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スピーカーネットワークの設計 Ver.1.12
Welcome to Speaker Network Design Room!

エクセル版 スピーカーネットワーク回路設計表を作成しましたのでご利用下さい。
スピーカー数は2way〜4way、回路特性は6dB/oct〜24dB/octと豊富です。
この設計表は電気回路の計算で作成した純理論値であり、実験値ではありません。
Win7とエクセル2010、WinXp/Meとエクセル2000の組合せで動作確認済です。

スピーカーネットワーク回路設計表 改訂2014/04/10

応用例1 改訂2014/05/21     応用例2 改訂2014/05/21

スピーカーネットワーク回路の解説

スピーカーネットワーク用部品の知識

2wayスピーカーネットワーク回路図

3wayスピーカーネットワーク回路図

4wayスピーカーネットワーク回路図

スピーカーネットワーク用部品計算表


上記のデータの圧縮ファィルをダウンロードする。(同一フォルダに解凍)
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【電気回路理論からみたスピーカーネットワーク回路の設計】
スピーカーネットワーク回路は電気回路としては非常に簡単な構成ですが、スピーカーシステムの
品質に与える影響は大きく、また現在の設計思想やメーカー製を含めたスピーカーシステムの現
状に少なからず疑問を感じる点が幾つもあります。重箱の隅をつつくような想いですが現代の先
進の電気業界にあって電気理論から取り残された数少ない分野なのではないかと感じております。
この原因のひとつはスピーカーのインピーダンスを純抵抗として計算する事に疑問を感じて理論を
軽視してしまう事です。もうひとつは、音響は芸術の分野ともいえる為聴覚の卓越した専門家の意
見が優先されるので、一部の場面では理論が無視される為です。しかし全ての場面で理論を優先
すべきものではなく、理論的な道筋を見失った時、聴覚で解決した方が近道である事もあります。
しかし私が敢えて言うまでもなく、オーディオの世界にとって電気回路理論は目的地の近傍まで案
内してくれるカーナビのような存在であり、決して軽視すべきものではありません。私が電気理論の
見地から感じるスピーカーネットワークの設計について要点をまとめてみました。なおこの文章の
内容は添付の文書の趣旨を抜粋したものです。
1.ネットワークの理論計算でのスピーカー抵抗は交流抵抗であり直流抵抗ではありません。
スピーカーのインピーダンスはメーカーから公称インピーダンスとして4Ωとか8Ωというようにカタ
ログに記載されております。ネットワーク回路の理論計算を行う場合スピーカーのインピーダンスが
純抵抗でなければ計算式が複雑になって計算が困難になり、スピーカーシステムとしても周波数
特性の凹凸が大きくなるので好ましくありません。従ってインピーダンスが純抵抗と近似しても矛盾
がない範囲の周波数を再生範囲として選ぶ事になります。但しこれはマルチウェイスピーカーの場
合の事であり、フルレンジの場合はインピーダンスが乱れていても出力レスポンスが良ければ気に
せずに使用します。ここで言う純抵抗とは交流抵抗で直流抵抗ではありません。交流抵抗は直流
抵抗より10〜30%大きい値なので直流抵抗で代用するのはあまりにも無頓着な話です。交流抵
抗には直流抵抗の他に放射抵抗(スピーカーボックスに取り付けた時のもの)、渦電流損などが含
まれます。インピーダンス=交流抵抗+LCのリアクタンスですからLC成分がゼロなら交流抵抗は
インピーダンスと等しくなります。従ってインピーダンスの極小値(公称インピーダンス)を交流抵抗
と考えてよい事になります。このような仮想的な交流抵抗の事を実効抵抗といいます。
2.出力の周波数レスポンスは低音では電圧が重要であり、高音では電力が重要です。
フルレンジスピーカーには電圧と電力の差異ができませんが、マルチウェイスピーカーの場合、各
スピーカーの電圧に位相差が発生して合成電圧のレスポンスが電力のレスポンスと違いが発生す
る場合があります。低音の場合は波長が長いので音場の位置による位相差が小さくなります。従っ
て合成電圧が音圧に比例すると考えられる為、合成出力電圧が平坦である事が重要です。高音の
場合は波長が短いので音場の位置による位相差が大きくなります。従って合成出力電圧のレスポ
ンスが平坦である事はスピーカーの軸上の一定方向だけ音圧が平坦になる事であり角度が違うと
位相差が変わって音圧が変わってくる事になります。従って音場の出力レベルは出力電力に依存
する事になります。間違ってもツィーターの取り付けを1cmずらして位相をあわせるという無駄な努
力はしない方が良いでしょう。ネットワークの出力レスポンスとしては電圧も電力も平坦である事が
望ましい事は間違いありません。
3.ネットワーク回路の入力インピーダンスが一定抵抗である事が重要です。
オーディオアンプの入力に一定電圧を加えた時出力は周波数に関係なく一定電圧であり、定電圧
源となります。余談ですが定電流源の場合には、内部抵抗が無限大に近い為ダンピングが悪く音
質が良くありません。定電圧源に定抵抗を接続すると一定の出力電力になります。もしネットワーク
の入力インピーダンスが周波数によって変動すると出力電力も変動し、入力電流も変動して出力
