BOOK MEMO
<持っている本・・・読んでいない本・・・いっぱい・・・(^o^)//>
軽いネタバレもあります。まだ読んでいない方は、ご注意ください。
★★★★★★★★
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【空色勾玉】(勾玉シリーズ)荻原規子著 村娘狭也(さや)は15歳。みなし子になった昔の記憶も、暖かい村ですっかり癒えて、今の悩みと言えば、時折見る「鬼」の夢・・・そらからかなわぬ恋の想い。 ところが、そんなのどかな暮らしは、祭りの晩にけしとんでしまった。「鬼」が来て告げた過去の秘密。憧れの都で待っていた絶望。 そして「おまえの運命だ」と握られた空色勾玉に導かれて出会ったすべてを統べる剣の主の、思いがけない正体は・・・。 国家統一をもくろむ「光」と土着の「闇」が烈しく争う乱世を横糸に少女狭也の成長を縦糸に、豪華に紡ぎ上げられた、日本が舞台の壮大なファンタジー。 |
<ひとこと> 2006.1/4
荻原さんの作品は、昨年「西の善き魔女」を全巻読んでいますので、こちらが、後読みになります。処女作と聞いていますが、はじめから、思いっきり荻原節なんですね。
そして、登場人物が出てくるたびにこの人は想い人だな。とか、この人が対立派になるな。とかグルグル想像してしまいます。ある意味微妙に外れたりして楽しい。こうして少しハマッてしまった私です。
一番の予想のハズレ所は鳥彦が恋人関係になると思った所ですね。だって、「西の・・・」のルーと同じタイプじゃないですか〜。あと、最終的には悪はいないんですね。
これも荻原節のひとつでしょうか?次の作品で確かめて見ましょう。
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【白鳥異伝】(勾玉シリーズ)荻原規子著 遠子と小倶那は双子のように育った。だが小倶那が都に出、「大蛇の剣」を手にした時、二人の絆は絶たれてしまった。 小倶那は大王の策謀にのせられ、神代から勾玉を守ってきた遠子の郷を焼き滅ぼしてしまう。「小倶那はタケルじゃ。忌むべきものじゃ。」郷の大巫女の言葉に遠子は・・・? 神々が地上を去って数百年の後、残された「力」をめぐって輝の神の裔、闇の神の裔の人々の選択を描きます。「空色勾玉」で人気を博した著者による、ヤマトタケル伝説を下敷きにした壮大なファンタジー。 |
<ひとこと> 2006.1/12
ノベルズ2冊分ということで、結構長かったです。そして、例によって純愛の物語?です(苦笑)
長いせいか、サクサク進んでいない感じがしました。状況説明が長かったというか・・・私的には前作「空色勾玉」のほうがおもしろかったかな。
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【街の灯】北村
薫 著 士族出身の上流家庭・花村家にやってきた若い女性運転手。令嬢の“わたし”は『虚栄の市』のヒロインにちなんで、彼女をひそかに“ベッキーさん”と呼ぶ。そして不思議な事件が…。待望の新シリーズ。昭和七年“時代”という馬が駆け過ぎる。 |
<ひとこと> 2009.08/22
2003年の作品ですが、今年2009年、このシリーズ第3弾『鷺と雪』が直木賞受賞しましたので、読んでみました。
華族、伯爵、公爵、宮様・・・庶民とはかけ離れたお話の始まりです。そしてなんともゆる〜いサスペンス・・・ではなく推理物です。ほんのりのほほんと解決するお嬢様には、とっても頼りになる秘書がいるわけですね。ある意味「しゃばけ」シリーズの妖がいない現実バージョンです。(オイオイ;
*** |
【鷺と雪】北村
