2004年7月1日

 アヴラム・デイヴィッドスンの短編は手に入るかぎりあらかた読みつくしたから、『どんがらがん(仮)』(河出書房新社〈奇想コレクション〉第2期刊行予定)について、いろいろ考えてみる。

 収録作品はこれでほぼ決定だと思う。ストレートな短編も変な短編も入っているから、バランスもまあまあいいだろう。
 ときどき「"Dagon"や"Basileikon: Summer"や"Hark! Was That the Squeal of an Angry Thoat?"や"While You're Up"といった奇妙奇天烈な短編を入れたい」という欲望に駆られるのだが、たぶん翻訳者が逃げちゃうでしょう。わたしも訳せないよ、こんなの。世の中には混同している人がいるようだけど、読むのと訳すのは全然違う作業だからね。
 実を言うと、"Naples"もちょっと心配なのよ。世界幻想文学大賞受賞作であるにもかかわらず、いまだに翻訳されていないその理由は……お願いですから誰か訳してください。

 エステルハージィ博士、ジャック・ライムキラー、魔術師ウェルギリウスなどのシリーズ短編は収録しない方針。ライムキラー物はまだ読んでいないからわからないけれど、エステルハージィ博士物はThe Enquiries of Doctor Eszterhazyをまとめて読まないと意味がない(1編だけ取り出して読んでもわからない)。

 つづいては順番だが、"The Golem"で始めて"Bumberboom"で締めるというのは決定済み。その他の作品の並べ方は、単純に年代順でいいんじゃないか。後年になるにつれてどんどん変になっていくのがわかるし。
 ただし、"The Power of Every Root"と"The Sources of the Nile"はやや長めだし、"Bumberboom"と同じく物語性で読ませる話なので、最後にまとめたほうがいいと思う。

 書名は『どんがらがん』希望だが、版元の意向もあるだろうから、とりあえず仮題ということで。インパクトのある書名だとは思う。

 帯にはぜひ「ヒューゴー賞、MWA賞、世界幻想文学大賞、EQMM短編コンテスト最優秀賞受賞!」と入れてほしい。編者の名前なんかより、よっぽど読者に訴求力あるから。

 さて、目次職人仕事は終わりにして、そろそろアヴラム・デイヴィッドスン以外の小説も読もうかな。


2004年7月20日

 藤原編集室の業務日誌より引用。

グラディス・ミッチェルのゲラ読みを再開。
晶文社ミステリは、次回がこの 『月が昇るとき』 で、次がA・B・コックス 『プリーストリー氏の問題』。
イーリイやスタージョンの第2集は来春ということになりそう。

 へえ、The Rising of the Moonが翻訳されるんだ。わたしも一応読んだけど、ブラッドベリみたいな雰囲気で、けっこうおもしろかったから、おすすめしますよ。ちょっとショタ入ってるし、女性向けかもしれない。