Psion 5mx と Panasonic KX-PH35S との接続

更新: 2003年9月21日 (樋口さんによる事例の詳細情報 「KX-HA10 改造ケーブルによる、revo plus と H-SA3001V 接続」のページを追加) 更新: 2006年5月7日 (近藤の連絡先メールアドレスを変更)


はじめに

ここでは、 Psion 5mxPanasonic の H" 端末 KX-PH35S を繋いで、通信に使う方法について述べます。

従来 Psion 5mx で通信を行うには、以下の二つの方法が 行われていました。

これまで幾つか使ってみましたが、 お手軽さでは NM207 で赤外線接続するのが一番でした。 しかし、比較的通話料が高いこと、 通信速度が遅いこと、通話音質が良くないこと等の不満もありました。

ところで KX-PH35S には、 KX-HA10 という WorkPad c3/Palm Vx と接続できる専用オプション 「データ通信ケーブル」が売られています。 これは、同端末に 19.2kbps モデムに相当する機能が内蔵されていて、 実質的に RS-232C 規格の信号で直結できるからです。

そこで、同ケーブルを改造して両機をケーブル一本で 直結できるようにしました。 これを NM207 (DoCoMo) と比較すると、以下の特徴があります。

なお、KX-PH35S の後継機種でも、同じケーブルが使えます。 これまでに、KX-HS100/KX-HF300/KX-HS110/KX-HV200/KX-HV50 での 動作が確認されています (これらの機種では、通信速度が異なる場合があります)。 また、篠原さんが [psion-ml:1700] (2001年1月9日) にて D-sub 9pin コネクタを使う方法をまとめられています。

更に Panasonic 製以外にも、SANYO 製の H" 端末である H-SA3001V でも同様に動作できることを、 樋口さんが [psion-ml:4650] で報告されました。 この詳細情報をいただきましたので、 「KX-HA10 改造ケーブルによる、revo plus と H-SA3001V 接続」 のページで紹介させていただきます。

このケーブル KX-HA10 は Psion 以外でも使い道は広いようで、 例えばパドラッパさんは HP200LX で活用されています (本ページ末のリンク参照)。

以下では、このケーブルの作り方と設定方法、 それから作成時に調べた資料についてまとめます。


ケーブルの作り方

はじめに

以下の作り方では、2本のケーブルを途中で切ってつなぎ合わせていますが、 「途中のコブ」を開けてはんだ付けする方が 見栄えや耐久性の点でより良いと思います。 これについては、
Ten さんの「SIDE:T」や、 maeda さんの「とっても Psion な日々」 などをご参照ください。

用意するもの

  1. Panasonic データ通信ケーブル KX-HA10
    →2000年7月末の時点では、かなり品薄の模様でした。 秋葉原の T-ZONE で 4980円で購入。
    →2001年4月の時点で、秋葉原・日本橋で 3000円を切っているとの情報をいただきました。
    →2002年4月の時点では、秋葉原で 680円〜980円程度で売られているようです。
  2. PsiWin ケーブル
    →5mx に同梱されていたものを使いました。 単独でも、5千円程度で売られているようです。
  3. 絶縁テープ、熱収縮チューブなどを適当に

配線作業

こちらの接続図 (2000年9月24日 改定2版)のように、 KX-HA10 と PsiWin ケーブルを途中で切断し、 半分づつをはんだづけして繋ぎました。 KX-HA10 は、途中のコブと Palm 側のコネクタの間を切断します。 私が使用した環境では、KX-HA10 の H" 側コネクタは小さすぎて 配線を確認できなかったため、Palm 側のコネクタから ケーブルの信号を同定するためです。

接続図には配線の色を書き込んでありますが、 これは私が使ったケーブルのものです。 実際に、これとは違う配色のケーブルが報告されていますので、 再現する場合は、テスタで確認するべきです。

私は、なるべくケーブルを短くしようと KX-HA10 はコブの近くを切断しましたが、 後で熱収縮チューブをかぶせると曲げられる箇所が短くなり、 使い勝手が悪くなってしまいました。 多少長くなるのは覚悟で、長めに残した方が良さそうです。 PsiWin ケーブルも同様です。

完成写真

(1) 5mx, KX-PH35S との大きさ比較

(2) 実際の使用状況 (熱収縮チューブの硬さにより、曲げがスムーズでないことがわかる)


設定方法

5mx を使って、So-net にアクセスする設定を以下に示します。

Modems

  1. Modem settings ダイアログ
    Current modem H" KX-PH35S
  2. Settings for modem "H" KX-PH35S" ダイアログ
    1. Modem タブ
      Name H" KX-PH35S
      Speed 19200 boud (KX-PH35S 以外の機種では、この値を変更する必要があります)
      Connect via Serial
      Fax class Auto
    2. Options タブ
      Loudspeaker in use Never
      Volume Medium
      Pause time for "," 4 seconds
    3. Initialisation タブ
      Init. (reset) stringATZ
      Data init. string (空文字列)
      Fax init. string (空文字列)
    4. Advanced タブ
      Flow control Hardware (RTS/CTS)
      Terminal detect (DSR/DTR) チェックOFF
      Carrier detect (DCD) チェックOFF
      Modem type Fixed Line