薫 著 帝都に忍び寄る不穏な足音。ルンペン、ブッポウソウ、ドッペルゲンガー…。良家の令嬢・英子の目に、時代はどう映るのか。昭和十一年二月、雪の朝、運命の響きが耳を撃つ―。 ●不在の父 ●獅子と地下鉄 ●鷺と雪 |
<ひとこと> 2010.01/31
のほほんとしたお嬢様の謎解きのお話。・・・なんだかだんだん繋がってきて、えええっ〜!という終わりです。このお話はひょっとしたら、これからが・・・という感じです。
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【弥勒の月】
あさの あつこ 著 小間物問屋「遠野屋」の若おかみ・おりんの溺死体が見つかった。安寧の世に満たされず、心に虚空を抱える若き同心・信次郎は、妻の亡骸を前にした遠野屋主人・清之介の立ち振る舞いに違和感を覚える。―この男はただの商人ではない。闇の道を惑いながら歩く男たちの葛藤が炙り出す真実とは。 ●闇の月 ●朧の月 ●欠けの月 ●酷の月 ●偽の月 ●乱の月 ●陰の月 ●終の月 |
<ひとこと> 2010.09/17
久々に捕り物帳を読みました。ドラマに最適なお話です。謎解きは最後の最後に一気に展開しました。そこへきたか!ってオチでした(苦笑)。続編がありますので、サクサク読んでしまいましょう〜。何気に気に入ったかも。・・・というよりこの繋がった関係は次回作に続くのかが興味があるってとこですね。どの人も、不器用でめを逸らせない親分の気持ちがわかります。
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【精霊の守り人(守り人シリーズ1)】上橋
菜穂子著 老練な女用心棒バルサは、新ヨゴ皇国の二ノ妃から皇子チャグムを託される。精霊の卵を宿した息子を疎み、父帝が差し向けてくる刺客や、異界の魔物から幼いチャグムを守るため、バルサは身体を張って戦い続ける。建国神話の秘密、先住民の伝承など文化人類学者らしい緻密な世界構築が評判を呼び、数多くの受賞歴を誇るロングセラーがついに文庫化。痛快で新しい冒険シリーズが今始まる。 |
≪ 序 章
≫皇子救出
≪第一章≫皇子の体に宿ったもの
●逃亡のはじまり ●星ノ宮の<狩人>
●たのまれ屋トーヤ ●放たれた<狩人>たち
●逃げるもの、追うもの
≪第二章≫卵を食らう魔物
●薬草師のタンダ ●呪術師トロガイ
●トロガイの文 ●ヤクーの言い伝え ●トロガイとの再会
≪第三章≫孵化
●冬の<狩穴>暮らし ●秘倉に眠っていた手記
●変化のはじまり ●シグ・サルアを追って
●襲いくる爪 ●ナナイの手記の結末
●雲のみる夢 ●サアナンの風とナージの翼
●もうひとつの運命の衣
≪ 終 章 ≫雨の中で
<ひとこと> 2010.07/16
以前、アニメで見て、上橋さんの作品でもあるし、興味があったのですが、やっと購入しました。そして一気読みしていきますよ(苦笑)
物語のはじまりは、狭い世界しか知らなかった皇子が少しだけ大人になるお話です??ついでにバルサもちょっとだけ大人になりました。みんな、自分の殻に閉じこもって、不幸ばかりを思い描く・・・だから、いつまでたっても不幸に取りつかれてしまうのです。チャグムとバルサの出会いは囚われた殻を破るのに必要な必然だったのですね。なんとも不器用なバルサと、まだまだ子供のチャグムのこれからが楽しみです。
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【闇の守り人(守り人シリーズ2)】上橋
菜穂子著 女用心棒バルサは、25年ぶりに生まれ故郷に戻ってきた。おのれの人生のすべてを捨てて自分を守り育ててくれた、養父ジグロの汚名を晴らすために。短槍に刻まれた模様を頼りに、雪の峰々の底に広がる洞窟を抜けていく彼女を出迎えたのは―。バルサの帰郷は、山国の底に潜んでいた闇を目覚めさせる。壮大なスケールで語られる魂の物語。読む者の心を深く揺さぶるシリーズ第2弾。 |
