ISO 13485 Drafting Group Meeting 報告

GHTF-SG3 & ISO 13485 Drafting Group Joint Meeting2.開催地:
カナダ、オタワ市 (Government Conference Center)3.開催期間:
2000年 9月18 - 20日4.出席者:
日本からの出席者:三浦氏 (GEYMS) & 村山5.議長
Ms. Kimmberly A. Trautman (FDA)6.主な当日配布資料:
- ISO/FDIS 9000 : 20007.討議概要:
- ISO/TC176/SC2/N524 Guideline on ISO 9001 : 2000 clause 1.2 "Application"
- ISO/TC176/SC2/N525 Guideline on Doc. requirement of ISO 9001 : 2000
- ISO/TC176/SC2/N526 Guideline on the terminology used in ISO 9000/9001/9000
- ISO/TC176 N299R3 (8 July 2000) Proposed ISO/IEC Policy for the development of sector documents related to ISO 9000 standards.
- ISO 9001:1994 & ISO/WD2 13485 (Interim) Comparison Table
7.1 ISO 13485:2002 改正関連8.次回会議:(1) ISO TC176 Kyoto Meeting 報告
Mr. Landry、Mr. Kimmelman、Ms. Trautman、三浦さんより ISO TC176 京都会議の報告がなされた。(2) ISO/WD2 13485 作成の基本方針
・Customer satisfaction / Countinual improvement は削除(3) Customer satisfaction について
・その他は可能な限り ISO/FDIS 9001 : 2000 の要求事項を採用する。
・Statutory という用語は削除
・要求事項の適用の除外のオプションは削除。設計管理を適用しないISO 13488 を別に残す。
・ISO 9001:1994 に入っていて ISO 9001:2000 にて省略された要求事項は、ISO 13485:2002 の特別要求事項として(なるべく)入れる。
※ 上記、基本的には Deerfield Meeting のWD1の合意事項と同じ
ISO/FDIS 9001 : 2000 で Customer satisfaction の要求事項と定義が TC210 の意見をある程度、反映させた形に変更されたことにより、ISO 13485 : 2002 で Customer satisfaction 要求事項の可否を再度討議した。結論として Customer satisfactionの用語自体を使用しないことになった。8.2.1のタイトルを変更した。但し、8.2.1 の要求自体は残された。(4) Continual improvement について- 8.2.1 : タイトルを Customer feedback に変更する - 5.2, 6.1 b), 8.4 a) 等の項で Customer satisfaction という言葉が出てくるが、全て削除するか Customer feedback に置き換える
ISO/FDIS 9001 : 2000 で Continual improvement の要求事項と定義が TC210 の意見をある程度、反映させた形に変更されたことにより、ISO 13485 : 2002 で Continual improvement 要求事項の可否を再度討議した。結論は Continual improvementの用語自体を使用しないこととした。(5) Statutory について- 8.5.1 : The organization shall identify and implement any improvement to ensure the suitability and effectiveness of the quality management system through the use of the ... に変更
- 4.1, 5.1, 5.3 6.1, 8.4 等の項で Continual improvement という言葉が出てくるが、全て削除するか他の言葉にに置き換える
- 各セクションの Statutory の用語を削除(6) ISO 9001:1994 と ISO 13485:1996 要求事項について
ISO 13485:1996 の特別要求事項は ISO 13485:2002 の適切な項目に全て入れる。またISO 9001:1994 の要求事項で、ISO 9001:2000 では省略されたものについても ISO /WD213485:2002要求事項として入れる。(7) ISO 13485:2002 改訂の日程(Plenary で報告されたもの)例1:各項目での「文書化された手順」の作成と維持
例2:ISO 9001:1994 4.1.2.1 a) - d) の内容が ISO 9001:2000 5.5.1 で省略されているので ISO 13485:2002 の要求事項として追加。
- Dublin meeting 2000/12 : WD27.2 その他情報
- Tokyo TC210 meeting 2001/04/9 - 13 : WD2 → CD1
- Barcerona GHTF 2001/10/11 - 16 : CD → DIS
- ISO TC210 20002/09 ? : DIS → FDIS
- 2000/04 : FDIS → Final
(1) ISO 13485 の欧州規格化
ISO 13485 が 2000/09 に欧州規格「EN ISO 13485」として承認された旨、Mr. Dorman-Smith より報告された。EN規格の発行(Publish)はメンバー国より「DIN EN …」などの形で行われることになるが、近日中に発行される見通し。この後、欧州整合規格(Harmonized standard)に登録されると ISO13485によりMDD Annex II or V の認証が可能となる。欧州整合規格への登録は時間の問題だが、時期はまだ不明。3年間の移行期間の後、2003/09 に EN 46001 は廃止される。(2) Canadian Medical Devices Reglation
