目覚めのとき
土の中に隠れて早幾年
人の足音ばかり聞いて育った
長い迷路を手探りするうち
自分の非力さに打ちのめされた
誰もに未来があり
小さなきっかけで
巡り合える時が来る
暗いトンネルで彼は言っていた
俺たちの未来はそう長くないと
誰もに未来があり
人は夜明けを待つ
しかし明日は来ない
──未だ来ない
人は誰かになれる
世界が回るうちに
季節が廻るうちに
いつの間にか芽生えて飛び立ってゆく
川の底に潜んで息を止める
水の流れには為す術もなかった
天井から見張られているうち
言いようのない悲しみを覚えた
誰もが通りかかり
何かを感じ取り
やがてここを立ち去る
柱の影で彼は泣いていた
表の世界ではやっていけないと
誰もが通りかかり
ふと足を止める
知らぬ雑踏の中
──雑に踏み込む
人は誰かになれる
世界が回るうちに
季節が廻るうちに
目を離した途端に飛び立っている
人は誰かになれる
世界が回るうちに
季節が廻るうちに
未来の姿は誰にも分からない
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