≪ 序 章
≫闇の中へ
≪第一章≫闇の底に眠っていたもの
●ヒョウル<闇の守り人>
●ルイシャ<青光石> ●ユーカ叔母の施療院へ
●<カンバル王の槍> ●陰謀の素顔
≪第二章≫動き出した闇
●洞窟の石の匂い ●捕獲隊 ●毒を塗った穂先
●ティティ・ラン<オコジョを狩る人>
≪第三章≫<山の王>の民
●王の使者来たる ●ジグロのふたりの甥
●牧童の秘密
≪第四章≫<ルイシャ贈りの儀式>
●老ラルーグ ●山の底へ ●儀式のはじまり
●弔いの槍舞い
≪ 終 章 ≫闇の彼方
<ひとこと>
2010.07/21
バルサの過去への決別のお話です。ここでも頑張る少年の後押しをします。ここでは、バルサが思う『ジグロの心』に囚われた殻が破れます。
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【夢の守り人(守り人シリーズ3)】上橋
菜穂子著 人の夢を糧とする異界の“花”に囚われ、人鬼と化したタンダ。女用心棒バルサは幼な馴染を救うため、命を賭ける。心の絆は“花”の魔力に打ち克てるのか?開花の時を迎えた“花”は、その力を増していく。不可思議な歌で人の心をとろけさせる放浪の歌い手ユグノの正体は?そして、今明かされる大呪術師トロガイの秘められた過去とは?いよいよ緊迫度を増すシリーズ第3弾。 |
≪ 序 章
≫<花>の種が芽吹くとき
≪第一章≫<花>の夢
●<木霊の想い人> ●眠りつづける人びと
●<花番> ●出口のない部屋
≪第二章≫<花守り>
●呪術と星読み ●<花>の罠
●バルサと<花守り>の死闘 ●<花>の息子
≪第三章≫<花>への道
●記録係のオト ●チャグムとタンダ ●密会
●チャグムの策略
≪第四章≫<花の夜>
●<狩人>ジンの約束 ●山の湖 ●月の門
●滅びの風と、歌声と ●目ざめ
≪ 終 章 ≫夏の日
<ひとこと>
2010.07/26
タンダの活躍が・・・素敵です。バルサと違い、タンダは大人ですね。
自分の運命は呪っていたあいだは、人と戦って殺すことを運命のせいにして、それが、血まみれの手でも何とか生きていける言いわけになっていたんだけどね。自分の幸せに気がついたら、もう言いわけにはできない。
解説の話で「ファンタジーという世界は、いつの時代ともどこの土地とも知れない世界を扱い、その世界の地図があって、さまざまな異文化がある。つまり、さまざまな約束事がある。読者はそれに慣れなければならない。それに慣れると次が読みたくなる。せっかく変な世界に慣れたのに、話がひとつで終わりでは、異世界の約束事に慣れた甲斐がないではないか。だからファンタジーの正統派は長くなる・・・」と言っていました。全くそのとおりと思ったワケです。つまり、まんまと作者(出版社)の思惑に踊らされているのかも・・・と。^-^;
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【虚空の旅人(守り人シリーズ4)】上橋
菜穂子著 隣国サンガルの新王即位儀礼に招かれた新ヨゴ皇国皇太子チャグムと星読博士シュガは、“ナユーグル・ライタの目”と呼ばれる不思議な少女と出会った。海底の民に魂を奪われ、生贄になる運命のその少女の背後には、とてつもない陰謀が―。海の王国を舞台に、漂海民や国政を操る女たちが織り成す壮大なドラマ。シリーズを大河物語へと導くきっかけとなった第4弾、ついに文庫化。 |
≪ 序 章
≫海から吹く風 ●風とうたう娘
●ラッシャロー<海をただよう民>
≪第一章≫海の都
●サンガル・ハサイ<望光の丘> ●祝いの演武