特性は平坦でなくなります。
4.ネットワーク回路のクロスオーバー周波数を低くすると位相歪もコストも高くなります。
クロスオーバー周波数を低くとるとネットワーク部品の定数が大きくなるので、大形の部品が必要に
なりコストが高くなり、位相変化が大きくなり歪みが増加します。従ってネットワークのクロスオーバー
周波数は必要以上に低くする事は良くありません。
5.スピーカーネットワーク用コイルは空芯の特性トクセイが良コウです。
磁性体を使用した鉄芯入りコイルは小型になって直流抵抗を下げる効果がありますが、B−Hカーブ
の非直線性による歪が増加するので音質的には良くありません。特に閉磁路鉄芯コイル(トロイダル
コア、E−Iコア、U−Uコア等)は歪が大きいのでネットワーク部品には不向きです。一方開磁路鉄芯
コイルは構造が空芯に近いので大型のフェライト鉄芯入りなら使用可能でしょう。もしインダクタンスを
計測する手段をお持ちでしたら空芯コイルの自作をお勧め致します。特に整列巻きにする必要はなく
片手に巻き付けたものでも性能に変わりはありません。ただ形状の安定性が必要なのでテープ巻き
にするとかワニスや接着剤で固めるとか処理した方が良いと思います。
6.スピーカーネットワーク用コンデンサはフィルムコンデンサが最適サイテキです。
超高級スピーカーシステムを除いてネットワーク用部品には開磁路珪素鋼板入りコイルと電解コンデ
ンサを用いるのが一般的です。しかし電解コンデンサは周波数特性が悪く1kHz以上ではコンデンサ
としての働きはあまり確実ではありません。低温になると静電容量誤差と周波数特性のダブルパンチ
で信頼性は良くありません。電解コンデンサの使用は低音用だけに留め中音以上はフィルムコンデン
サの使用をお勧めします。フィルムコンデンサは100kHz以上まで安定した特性が期待できます。
7.ネットワーク回路の性能は6dB/octと18dB/octが良好です。
スピーカーの裸特性が良ければ6dB/octネットワーク回路が非常に優れています。位相歪が無く、
従って過渡波形に対しても忠実に伝達します。補正が必要な場合でも位相歪の量は小さく押さえる事
が可能ですが、3〜4wayの場合中音域のみ分けが明確でなく低音、高音のスピーカーからも中音
が聞こえる事になります。スピーカー特性の周波数シュウハスウ変化ヘンカオオきく帯域外の出力が大きい場合には位
相歪がえますが18dB/octネットワーク回路が適しています。中音域の住み分けは明確になる替
わりに位相歪があり過渡波形に対する忠実性はありません。しかし高品質伝送のCCIR基準と照合し
て問題にならないレベルですので、ネットワーク回路の選択は好みによって分かれるでしょう。
8.クロスオーバーの位相差は90度で特性が最良になります。
18dB/octおよび24dB/octネットワーク回路はスピーカー電圧の位相差は約270度あり、同相接
続で問題なく平坦な周波数特性を得る事ができます。しかし片方のスピーカーを逆相接続にして位相
差を約90度にすると平坦な周波数特性のまま位相歪をかなり低減する事ができます。
この事はエクセル版スピーカーネットワーク回路設計表で確認する事ができます。スピーカーの補正@
のシートのクロスオーバー周波数のデータを全て消去し、スピーカー補正後の極性データを入力します。
2wayの場合は低音のみ逆相、3wayの場合は中音のみ逆相にすると良いでしょう。18dB2way型、
24dB2way型、18dB3way型などのシートへ移動してスピーカー補正@〜C加算のセルに1を入力
するとグラフ上の位相歪が減少する事を確認できる筈です。
9.スピーカー補正回路を使用すると位相歪が増加します。
6dB/oct補正回路でも12dB/oct補正回路でも補正回路を使用すると位相歪が増加します。補正
回路に関する説明記事も少ない現状ですから、補正回路を使用した後の影響を解析した記事も見た
事がありません。しかし位相が変化する事は事実なので場合によっては接続極性が反転する事もあり
ますが、自分ジブンコノみの音質オンシツ仕上シアげるのに補正ホセイ回路カイロ非常ヒジョウ有用ユウヨウであるとオモいます。
10.共振型ネットワーク回路のチュウ音域オンイキの計算はバンドパスフィルタの公式を使用します。
従来の計算式ではクロスオーバー周波数の減衰量が正確に設定できませんでしたが、バンドパスフィ
ルタの公式を使用する事により正確に−3dBで交叉させる事ができます。
11.Zin一定型ネットワークは何段重ねてもZinが一定になります。
私が考案したZin一定型のネットワーク回路は任意の段数を重ねてもZinが一定になるので4wayはお
ろか6wayでも11wayでも自由にZin一定のネットワーク回路を設計できます。もっともそんなに多数の
スピーカーが必要かどうかは別問題です。現在までに考案したZin一定回路は6db/octと12dB/oct
の2種類があり各々に直列型と並列型があります。特に6dB/octのZin一定型は特性が良く、電圧特
性、電力特性が平坦で、位相歪がゼロのネットワーク回路がスピーカーの数に制限無く自由に設計で
きます。またZin一定型のネットワーク回路はインピーダンス特性の良さを利用してスピーカー補正回路
テン用すると非常ヒジョウ便利ベンリです。


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