/☆Go Back☆/

S&M series
犀川創平&西之園萌絵シリーズ









すべてが になる
The Perfect Insider

1996/4/5に発行され、現在第24刷です。
1998/12/15に講談社文庫になりました。(現在第63刷) 解説:瀬名秀明
文庫は、43刷からカバーが新しくなりました。
 この作品が出版された最初のもので、95/12に書きました。もともとは、犀川・萌絵シリーズの5連作として書き上げた作品群の第4作目にあたります。つまり、「詩的私的ジャック」のあとに書いたのですが、出版社の意向で最初に刊行されました。このため、当初の原稿を変更して、「冷たい密室と博士たち」よりもまえに起こった事件となり、西之園萌絵が大学1年生になってしまったわけです。最初の設定より過去にバックしちゃったんですね。
 作品に関しては、大した入れ込みはありませんが、トリックが少し際疾くて変わっているかもしれませんね。巷では、これをSFミステリィと勘違いしている人もいるようです。まあ、SFっぽいのは認めますけど。森はSFというものを1冊も読んだことがないので、的確な判断はできませんが、結局は、読者がどう感じようが自由でしょう。人間いろいろなタイプがいるということです。しかし、この小説に登場するテクノロジィは、1994年くらいのレベルで、けっしてSFではありません。今はもっと進んでいるはずです。  この作品で、割に活躍した儀同世津子は、5作目「封印再度」にも再登場します。今年末には文庫化される予定ですが・・、もちろん、どうなるかわかりません。





たい 密室 博士 たち
Doctors in Isolated Room

1996/7/5に発行され、現在第12刷です。
1999/3/15に講談社文庫になりました。(現在第47刷) 解説:太田忠司・西澤保彦
文庫は、40刷からカバーが新しくなりました。
 95/9、夏休みに書いた正真正銘の処女作です。大学の中を舞台にして周囲の人たちをモデルにしたので皆さんから詮索されました。犀川も西之園もすべて実在の友人の名前を借用しています。構想3日、執筆2週間です。他の作品はだいたい執筆に3週間前後かかっていますので、この作品だけ速かったということです。
 最も描きたかったのは、のうてんきな被害者です。また、この5連作では、犀川と萌絵の成長がテーマとなっていますので、「すべてがFになる」と比べて人物が少し変わったなんて言われると、そのとおりです、というしかありません(以後、もっと変化します)。
 UNIXの侵入に関しては、詳しく書かなかったし、適当です。そのことで、いろいろな指摘をいただきました。でも、あんまり詳しく書くと問題でしょう?
 そうそう、船見君という学生の姓を使わせてもらったんですが、彼のお母さんが偶然にも船見真智子さんで、漢字まで同じだそうです。なかなか神様も洒落てますね。なお、極地研というのは、架空のセンターで、実際のN大学には存在しません。
 キャラクタ設定がここで行われている、という意味しかない作品です。意外にもマニアうけしました。





わない 数学者
Mathematical Goodbye

1996/9/5に発行され、現在第12刷です。
1999/7/15に講談社文庫になりました。(現在第51刷) 解説:森毅
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 犀川、萌絵シリーズの第3話で、95/10に書きました。いつも英語のタイトルをさきに決めますが、日本語のタイトルではめいっぱい悩みます。これもそうでした。この英語タイトル、どう訳したら良いでしょう?
 お話は最初の「すべてがFになる」から一年半後になります。場所は三重県の青山高原ですが、あまりしっかりと記述していません。実名で友人が2人登場します。
 天才数学者の館「三ツ星館」が舞台です。実はその建物の断面図まで決めていたのですが、専門的になりますので結局はカット。こんなシンプルな住居に住みたいものです。
 さて、この作品は、最も、ミステリィファン以外の方に向いているでしょう。5連作の中で1冊読むならこれにして下さい。5連作の中でもっとも自分の納得のいく作品だからです。
 北村氏より頂いた凝った推薦のとおり、トリックは簡単で、誰でも気づくものです。意図的に簡単にしたのです。しかし、トリックに気づいた人が、一番引っかかった人である、という逆トリックなのですが、その点に気づいてくれる人は少ないでしょうね。でも、少なくとも北村氏は気づいたのですから、森としては、これでもう十分です。
 算数の問題について、沢山のハガキが寄せられました。この謎も意図的に残したものです。
 蛇足ですが、何故、「笑わない数学者」というタイトルにしたのか・・、それが逆トリックのヒントです。





