中之屋のそば畑

中之屋のそば畑
今ではあまり見かけることのなくなったそば畑ですが、中之屋では、毎年雪解けから雪が積もるまで、毎日店が閉まると畑の手入れをします。

雪解け後は積もった雪で痛んだハゼの補修や雪解け水で流された土の手入れ、そして春の種まきの準備です。 そばの種を蒔いてからも、成長の様子を見て歩きます。
そばが実ると、家族全員で刈り入れ。そしてハゼ架け。 そばの実が乾燥すると「そば打ち」して収穫します。 収穫後も来年のための準備をしたり、畑の周囲の日陰を作る木を伐採したりして、一年が過ぎます。

中之屋は創業以前よりそば農家です。米のとれない乗鞍高原は古くから盛んにそばが作られており、山を切り開いてはそばを蒔き、切りだした木で炭を焼く、気候の厳しい環境での生活の知恵でした。 すべての作業は家族総出、今でも子供たちの10月のお休みはそば刈り休みと言ったりします。

畑仕事 1 やまのくち

中之屋 そば畑

梅雨の雨で良く育った楢の木の葉っぱを刈り集めます。

中之屋 そば畑

これがそば畑の重要な肥やしです。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

刈り取った楢の葉っぱを畑の畝に敷いていきます。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

全ての畑に楢の葉を梳き込むには、
沢山の葉っぱを必要とします。

やまのくち とは

そばを育てる為に昔はこのように楢の葉っぱを畑に梳き混んでいました。楢の葉を入れてやると粘りのあるそばができます。 それで昔は楢の葉を沢山必要としました。

 多くの人がバラバラに楢の葉を刈り集めると混乱が起きますので、乗鞍高原(大野川区)では、 毎年区長が楢の葉の成長具合を見て刈り取りの日を決めていました。 大野川区の黒板に「6月○○日 やまのくち」と書いて公表します。 その日は午前0時をすぎると住民は山に入り、一斉に楢の葉を刈り取り、畑に背負い降ろします。 子供達は、大人達が降ろしてきた楢の葉を畑の畝に敷き込みます。家族総出の重要な仕事でした。

 今は「やまのくち」の習慣もほとんど絶えてしまいましたが、楢の葉をそば畑に敷き込むことは、 時代を超えて美味しいそばを作るためには重要なことですので、私たちはやり続けています。

畑仕事 2 種まき

乗鞍高原 中之屋 そば畑

種まきも家族総出の作業です。 元肥とそばの種を持ってきて開始です。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

元肥を蒔く係。 種を蒔く係。 種に土をかぶせる係それぞれ準備万端

乗鞍高原 中之屋 そば畑

婆ちゃんが、年季の入った手さばきで、種を蒔きます。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

声を掛け合いながら、作業は進んでいきます。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

蒔いた種に優しく土をかぶせます。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

そばの苗が顔を出しました。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

高原の日差しと、「やまのくち」で鋤込まれた楢の葉の養分ですくすくと育っていきます。

乗鞍高原 中之屋 そば畑

畑の中では、ハゼが秋の出番を待っています。 そばの花から収穫は次のページでご紹介します。。

仕事終わりに畑から見る乗鞍岳です。

乗鞍高原 中之屋 そば畑
   「 朝、虹出たら あの山登れ
               夕 虹出たら あの山登るな 」
子供のころから聞かされている乗鞍の決まりのようなものです。
中之屋の行事は、この山なしでははじまりません、山の雪の状態を見て種をまき、雲を見ては明日の予定を組みます。 乗鞍岳の恩恵を存分に受け水車や畑、何より生活して行けることを感謝しています。