MMORPGの将来を考える会
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 MMORPGにおける発展的な取り組みや、諸問題及び対策事例をまとめていきます。たまに私の妄想が入ってきますが、ご愛嬌ということで。
 ご意見、情報提供等ありましたら、こちら(ブログ掲示板、メール)までお願いします。


【 コミュニティ 】
 ―現在の状況― (2009/8/14)

■コミュニティの発展
 以下の3点を強化する仕組みについて、既存・開発中のものを交えて検討。
   (1)人との出会い (2)コミュニティとの出会い (3)新規・出会い減への対策

■コミュニティの衰退
 衰退の原因は、常連が幅を利かせるからだけなのか。参加を促す仕組みがあれば良いのか。2〜3年で潰れないコミュニティを検討。

■問題解決型と馴れ合い型
 「問題解決型:イノベーター・アーリーアダプター」、「馴れ合い型:アーリーマジョリティ以降」として良いのか?
 また、両者を長く共存させた方が良いのか、問題解決型の残した資産を活用する方法等について検討。

■コミュニティの五角形モデル
 コミュニティに必要な機能について検討。
■コミュニティの価値
 コミュニティの価値を高める方法について検討。
■コミュニティの構造化
 コミュニティに縦の階層や横のつながりを取り入れられるか検討。




■コミュニティの発展

・出会いのゲーム  2008.10.7

[友達との遊び道具と友達作りの道具]
http://blog.livedoor.jp/borisgoto/archives/51505742.html

 『友人と遊ぶためのゲームが存在する一方で、MMOに「新しい出会い」を求めるケースはいまだに多い。しかし、MMOでの「出会い」は既に枠にはまっていないだろうか。』

 私自身を振り返ってみても、たしかにMMOに「出会い」を求めていたように思います。UOというゲームがあって、そこには物乞いや追いはぎが暮らしていて、職人ギルドや未亡人の会といったコミュニティがあって・・・。人づてに聞いたこの話がMMO(FFXI。今となってはなんで?と言われかねませんが)で遊ぶきっかけとなりました。
 FFXIの場合、自分なりの暮らしを模索しようとしたプレイヤーは、サービス開始から1年も経たずに去ってしまったように思います。印象的な出会いが減るにつれてフレンドリストへの登録も減り、リンクシェルの受け渡しが中心になっていきました。ゲーム内容も、3国の中心にジュノを配置したマップに象徴されるように当初は「出会い」が意識されていましたが、アトルガン以降は仲の良いプレイヤーどうしで遊ぶためのコンテンツにシフトしていきました。

 さて、前置きが長くなってしまいましたが、FFXIを見る限り、MMOには次の2つの側面があるようです。

 (1)出会いのゲーム
 (2)コミュニケーションツール

 (1)はサービス開始直後のMMOではまさにそうなのですが、時間が経過して新規のユーザが減ってきた場合に出会いも減ることが問題です。
 (2)はネットを利用した他のサービスと比較した場合に優位性が無いことが問題です。MMOを、MMO内で生まれたコミュニティ以外が利用することはあまり考えられません。
 そこで、「MMOとは何か?」をFFXIの例をベースに考えてみたところ、次のようになりました。

 (3)「人との出会い」から「コミュニティとの出会い」へと変化するゲーム


・日本向けMMOの運営パターン  2009/1/4

 FFXIを見ると、MMOの日本での運営パターン(1→2→3の順に注力)はきっとこんな感じです。

 (1)人との出会い (家・町作りシステム?)
 (2)コミュニティとの出会い (LSに代わる何か)
 (3)新規・出会い減への対策 (サーバ移転サービス?)