的ジャック
Jack the Poetical Private

1997/1/5に発行され、現在第12刷です。
1999/11/15に講談社文庫になりました。(現在第50刷) 解説:菅聡子
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 書いたのは95/11。イージーリスニング的な作品だと自分では思っていますが、読者がどう感じるかは未知。以前、漫画で「詩的私的素敵」という作品を書いたので、そのタイトルにイメージを重ねています。
 連続・密室・猟奇・殺人でしょうか? はは、よくわかりません(少なくとも猟奇ではないですが)。本物のN大の生協委員のインタヴューに答えたとおり、N大祭が出てきます。この他、塩釜口に実在する某私大(本当はM大ですが、T大としました)、それに地元の某女子大(これは、そのままS女子大)を少しだけ舞台にしています。S女子大では森は非常勤講師をしたことはありませんが、一度だけ、そこで「親と子の建築セミナー」という催しをして、教室で講義をしたことがあるので、勝手にロケーションを使いました。森の奥様(スバル氏)はこの作品が5連作の中で一番面白いとおっしゃっています(たぶん、一番簡単だから?)。
 ロックスターが出てきます。森自身は、音楽と言えばハードロック、プログレッシブ(今でも言うのかな?)しか聴かないので、このお話も少しだけ地が出ます。講談社の唐木さんは、「笑わない数学者」と「鉄鼠の檻」が禅で、「詩的私的ジャック」と「絡新婦の理」が女装。この関連は何故か、なんて真剣に悩んでましたが、たぶん、それは偶然だと思います。推薦は、本物のN大出身の大先輩、辻真先氏からいただきました。「封印再度」のまえに読まれることをおすすめします。






Who Inside

1997/4/5に発行され、現在第12刷です。
2000/3/15に講談社文庫になりました。(現在第43刷) 解説:池波志乃
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 これは、「F」が発行になる直前、1996/2に書いたものです。5連作の最後、一番長い(字数が多い)お話です。おそらく、読者から非難轟々の反響が予想されます(なんて思っているのは作者だけでしたね。今のところ、幸いなことに非難は受けておりません)。タイトルで期待してる方が沢山いたのです。それは、「Dr.S.M.が再登場する」という噂でした。英語のタイトルの、InsiderとInsideがダブっているからでしょうか? さて、どうなんでしょう?
 ご紹介と言いながら、内容を詳しく書けないのがミステリィの宿命ですね。難しい・・。
 4作目の「詩的私的ジャック」の半年後の年末からお話は始まります。萌絵の叔母様が初登場です。あと、刑事さんは4作目の鵜飼さんが大活躍かな。舞台は岐阜県の明智町の旧家で、またまた密室ものです(別に自分としては密室ものにこだわってるつもりはないのですが)。さて、この5連作を「理系」ミステリィとまだ呼ぶのでしょうか? 本作品こそ、「禅」をテーマにしたんですが、はは、どうも意図しない方向へ・・。いやいや、外していないはずです。十牛図も、鉄鼠の檻とバッティングしちゃったけど・・、まあ、いいや。そんなこんなで(どんなの?)京極夏彦氏より推薦を頂きました。こちらこそ、ごちそうさまでした。





幻惑 使途
Illusion Acts Like Magic

1997/10/5発行され、現在第11刷です。
2000/11/15に講談社文庫になりました。(現在第44刷) 解説:引田天功
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 1996/7から1996/8にかけてに書いた作品です。長編6作目になります。本作から以下の5連作も犀川創平・西之園萌絵のシリーズで、テーマ的には「名前」でしょうか。また、本作は次の「夏のレプリカ」と微妙な2連作となっていますが、あまり期待しないで下さい。何も仕掛けはありません。素直に同時進行している、というリアリティなんです。
 さて、舞台は那古野市内。偉大なマジシャンが登場します。しいて言えば、「死体消失」トリックものかなあ・・。仕掛けが大きいほどつまらない、ということを一つパロディにしています。それから、一つ隠しネタもあるんですが・・。表紙の折り返しのところにあるイラストは森が書きました。このシリーズから全作、イラストと詩がおまけでつきますよ(無理があるなあ)。