●<花の四阿>に吹く風 ●取り引き
●<ナユーグル・ライタの目>
●エーシャナの指輪
≪第二章≫祝い ●海底の祭り
●恐怖の銛 ●あやつる者とあやつられた者
●生命をあずかる時 ●運命の歯車
≪第三章≫儀式の夜 ●暗雲
●攻めと守り ●歌舞の宴 ●断崖
●為政者の穢れ
≪ 終 章 ≫虚空を飛ぶハヤブサ
<ひとこと>
2010.08/16
ちょっぴり大人になったチャグムの活躍が素敵です。もともと賢い人は成長するのですよね〜。今回はバルサは出てきません。チャグム皇子の活躍です。そして頑張る少年少女は同い年のサンガル国第二皇子タルサンとラッシャローのスリナァ。・・・闇の守り人で頑張った少年も立派になって出てきます♪
常に他国の脅威にさらされている国では、戦いはすでに普通にあるものになっています。平和を求め新しい土地に住み着いた新ヨゴ皇国とは初めから考え方が違うのです。男性のみならず女性も強い心を持つサンガル国のあり方は今までの生きる術として、間違ってはいないと思います。
みんなが一生懸命生きているのですが・・・ただ、それだけでは駄目なのですね。誰かを犠牲にして成り立つ国はいけません!民は守るべきものです。・・・よね。
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【神の守り人(守り人シリーズ5)】上橋
菜穂子著 女用心棒バルサは逡巡の末、人買いの手から幼い兄妹を助けてしまう。ふたりには恐ろしい秘密が隠されていた。ロタ王国を揺るがす力を秘めた少女アスラを巡り、“猟犬”と呼ばれる呪術師たちが動き出す。タンダの身を案じながらも、アスラを守って逃げるバルサ。追いすがる“猟犬”たち。バルサは幼い頃から培った逃亡の技と経験を頼りに、陰謀と裏切りの闇の中をひたすら駆け抜ける。 南北の対立を抱えるロタ王国。対立する氏族をまとめ改革を進めるために、怖ろしい“力”を秘めたアスラには大きな利用価値があった。異界から流れくる“畏ろしき神”とタルの民の秘密とは?そして王家と“猟犬”たちとの古き盟約とは?自分の“力”を怖れながらも残酷な神へと近づいていくアスラの心と身体を、ついに“猟犬”の罠にはまったバルサは救えるのか?大きな主題に挑むシリーズ第5作。 |
【上巻】
≪ 序 章
≫シンタダン牢城の虐殺
≪第一章≫災いの子 ●秋の草市
●<青い手>と見えない牙 ●不吉な子ら
●月下の短槍 ●闇へ駆けゆく
≪第二章≫逃げる獣 追う猟犬
●鹿狩り ●老獪な獣 ●鷹と猟犬
●ロタルバルの悪夢
≪第三章≫罠へと誘う手紙
●穢れた羊 ●花の衣 ●裏切り
≪ 終 章 ≫旅立ち
【下巻】
≪ 序 章
≫王城の裏庭で
≪第一章≫狼殺し ●吹雪の夜
●狼来たる ●壺牢の中で
≪第二章≫罠 ●交易市場へ
●早耳のタジル ●海の湖面のように
●罠におちる ●神にぬかずく者
≪第三章≫サーダ・タルハマヤ<神と一つになりし者>
●波乱の予感 ●罠猟師の出小屋で ●ジタンでの再会
●祝典前夜 ●建国ノ儀の仕掛け ●神を飲む
≪ 終 章 ≫サラユの咲く野辺で
<ひとこと>
2010.08/22
上下巻の長編になっています。と言っても、たかだか600ページですが。
さて、お話は、ついに神様が出てきました。このシリーズは常に操られ翻弄されるのは子供ででも少年少女たちは、しっかり自分で解決していくのです。バルサやタンダはナビゲーターで、だから30代なのでしょうね。ほんとうによく出来た児童書です。子供がこの話を読むとどんな感想を書くのでしょう?非常に興味があります。なにを思い、何に共感し、どうしたいのかって。・・・ああ、そうか。学校とかで読書感想文を書かせるのってひょっとしたら先生のこんな思いがあったのかも知れないですね。(違?