Dialing

特に設定する必要はありません。 標準の "Mobile" を使います。

Internet

  1. Internet service settings ダイアログ
    Current Internet service H" So-net Yokohama2
    Show connection dialog チェックON
    If idle, stay online for 03:00 mm:ss
    On exit, stay online for 00:00 mm:ss
  2. Edit Internet service ダイアログ
    1. Service タブ
      Name H" So-net Yokohama2
      Connection type Direct
    2. Account タブ
      Manual login チェックOFF
      Username 自分のユーザ名 (例: rey@fb3)
      Password (自分のパスワード)
      Confirm password (上記と同じパスワード)
    3. Addresses タブ
      Get IP address from server チェックON
      Get DNS address from serverチェックON
    4. Login タブ
      Use login script チェックON
      Port settings 8 data bits, no parity, 1 stop bit
      Display window チェックON
      ログインスクリプト (内容は後述)
    5. Advanced タブ
      Enable PPP extensions チェックON
      Allow plain text authentication チェックOFF
      Use call back チェックOFF
  3. ログインスクリプトの内容
    →ログインスクリプトは、現在少なくとも 2種類が提唱されています。 接続するプロバイダによって、どちらを使うべきかが異なるので、 わからない場合は両方試してみてください。
    1. ppp 認証型 (村上酋長スクリプトとも呼ばれる):
      biglobe DAL がこれに該当しました。
      ログインスクリプトはこちらです。 ログイン名とパスワードは、コントロールパネルの Internet の Account タブで設定したものが使われます。 電話番号は、適宜変更してください。
    2. テキストパスワード認証型 (オリジナルの近藤スクリプトとも呼ばれる):
      So-net 横浜 (PIAFS) アクセスポイントがこれに該当しました。 ログインスクリプトはこちらです。 ただし、予め MYLOGINNAME を自分のログイン名に、 MYPASSWORD を自分のパスワードに、書き換える必要がある。 So-net 横浜(PIAFS) アクセスポイント以外の場合には、 電話番号も要変更。
    なお、電話番号の書き方は、機種によって違うようなので適宜修正してください。

速度計測

XJMail (= 新JM5) のβ版を使って、速度を計測してみました。 比較対象は NM207 (DoCoMo 800MHz デジタル) で、 本体には 5mx を使いました。

結果を見ると、1メールの大きさが小さいときは、 それほどの差が出ません。 おそらく、プロトコルのオーバヘッドが大きいものと思われます。 今回はサンプル数が少ないので定量的な実験とは言えませんが、 19200bps になったことのメリットは、 大きなメールの送受信や、大きな web ページのアクセスでしか 感じられないかも知れません。

KX-PH35S (19200bps) NM207 (9600bps)
(1) メール17通の受信 (1メールは2から4KB程度) 58秒 1分8秒
(2) メール1通の受信 (249KB) 2分30秒 4分35秒

資料

データ通信ケーブル KX-HA10

データ通信ケーブル KX-HA10 を途中で切った際に調べた、 コネクタと配線の色との対応は、 こちらの図 のようになっていました。 H" 端末側のコネクタは小さすぎて、配線を確認することはできませんでした。
(注) 既に、この図とは色配置が異なるケーブルが見つかっているようです。 必ず、テスタ等でピンと線材の間の対応を確認してください。

Palm 側のコネクタにおいて、相互に抵抗値を測ると、 以下のようになっていました。 アナログテスタで適当に測った値なので、誤差は結構あります。 この値から、おそらく途中のコブの部分で信号線 (RXD,RTS,TXD,CTS) を プルアップ・プルダウンしているものと思われます。

1pin2pin3pin4pin5pin 6pin7pin8pin9pin10pin −側
1pin X2k250k250k 2k80k
2pin X
3pin 2kX250k250k 4k90k
4pin 200k200kX250k 200k80k
5pin 200k200k250kX 200k80k
6pin 2k4k250k250k X90k
7pin X90k
8pin X
9pin X
10pin 50k50k70k70k 50kX
+側

PsiWin ケーブル

5mx に同梱されていた PsiWin ケーブルを途中で切った時に、 コネクタ間の配線と色を調べたところ、 こちらの図 のようになっていました。 Psion 側コネクタのピンの順番は、 Wookey 氏の説明にあわせています。 他の機種に同梱のケーブル、あるいは別売りのケーブルで 同じ色になっているかどうかは判らないので、注意が必要です。 こちらは、特にプルアップなどはされていないようです。
(注) 既に、この色とは異なる結線のケーブルが見つかっているようです。 必ず、テスタ等でピンと線材の間の対応を確認してください。

サポートしている AT コマンド

KX-HA10 のマニュアルに載っている、 KX-PH35S/KX-PH935S で使用できる AT コマンドは 以下の通りです (コマンドのみ抜粋)。
一般ATコマンド A/, A, D, En, Hn, In, On, Sr?, Sr=n, Vn, Xn, Z, &Cn, &F, &V, +++
拡張ATコマンド #An, #Bn, #Cn, @Bn, @Dn, @Mmn
Sレジスタ S0, S7, S25, S86

謝辞

この魅力的な端末 KX-PH35S について教えてくださった、 Kyo さんはじめ Psion-ml の皆さんに感謝します。

関連リンク

  1. Psion stuff
    PC←→Psion シリアルケーブルの配線図があるが、 結構間違いがある。
  2. Palm Hardware Development
    Palm V のシリアルコネクタの詳細と、シリアルケーブルの接続図。
  3. Psion 商会 (ユーザ活動の一環として、代行製作をされています)
  4. Muchy's Palmware Review! における KX-HA10 のレビュー記事
  5. パドラッパさんの HP200LX での事例

rey@fb3.so-net.ne.jp 近藤玲史
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