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2005/6/6
・ジョブバランス (基準なきバランス)

ジョブバランスとは
 「ジョブバランス」という言葉は、ゲーム中に存在しない。プレイヤーの「(自分のジョブと比べて)あのジョブは強すぎるから弱くしろ」、あるいは「このジョブ(自分のジョブ)は弱すぎるから強くしろ」という声を受け、開発者が行うのが「ジョブバランス」の調整である。

調整の傾向
 便宜上、「強い・弱い」という言葉を使ったが、実際に調整が行われるのは主に次のような場合である。
  1. ジョブの特徴ない(制約が大きく活かせない)
  2. 他のジョブに特徴を奪われている
 1はジョブの方向性が定まらない初期に見られたもので、矢が多く持てないために弓を満足に使えない狩人の調整などが当てはまる。2は主にサポートジョブに起因するもので、シーフのアビリティ「不意打ち」を他のジョブが使った方が強かったことに対する調整などである。

なぜ必要か
 ジョブバランスの調整が必要な理由は、FF11ではパーティに入らないと経験値が稼げない点にある。パーティの定員である6人に入る余地の無いジョブはゲームの進行そのものが困難になるため、初期には頻繁にジョブバランスに関するバージョンアップが行われた。

バランスは取れず
 拡張ディスクでジョブが追加された後も調整は続けられ、開発者からは「ジョブバランスは取れたので、今後の調整は控える」との発言があった。しかし、現状のジョブ分布を見ればバランスは取れているとは言えない。
 具体的な数字を出すと、2005年6月3日23時の時点でDiabolosワールド全3900人のうち「忍者」は261人に対し「侍」は91人である。どちらもLv30以上で取得可能な前衛のエキストラジョブであり、同時期に追加されたことを考えれば、この差は偶然で説明できない。

基準はプレイヤーの声?
 開発者の「バランスが取れた」という発言の裏には、プレイヤーの声を頼りに行ってきたことが伺える。しかし、ジョブチェンジシステムがある以上、このような方法で適切なバランスを取ることはできない。なぜなら、各ジョブの分布は時間の経過とともに歪んでいき、寄せられる意見も自然に収束するからである。人気ジョブが明確であれば人気ジョブをやるプレイヤーは多くなり、その状況下でわざわざ不人気ジョブを始めるプレイヤーも承知の上というわけである(もともとやっていたジョブが不人気になった場合、多くのプレイヤーは解約するか他のジョブを始める)。

― 基準なきバランス ―
 「ジョブバランス」。FF11に付きまとってきたこの言葉ですが、これほど意味のわからない言葉はありません。バランスの「基準」が極めてあいまいだからです。
 バージョンアップの歴史を見る限り、定量的な方法は一切用いずに、プレイヤーの声を聞いた開発者の「印象」で調整を行っているのではないかと思います。「このジョブは不遇の時期が長かったから、この辺りで優遇しておこう」、あるいは「自分のジョブは誘われずに辛い時期が長かったから、今優遇されるのは当然だ」、このような主観的な感覚でバランスを支えようとしてきたのではないでしょうか。
 ジョブバランスが取れない理由の1つとして、FF11ではソロがほぼ不可能という点が挙げられます。もしソロが可能であれば、各ジョブごとに最も有利に戦える敵を設定し、かつ、その「丁度いい相手」に勝てる、というような調整を行うことができるのです。この方法は、開発者にとってもプレイヤーにとっても理解しやすく確実でしょう。
 「バランスが取れている」と言いつつ、それを証明できる方法がどこにも存在しないのが今のFF11なのです。