激しく主題からずれたところで、元に戻して・・・
運命を背負った兄妹。アスラは恐ろしい力を「神様のなさること」として恐れを抱かない。動物って本来同族を殺したりすることは出来ないと思います。だから、人を殺めるのにそれなりの理由と言い訳を用意する。でもどこまでいっても、言い訳であり、自分の正義じゃないですよね。人には偽ることができても自分に偽ることはできないと思います。心を開いて自分を見つけられた時、何が大切なことなのかがわかるのですね。簡単なことなのに・・・ね。
「魔法が使えたら!」と思ったことはありませんか?すごく現実的なことですが、『車で走っていて、前の車の人がたばこのポイ捨てをしたら、そのまま捨てた車の人の顔とかに戻って当たる』とかしてやりたいと思ったりして。ちゃんとした心根で使えば人の為になったりするのでしょうが、私自身、自由に魔法が使えるようになったら私利私欲に走らないという自信がありません。力ってすごく強い精神の持ち主にしか持てないものなのです。きっと。
人に頼れば、心に隙が生まれる。つらくて弱みを見せれば、だれかがそれを利用するかも知れない。・・・命は、自分の心と体で守れる分だけ続いていくもの。自分で守れない時は、ここまでの命だったと、諦めるしかない。
人生を大切だと思う気持ちに、自分はまだ慣れていないのだ。
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【蒼路の旅人(守り人シリーズ6)】上橋
菜穂子著 生気溢れる若者に成長したチャグム皇太子は、祖父を助けるために、罠と知りつつ大海原に飛びだしていく。迫り来るタルシュ帝国の大波、海の王国サンガルの苦闘。遙か南の大陸へ、チャグムの旅が、いま始まる!―幼い日、バルサに救われた命を賭け、己の身ひとつで大国に対峙し、運命を切り拓こうとするチャグムが選んだ道とは?壮大な大河物語の結末へと動き始めるシリーズ第6作。 |
≪ 序 章
≫海からの波
≪第一章≫帝と皇太子
●聖導師の宿命 ●サンガル王の手紙 ●弾ける
≪第二章≫罠への航海 ●航海
●群島の網の目 ●虜囚たちの夜
●虜囚小屋からの逃亡
≪第三章≫チャグムとターク<鷹>
●出会い ●身をぬぐう ●異郷の星空 ●嵐
●鷹の爪の下に ●束の間の光
≪第四章≫対決 ●タルシュの悍馬
●灰色の旅 ●雨の帝都 ●毒蜘蛛の館
●声なき声に ●壁の上の世界
≪ 終 章 ≫蒼路の旅人 ●金色の雲
●月下の蒼路
<ひとこと> 2010.08/28
チャグム15歳。より強くなりました。それ以上に賢い。すばらしい。欲がなければ、人ってこんなにまっすぐ生きていけるのか?と思う。
話はこの巻全体が序章という感じで、ことのはじまりを告げています。チャグムの置かれた立場を一転させるすばらしい結末に出会えるのでしょうか?しかし、彼の選択は予想外でした。なかなか手ごわいですね上橋さん!(苦笑)
そして、かれを取り巻く人々の想いも複雑で、これはこれでまた別のお話ができそうです。みんな、一生懸命生きているのですよね。
『民が豊かで、美しいものをつくり、売り買いし・・・争うことなく、暮らしがつつがなく送れるようにする。政など、それだけでいいはずだ。それなのに、なぜ人は、寄り集まると、足をひっぱりあい、他人を踏みつけて、すこしでも上にのぼらないと気がすまないのだろう?』
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【ゆめつげ】 畠田恵
著 夢の中では見えざるものが見える……はず? 大江戸・不思議・騒動記! 小さな神社の神官兄弟、弓月と信行。しっかり者の弟に叱られてばかりの弓月には「夢告」の能力があった。が、それは全く役に立たないしろもの。ある日、迷子捜しの依頼を礼金ほしさについ引き受けてしまうのだが…… |
