail-Tied Kings"(1962)
- "The Sources of the Nile"(1961)
- "Bumberboom"(1966)
これでたぶん約300枚のはず(6.「どんがらがん」はけっこう長かった記憶がある)。本の題名も『どんがらがん』のほうがいいかな。
1・3・5・6さえ入っていれば、あとはなんでもいいという気もする。前半は短編で固め、最後に5と6の傑作中編2連発で締めるといいのではないか。