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2005/5/2
・ジョブチェンジ (ジョブ分布の自然調整作用を狙う?)

・ジョブチェンジシステムとは
 FF11ではキャラクターの特徴を表現する方法としてジョブ(職業)を採用している。その「ジョブ」を、キャラクター作成後であっても好きなように変えられるのがジョブチェンジシステムである。
 従来からのファイナルファンタジーのジョブシステムがクラスシステムと異なる点は、キャラクターが成長しても必ずしも上級職になる必要はなく、幅広い選択肢が存在するところにあった。すなわち、RPGではプレイヤーキャラクターの数が限られるため、ジョブチェンジシステムで臨機応変にジョブを変えられるようにすることで、目的を達成する戦略性を高めることができるのである。

・ストーリーが作り出す状況に合わせて(FF3)
 ジョブチェンジシステムで成功を収めたのがFF3である。FF3のジョブチェンジシステムは、ストーリーと密接に関っていた。例えば、武器を持てない小人にならなくては進めない場所では、パーティ全員を一時的に魔道士にする必要があった。ストーリーが作り出す状況に適したジョブを選択することが攻略のポイントであり、同時にそれが面白さとなっていた。尚、ジョブの違いは主に戦闘中に使えるコマンド(たたかう、まほう、にげる、アイテムなど)で表現されていた。

・アビリティのカスタマイズ(FF5)
 FF5ではFF3のジョブチェンジシステムを発展させており、ジョブとは別に「アビリティ」が存在した。「アビリティ」とは、ジョブの個性を表す具体的な能力(ぬすむ、HPアップ、しろまほう、くろまほうなど)である。あるジョブで経験を積むとアビリティを獲得することができ、別のジョブになってもその能力を引き継ぐことができるようになる。これにより、FF5では状況に合ったジョブとアビリティの組み合わせを考えるという楽しみが生まれた。また、アビリティには前衛・後衛系の区別があるため、キャラクターの方向性を考えつつ育てることも必要だった。

・人気ジョブを渡り歩く(FF11)
 FF3、FF5のジョブチェンジシステムは、その目的が戦闘を切り抜けるというところにある点で共通している。しかし、FF11ではそれが当てはまらない。プレイヤーが操作できるキャラクターは1人であり、ジョブチェンジ自体もモグハウスという戦場から離れた施設でしか行えない。仮に、パーティのメンバーが固定されている状況であれば、ジョブの調整を行って戦闘に臨むことも考えられるが、そもそも1つのジョブを育てるだけでも膨大な時間がかかるため、とてもゲームの中心に据えることはできない。
 では、FF11のジョブチェンジは何であるかというと、複数のジョブを育てられるような時間に余裕のあるプレイヤーが人気ジョブを渡り歩くためのシステムと言うことができる。FF11は、バージョンアップによってパーティに誘われやすいジョブ(人気ジョブ)が変化してきた。それに合わせてジョブを変え、育てることで、プレイヤー自身が活躍できるというわけである。

・ジョブ分布の自然調整作用を狙う?
 FF11のジョブを2種類に分けると、前衛ジョブの10に対して後衛ジョブは5しかない。パーティに前・後衛が3人ずつのときが最良と考えると、どうしても後衛が足りなくなる。事実、後衛ジョブは人気がありパーティに誘われやすく、前衛ジョブは自分でリーダーをやらないとパーティからあぶれることが多い。更に、誘われやすさはそのままレベルの上がるスピードに影響するため、高レベルの後衛・取り残される前衛という図式が生まれジョブの分布が一層歪む。
 しかし、それでも―深刻な問題になってきたとはいえ―ゲームが成り立っているのは、ジョブチェンジシステムによって人気ジョブに流れるプレイヤーが存在するからである。製作者側から見れば、ジョブチェンジシステムはプレイヤーが自然に調整を行うため、ジョブのデザインがある程度いい加減でも構わないという点で都合が良いと言える。

― 個人の好みを無視 ―
 作り手が意図していたかどうかは別にして、ジョブチェンジシステムがジョブ分布の調整に一役買っているのは間違いありません。しかしこれは同時にプレイヤーにジョブを押し付けているとも言えます。ジョブの調整を十分に行わずに「回復役が足りなければ、ジョブチェンジがあるのだから、プレイヤーの誰かがジョブを変えてやればいい。」などという傲慢な態度が見え隠れします。
 ここで考えなくてはならないのは、ジョブの選択の基準は何かということです。FF11では、「人気(誘われやすさ)」が重要な基準の1つになっているわけですが、本来は個人の好みやジョブに対するイメージ・憧れが大切なのではないでしょうか。これは、MMORPGを自己顕示のゲームと捉えるか、それとも自己実現のゲームと捉えるかという思想の問題なので、難しい議論になると思いますが、私はアンケートによって解答を導き出せるのではないかと思っています。遊び始めて最初に選んだジョブ別の解約率を調べると面白いのではないでしょうか。