<ひとこと> 2008.6/17
彼女の持ち味である、とっても害のない主人公がなんともよいですね。自分がダメだということをしっかり解って生きている弓月さんは素敵です。・・・などと思うのは変ですか?さて、お話はちょっと凝っています。謎解きの二段構えとおまけがひとつ。当時の社会状況もふまえて上手に出来ています。今を一生懸命に生きていると、広い視野で“もの”が見られない場合があります。こんなふうに未来が見えてしまえば、気持ちの入れ替えも簡単なのでしょうが、実際はそういうわけにはいきませんよね。せめて、いろいろな情報や、正しい判断ができるように受け口は広く持っていたいものです。・・・いやぁ。久々に真面目な感想です。しかも、そんなお話だったのか?とも・・・(苦笑)
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【私と悪魔の100の問答】 上遠野
浩平著 「いや吾輩は君には全然興味がないけど、世の中の正義にはもっと興味がないから」どん底だった私に、あいつはそう言った。親の事業が失敗して、マスコミに叩かれ、世界のすべてが敵に回っていたときに。助けてもらう代わりに、私はそいつと契約することになった。それは100の質問に答えろっていう意味のわからないもので―追い詰められた少女と、尻尾の掴めない男が出逢うときに生まれる、奇妙で不思議な対話の先に待つものは…。 |
<ひとこと> 2011.06/00
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【輪違屋糸里 上】 浅田
次郎 著 文久三年八月。「みぶろ」と呼ばれる壬生浪士組は、近藤勇ら試衛館派と、芹沢鴨の水戸派の対立を深めていた。土方歳三を慕う島原の芸妓・糸里は、姉のような存在である輪違屋の音羽太夫を芹沢に殺され、浪士たちの内部紛争に巻き込まれていく。「壬生義士伝」に続き、新撰組の“闇”=芹沢鴨暗殺事件に迫る真理サスペンス。 |
<ひとこと> 2008.6/21
実はもっと、「糸里」のお話かと思ったのですが、思いっきり新撰組のお話でした。歴史的にはあまり記録のない女性の目線で進んでいくところがなかなかよいですね。隊士個人の心をひとりづづ語りの形で繋げている手法もなかなかよいです。そして、一番の見どころ(読みどころ?)は、芹沢鴨の“人となり”の解釈でしょう。浅田さんならではの視点に、共感して、なんだか嬉しい作品です。
【輪違屋糸里 下】 浅田 次郎 著
芹沢鴨の愛人お梅、平山五郎の恋人吉栄、新撰組の屯所、八木・前川両家の女房たちは、それぞれの立場から、新撰組内部で深まる対立と陰謀を感じ取っていた。愛する土方のため、芹沢暗殺の企みに乗った糸里の最後の決意とは?息を飲むクライマックスと感動のラスト。
<ひとこと>
2008.6/23
歴史小説って、本当は史実に基づいたフィクションなのに、あたかもそれが実際にあったことのように理解されたりしていますよね。そして、司馬遼太郎さんなどの歴史小説家の先駆者が書いた話が王道になっていたりして。芹沢は極悪人だったのか?近藤、土方は正義だったのか?・・・結局はみんなコンプレックスのかたまりの若者たちなわけで、その時彼らなりの正義はあったかもしれないけれど、“正しい”とか“正しくない”とかでは判断できないものなのでしょね。私は、浅田さんの「壬生義士伝」の近藤勇とかが本当だったんだろうな。とか思っていましたので、今回の作品も、なかなか「本当はそうだったのかも知れない」と思ってしまいました。あと、なんとなくサスペンスタッチでスピード感があってなかなかよかったです。そして、結局一番強いのは・・・
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