Necydalis(Eonecydalis) formosana matsudai Hayashi,1949 キュウシュウトガリバホソコバネカミキリ
タンナサワフタギ樹幹の♂:大分県九重黒岳、2004年7月6日撮影)
     憧れのトガリバホソコバネカミキリ 

1992年まで、私のカミキリムシコレクションの中で、ネキは1979年7月に群馬県奥日光大沢(利根郡片

品村東小川)で採集したオニホソコバネ4♂♂、3♀♀の合計7頭だった。

1989年に佐賀昆虫同好会の佐賀むし通信を読むと、オオトラ氏の書かれたトガリバホソコバネカミキリ

の羽化脱出状況が目に入った。この時からこのネキが欲しくてたまらなくなった。

この年の秋の「温泉つかって酒のみ虫談会」などで、トガリバホソコバネの材の採り方などの情報を仕

入れることが出来た。話を聞いていると、何か根株を掘り起こしたりする必要があるとかで、非常に重労

働のような感じを受けた。このため材採取に取り組んだのは2年後の1991年10月であった。

場所は大分県九重黒岳である。しかしタンナサワフタギの立枯れを見つけることが出来ず、失敗に終

わった。

2回目は1991年12月であったが、タンナサワフタギの立枯れは見つけることが出来たが、細くて古いも

のだったのでやたらとヘリウスハナカミキリの食痕が多く、後日やはりヘリウスハナが羽化して来た。

しかし、3度目の正直とはよく言ったもので1992年4月18日、この日午前11時頃から原生林内を歩き回

り午後2時頃になってようやく直径12〜13cmの立枯れを見つけることが出来た。根元のほうから材を切

断するとかなり大きな食痕があった。そして少しずつ削ってみると、大きな蛹室がありその中で動いてい

る、前胸背に白斑のある一見してネキと判る幼虫がいたのである。

約10年のカミキリ採集歴の中で、幼虫を見て感激したのは初めてであった。

蛹室には材の切片でふたをし、さらにビニールテープを巻いて大事に自宅へ持ち帰った。 それからは

羽化が待ち遠しくてたまらず、何日か目に様子をうかがうと、前蛹になっており、さらに5月3日には蛹に

なっていた。そして運命の日、もうあまり動かさないほうがよいだろうと思いつつも誘惑には勝てず、こ

の日家内と行ったCHAGE&ASKAコンサートで興奮している上に、帰宅してビールと焼酎でハイになった

私は、ついにビニールテープをほどき、羽化したてで腹部の膨らんだトガリバホソコバネカミキリを見る

ことが出来たのである。時に1992年5月13日午前0時頃だった。

佐賀むし通信を読んでから、ちょうど丸3年がすぎていた。

しかし残念なことに新成虫は左側の後脛節以下のない不完全なものだった。さんざんいじったのがいけ

なかったのかも知れない。

こうやってやっとのことでトガリバホソコバネカミキリを手に入れることができた。
オニホソコバネカミキリ♂群馬県奥日光大沢、1979年7月24日採集)
キュウシュウトガリバホソコバネカミキリ:左♂、右♀)