レプリカ
Replaceable Summer

1998/1/7に発行され、現在第10刷です。
2000/11/15に講談社文庫になりました。(現在第42刷) 解説:森浩美
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 この作品も1996/8に書き上げました。この長編7作目は、「孤独な数字の7にちなんで」ちょっとだけ異色だと思います(笑)。誘拐事件を扱っていますけど、もちろん殺人事件になります。舞台は那古野市北部、犬山と、長野県の駒ヶ根です。長編6作目の「幻惑の死と使途」は対になっていますが、特にどうという仕掛けはありません。まあ、一種のリアリティを書きたかっただけです。一応、切り放せない2連作ですね。同時に読むこともできます(前作が奇数章、本作が偶数章で構成されているので、通して読むと、ほのかに面白いと思われます)。




もう ない
Switch Back

1998/4/5に発行され、現在第12刷です。
2001/3/15に講談社文庫になりました。(現在第43刷) 解説:土屋賢二
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 1996/11に書きました。長編8作目もたぶん異色でしょう(自分で言っていると、どんどんわからなくなりますが)。異色異色といっているうちが華という気もします。密室・山荘ものとして書きましたが、どうも失敗(つまり、密室・山荘ものではない?)しましたね。はは、もう全然わかりません。ひょっとしてパロディだったのかな。だいたい、ミステリィに対して予告を書くこと自体、初めから無理があったといって良いでしょう。お話の舞台は岐阜県郡上八幡の北部ですがしっかりとは記述されていません。タイトルのインパクトをセーブして効果を狙っているのですが・・。テーマは「伝達」ですね。




数奇 にして 模型
Numerical Models

1998/7/5に発行され、現在第10刷です。
2001/7/15に講談社文庫になりました。(現在第35刷) 解説:米澤嘉博
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 1997/3に書き上げた長編です。今までで一番長くて約32万文字。原稿用紙にすると1000枚以上になると思います。首切り殺人で、やはり密室もの。しかし、実のところは、推理ものというよりも、ハードボイルド、いや、ハーフボイルド? それでも、違うっていわれそう・・。とにかく、これまでで一番猟奇ということは間違いないでしょうか。えっと、一部で人気のH.K.助教授がフル出演です。待ち望んでいる方がいらっしゃいますが、さて、どうだったでしょうか。儀同世津子、金子勇二、牧野洋子などなど、レギュラ陣も出番が多いですね。さて宇山編集長お気に入りのラストですが、これはちょっとわからんよ、という声も大。別に良いのであります。100%の人に100%の内容が伝わるわけではありませんからね。なあんて脅かすのはやめましょう。今回の舞台はM工業大学。JR鶴舞駅近くの公会堂、そして大学病院、などなど。マニアックな一冊となるでしょう。




有限 微小 パン
The Perfect Outsider

1998/10/5発行され、現在第11刷です。
2001/11/15に講談社文庫になりました。(現在第31刷) 解説:島田荘司
文庫は、2011年秋より順次カバーが新しくなりました。
 1997/6に書きました。長編10作目にして、シリーズ完結編。シリーズ最長の約40万文字。ノベルスで600ページを越えてしまいました。そして、またまた、お約束のように、そう・・、密室ものです。舞台は一気に南下して長崎のテーマパーク。雰囲気は何故かサイバーですね。レギュラでは、国枝桃子はもちろん、儀同世津子、牧野洋子、金子勇二、浜中深志が登場しますし、前作に登場の反町愛も大活躍。キーワードは、ロールプレイングゲーム、地下の研究所、ロボット、コンピュータ、ヴァーチャルリアリティなどなど。いろいろ出てきますが、お話の中では僅かに3日間の出来事。なのに、どうしてこんなに長くなったのでしょうか・・。まあ、一番書きたかったのは、歴史上最も被害者の近くにいた目撃者、ですね。


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