田村正和 新・乾いて候
そなたもおなじ野の花か

原作 小池一夫  脚本 齋藤文作     
演出 田中林輔

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2003年1月某日、都内某稽古場で「新・乾いて候」の稽古が始まった。
初めての商業演劇の舞台で、知り合いが誰もいない中、私はロビーの端の方で他の出演者たちの動きを見ていた。
座長がいる芝居というのも初めてだし、着物を舞台上できちんと着るのも初めて。
しかも中臈という役柄、お引きずり、白塗り・・・と初心者にしてはかなり高度なテクニックがいるものばかり・・・。
否が応でも不安感が募る。
周りを見ると、みんな知り合いらしく、にこやかに挨拶をしている。
そんな中、稽古が始まるまで、私は壁にぴったりくっついていた・・・。

これが「新・乾いて候」との出会い。
2月松竹座・7月新橋演舞場と続く長い公演の始まりだった。

私はこの舞台でとても大きな経験をした。
舞台の上で存在するということ。
肉体がそこにある役者たち。
舞台の上に立つということがどういうことなのか・・・。
自分の状態を確認しながらの舞台。

頭では理解していたことが素直に身体に入ってきた、そんな作品だった。

それが圧倒的な田村正和氏の存在感。
華・オーラ・・・そういう言葉では表現できないほどの紛れもない肉体。
芝居する、ということではない。
役者自身がただそこにいるということ。
そして田村さんに対する役者さんたちのぶつかり合い。
自分がその中にいないことは本当に悔しいことだったが、でも、今の自分にはまだまだ学ぶことがある。

とてもいい経験になった舞台。
もしかしたら、私のターニングポイントになったかもしれない。
コレを期に、私自身が本当にやりたい芝居というものを見つめなおす良いきっかけになったから・・・。
自分でやりきれなかったことがたくさんある。
できることなら、またこのような舞台に立ってみたい。

いつでもたくさんの刺激を受けていたい。

2003/8/5記

キャスト(初演時)
腕下主丞=田村正和

都右近=平淑恵
千々岩佐和=片岡京子
大岡忠助=川野太郎
都左京=二宮さよ子
徳川宗春=千葉哲也
竹腰志摩=金田龍之介
徳川吉宗=北村一夫

外山高士 笠原章 内田勝正 園田裕久 江幡高志 峰祐介 井上高志 坂西良太 大東俊治 橋本宣三(演舞場)
小林かおり 林三重子 梓陽子 さいとうかな(松竹座) 山本亜希子 
細川智(松竹座) 桐山浩一 大木聡 岡崎公彦 森下明(演舞場) 鎌倉俊明 山勢武則 大村健二
深谷絵美 高倉百合子(松竹座) 舞戸礼子(演舞場) 藤邦有子(松竹座) 田村友里(演舞場) 藤田幸江(演舞場) 田野聖子
川奈千晃 阿部裕美子 大川智子 中村紗矢香(松竹座) 田尾きよみ 藤奈けいこ(松竹座) 倉田みゆき(演舞場)
北村由里 山内由美子 柴田時江 田辺佳子(演舞場) 植草奈々恵(松竹座) 平山美花(演舞場)
阿部徳久次(松竹座) 鈴木義幸(松竹座) 佐東芳男(松竹座) 中川歩(演舞場) 白国与和 金田拓三(演舞場)
橋本隆志 井殿雅和 井上謙一郎 だんつかさ 田地正憲 森山賢治 木谷匡勝 月城太郎 沢明
大石昭弘(松竹座) 山口竜央(松竹座) 阪田辰俊 谷口貴彦 小林郁洋 阿部朋矢(演舞場) 村岡弘之(演舞場) 

スタッフ
原作=小池一夫
脚本=齋藤雅文
演出=田中林輔
美術=妹尾河童
美術補=横田あつみ
照明=寺田義雄
音楽=甲斐正人
効果=小寺仁
衣装=ホリ・ヒロシ
振付=世家眞ますみ
殺陣=谷明憲
舞台監督=水谷勝
演出部=中島幸則
演出部=片山和男

特殊装置=アトリエカオス
衣装=松竹衣装・内藤政則
かつら=嵯峨野かつら・大澤かつら・奥松かつら
床山=浜崎敬三・大澤かつら床山部

制作事務=大越靖雄 
制作助手=本田景久
制作協力=新和事務所・江平光男
制作=杉本信雄


公演記録
2003年 1/30〜2/28 松竹座(大坂)
2003年 7/2〜7/30  新橋演舞場(東京)
2005年 7/4〜7/30  新橋演舞場(東京)