松本便り  大町市が“北アルプス国際芸術祭”をやっています  &  小文:生きるということ
    平成29年 6月16日   第304号   次回更新目標日:平成29年7月1日頃
 松本市の隣が安曇野市、その隣の大町市で、6月4日〜7月30日まで、“北アルプス国際芸術祭”を開催しています。

 芸術祭は大町市内の、4つのエリアに分かれて38人の芸術家が作品を競っています。今回は私の好みから、屋外の作品を見て回りました。“国際”と銘うっていますので、外国の方の参加もあります。以下に興味のあったいくつかをご紹介します。  まず行ったのは―
       
 <写真:左>の、大町市内を見下ろす、私にはお馴染みの鷹狩山です。標高が1167Mあってアルプスの眺望が手軽に楽しめるところです。写真の中には芸術祭の“大町市街地エリア”、その奥に“源流エリア”があります。
 <右>:この素晴らしい眺めを“作品”に取り込み、景色の見せ方がテーマと鑑賞しました。
       
 <左・右>:ですから、古民家ふうの室内の、上下四方を石膏で被い、窓だけを額縁として残しています。床の、うねりのような凹凸が雪原を連想させて面白いのですが、歩くにはかなり用心が必要です。鑑賞時間の調整の工夫もあるのでしょうか。

       
 <左>:八坂村の外国人による竹の造形。高台の道路から自然の中の存在を撮ってみました。
 <右>:造形物は、農道がはさむ土手に作られていました。右に鑑賞中の女性がいます。
       
 <左>:下の農道に下りて見上げました。全部で12体ありますが、絵として8体だけです。
 <右>:元に戻りながらこの造形はなんだろうかと考えました。もしかして家族?

       
 <左>:指定された場所から見た“絆”を象徴する?作品。全部の建物が楕円でつながっています。
 <右>:右奥に赤い小さな屋根の家がありますね。左の写真の赤い家です、今は空き家だとか。この集落には5軒の家があるものの住んでいるのは3軒だけ。で、集落の結びつきを願った作品と説明を受けました。

 その他、面白いものを1枚写真で…
       
 <左>:“国営アルプス安曇野公園”の広い広場が舞台。ロープに結ばれたプロペラがアルプスの風を受けて回っていました。風にも通り道があるのですね。それを教えてくれる作品でした。
 <右>:林の中で枯れ枝を拾って作った枯れ枝の造形。トンネルのように中を歩けるようになっていてお子様が大喜び。芸術祭が終わってもそのままにしておけば自然に土に戻るのもいい考え。
       
 <左>:写真の中央に上がら下に画面を二分する白い直線がお分かりでしょうか。これが作品です。木の上部から勢いよく水を吹き出させて、水の柱を建てたものです。森の中の、同様の水の木は数本、その力強い落下が心打ちます。
 <右>:神社入口の橋にかかる半円の作品。アーチの光が終わると、ご覧のように霧が噴出します。現代版手洗舎?
       
 <左>:中綱湖に浮かぶアートのボート。同様の船が艦隊をくんで浮かんでいました。こうなると芸術とはなんだろうと思います。私はどうしても美しさを求めてしまいますから。
 <右>:長野県宝の“霊松寺”に展示された地元作家による木彫作品。このコーナーでは音楽と照明と読経で一時を過ごすようになっていました。一人坐っていた東京の女性が涙を流していたと作者から伺いました。

 車の誘導もしっかりしていますので、ドライブがてらの鑑賞はいかがでしょうか。でも、乗鞍・上高地もお忘れなさいませんように…。


    小文:古いシナリオから
 乗鞍と松本の二重生活をしていますと、いろいろと厄介なことが出てきます。で、「そろそろ片づけをしましょう…」となって、まず本から始めています。すると整理を始めてすぐ引っかかってしまった本にであいました。タイトルは“ラストソング”、映画のシーンの写真が入った“シナリオフォトストリー”です。その中に素敵なセリフがありましたので、久しぶりにご紹介いたします。

 ――「……一人になってしまうことを、自分が変わってしまうことを、怖がらないで。生きるっていうことは……私もよく分からないんだけど……きっと、今の自分を守り通すことじゃなくて、精一杯生きるということは多分……今の自分を変えることじゃないかな。あたしたちは四十にもなるし、五十にもなるし、六十にもなるでしょう? だけど、いまのまま、ただ四十や五十になっちゃいけないの」

 スターを夢見る二人のロックミュージシャンと、彼らをやさしく見守る一人の女性の青春物語は、四年を経過して大きく変化していきました。三人は『お互いに、相手のつっかえ棒になっている。もたれあったり支えあったり』だったのです。だが、今一人で意思決定をして自分で歩かなければいけないときに来ていると、年上の彼女が諭して言った言葉です。――出演は木本雅弘、吉岡秀隆、安田成美。監督は杉田成道、脚本は野沢尚。
 。
 山田洋次監督の映画“男はつらいよ”はもちろんご存知ですよね。では、その中で寅さんが話す名セリフが出版されているのはいかがでしょうか。私がシナリオを読むのは映画をじっくり理解したいこともありますが、そのような名文句を拾いたいためでもあります。
 どうでしょう、「今の自分を変えることが生きること、」、という意見、何かのお役に立ちませんか。  それではまた。

   カット写真は同じ芸術祭の作品。小道を歩いていくと出会う、三つあるうちの一つの泉(?)です。
 

平成29年 4月1日“辰野”のホタル公園と道祖神  &  “四賀村の福寿草まつり  &  小文:“腹痛顔”のこと
 平成29年 4月15日“安曇野のワサビ田”  &  小文:安曇野  &  “アルプス公園”
 平成29年 5月2日アルプス公園からの桜と雪山  &  熊井城址の桜  &  水芭蕉情報  &  小文:昇仙峡
 平成29年 5月15日“おひさま”のロケ地は花の花盛り  &  安曇野のリンゴ畑  &  小文:桜のことと、水芭蕉
 平成29年 5月28日 “山見”と“水鏡”プランの下見  &  29日の乗鞍高原  &  小文:ハムレットへの拍手