2001/07 に予定されていた Canadian medical devices regulation の ISO 13485/13488 certificate 要求事項の施行が1年程度延期される見通しとの情報があった(Study Group 4)。
日程: 2000/12/12 - 14 or 159.補足、解説 & 個人的感想:
場所: Ireland Dublin
位置づけ: GHTF SG3 & ISO 13485:2002 drafting group 合同会議
目的: ISO/WD2 13485 を完成させる
・ ISO/TC176 京都会議において、ISO/FDIS 9001において「顧客満足」「継続的改善」の要求事項や定義が大幅に見直され、TC210 の主張に近い形になったことを受けて、Deerfield 会議に引きつづき、今回の会議でもISO(WD2) 13485 の改正方針についての議論を行った。・ ISO/TC176京都会議に出席した Mr. Kimmelman、Mr. Landry、Mr. Hultsten は医療機器セクター主張を受けて要求事項や定義が大幅に見直されたことにより、ISO/FDIS 9001 の要求事項ををそのまま受け入れて良いという主旨で意見を述べた。その一方で、それ以外のメンバーからは「顧客満足」「継続的改善」が法的査察で使用される規格の要求事項に入ることの問題の大きさを指摘する意見が相次いだ。特にMs. Trautmanは、行政当局(FDA)には顧客満足の査察をする Authority はないということを強硬に主張する立場をとった。挙手を行ったところ京都会議メンバー(三浦さんをのぞく)3名は ISO/FDIS 9001受入れに賛成、それ以外は全員反対という明確な色分けで反対派が多数を占めた。結論としてこれらの用語は削除された。(日本の主張通り)
・ "8.2.1 Customer Satisfaction" について、項目名称は "Customer Feedback" に変更されたが、「顧客の perception の情報をモニターする」という要求事項は原文のまま残された。その点は疑問をもった。8.2.1は要求事項はそれ自体が Raising up the bar であり、タイトルだけを変更するのではなく要求自体を適用しないこととするのが、本来のスジと思われるためである。会議でもそのように主張したが、また機会があればコメントとして「顧客の perception の情報をモニターすることという要求事項はRaising up the bar である」という意見を出して行きたいと思う。但し、TC 176との摩擦を最小限にするための政治的な選択としては現実的な案なのかもしれない。
・ ISO/FDIS 9001 では、ISO 9001:1994 の要求事項の具体性がかなり失われている。そのため、ISO 9001:1994 の要求事項で、ISO/FDIS 9001 :2000 で失われている、あるいは不明瞭になってしまっている部分がかなりある。そういう要求については ISO/WD2 13485 の中で入れて行くという方針が確認された。その代表的なものは「文書化された手順」の作成、維持である。これは「現在、認証を取得している製造業者としては既に対応している要求事項」が残されるということであり要するに現状維持である。Raising up the bar ではないためそのこと自体は問題ないと思っている。
但しISO 9001:1994 の要求事項(で失われたもの)を復活させる作業は、予想以上に詳細に行われ医療機器の特性には特に関係がない「追加要求事項」の分量がかなり多くなってしまった。そのため医療機器の品質システムの規格としてのバランスの点からは奇異な印象を与える可能性がある。全体をレビューしなおしてやはり多すぎるようであれば削減するべきという意見を出して行くべきかもしれない。
・ 規格を Stand Alone にするかどうか、要求事項の削除が認められるかどうかについては、ISO TC176 との調整が今後必要である。GHTF Plenary ではその点について、TC 210 議長の立場でMr. Robert Allen が「私としては楽観的である」とのコメントをしていた。補足をすると、昨年の12月にLondon MDAを訪問した際、直接Mr. Allen の意見を聞いたが、そのときも「楽観的」と言っていた.。但し Mr. Allen の言った「楽観的」という言葉は、少なくともその際には「TC 176 に TC 210の主張を伝えた上で、友好的に、最善の解決策を決めるための話し合いを進めることができるということについて、楽観している」というニュアンスであったと記憶している。決してTC 210 の主張を通すことができるはず、という意味ではない。話し合いの結果「ISO 9001 要求事項の削除はしない」という結論になる可能性も大いにあると思う。
・ そういう中でもし「顧客満足」「継続的改善」が、結果として残されることになってしまった場合、各国の行政当局が検討をするなかで「ISO 13485の要求事項は行政として査察できる権限を超えてしまっている」という判断につながるかもしれない。Trautman女史は「少なくともFDAとしてはそうである」と言っていた。その理由で、改正され顧客満足を含んだ ISO 13485 が法的査察に使えないということになるとグローバルな整合推進の観点では大きな懸念事項である。
・ ISO 13485:2002 の発行時期を可能な限り早い時期にして移行期間を充分とる必要がある点を会議のなかで主張し、またMr. Kimmelman、Ms. Trautman のキーパーソンには個別に議論した。両者とも基本的には同意してくれた。少なくともその重要性は理解されたと思う。が、その一方で、期間短縮をするためには、ISO を制定するための複雑な手順や、事務局の手番の長さがアタマが痛いという本音の話にもなった。
・ Plenary でのSG3 議長報告では、ISO 13485:2002 を早期に発行し移行期間を充分確保することの重要性を強調しながらも、パワーポイント画面で示した発行時期は 2003年 4月となっていた。2003年末に ISO 9001:1994 が無効になることを考えるとこれでは遅いと思う。日程を少しでも早くする努力の重要性を引きつづき主張して行きたい。もちろん人ごとではなく、日本としても、ドラフト作成への参画、ドラフトの質を向上させるような(本質的な)コメントの提出、コメントの審議への参画というような貢献を積極的にしていく必要性を痛感している。
・ なおSG3においては、当面ISO 13485 の改正のための作業を最優先として、品質計画、リスクマネジメントのドキュメントは当面棚上げされた状況になってしまっている。今回も討議は行われなかった。これらの作業はかなり遅れると思われる。但し、重要性を天秤にかけて判断すると、やむを得ないところであろう。
以 上