 それぞれのフェーズにおいて、求められるシステム、コンテンツ等が異なるため、意識して切り替えを行う必要がありそうです。

 なお、FFXIでは「(2)コミュニティとの出会い」を強化する仕組みが特に弱かった(公式サイトのリンクシェルサーチのみ)ため、ゲーム内でコミュニティの特徴を浮き上がらせ、出会いを助ける仕組みについては検討の余地があります。
 同様に、(1)(3)についても、既存の優れた仕組みがあれば紹介しつつ、検討していきたいと思います。


・家、町から始まるコミュニティ  2008/12/13

 ―「人との出会い」「コミュニティとの出会い」を強化する仕組み―
 アルカディアサーガの家、町づくりシステムは良いのではないかと思います。
 家や町と人がセットになって「出会い」が強化され、さらに「コミュニティ」への参加が容易になりそうです。
 LSのようなコミュニティはチャットの相性がほぼすべてなのに、外からだと中の様子が分かりませんでしたからね。近くに住んでいれば会話をする機会もあるでしょう。事前に雰囲気が分かることで、コミュニティとのアンマッチが防げそうです。
 あとは、コミュニティを探すための仕組みが必要でしょうね。

 また、話は逸れますが、近所やフレンドとチャットはしてもらって、LSに該当するコミュニティではチャット無しでもいい気がしてます。LSの目標設定を上手にゲームに取り込めないかと考え中。難しそうですけど。




■コミュニティの衰退

 コミュニティは、サービス開始初期にはユーザの増加とともに順調に発展していくと思われますが、新規のユーザが少なくなるにつれて、いろいろと問題が出てきそうです。


・小規模コミュニティの乱立

【mixiでは】
 MMOではありませんが、以下はmixiについての記事です。目的が全く同じコミュニティが複数存在することで、結果的に知り合える友人の数が減ってしまうことを問題視しています。個人に焦点を当てると「マイミク20人以下を境にアクティブ率が急落」とのことですが、コミュニティに関しても維持に必要な最低人数というものが在りそうです。

[マイミク20人以下を境にアクティブ率が急落する]
http://www.itmedia.co.jp/news/articles/0802/08/news013.html

【FFXIでは】
 さて、mixiをFFXIに置き換えると「マイミク=フレンドリスト」、「コミュニティ=リンクシェル」だと思うのですが、リンクシェル(LS)について考えたいのは以下の2点です。

(1)小規模LSの乱立をどう防ぐか?
 既に存在するLSを検索できるサービスとしてLSコミュニティが作られましたが、検索機能が貧弱、ゲーム内から使用できない等の理由から効果は不明です。
 ただ、上記の欠点が解消されれば、「無いなら作るか」というケースは減るはずです。
 その他のケースについては、LSと一般のコミュニティの目的の違いから考える必要がありそうなので、とりあえず触れません。

(2)LSの維持に必要な最低人数は?
 mixi等のコミュニティとの違いは、ゲームデザインの影響を受けるという点です。MMOにおけるコミュニティを考える際は、ゲームデザインも頭に入れておく必要があるかもしれないのです。
 FFXIの国勢調査からヒントを得ようと2005年以降のデータを眺めてみると、以下のような傾向がありました。

 (a) LSの数は2006年以降減少 ('06→'07[-4.9%]→'08[-5.7%])
 (b) 1-9(人)のLSの割合は増加 ('06[71.0%]→'07[72.7%]→'08[78.1%])
 (c) 10-19(人)以上のLSはすべて減少 ('06→'07→'08、例外で増減無しは90-99(人))
  (c-1) 50-59(人)以上のLS数は'05→'06に大幅増(+27%)、'06→'07に大幅減(-32%)
  (c-2) '07→'08は10-19(人)から80-89(人)までのLSが満遍無く減少

[FFXI 国勢調査(2005年〜2008年)]
http://www.playonline.com/ff11/guide/development/census/05/07linkshell.html
http://www.playonline.com/ff11/guide/development/census/06/06linkshell.html
http://www.playonline.com/ff11/guide/development/census/07/06linkshell.html
http://www.playonline.com/ff11/guide/development/census/08/06linkshell.html

 この分析結果だと、LSの維持に必要な最低人数は90人!になってしまいますが、さすがにそれは無いでしょう。「必要最低人数は存在しない」という結論もあり得ますが、細かいデータがあるなら6人(1パーティの最大人数)前後で分析したいものです。
 また、全体の傾向としてはLSの数も規模も小さくなっているようです。(c-1)はコンテンツの流行り廃りによるもの?でしょうか。(b)は、1-9(人)ぐらいが安定していて長続きしているとも取れますが、LSの衰退・消滅の前兆かもしれません。

【結論は出ず・・・】
 残念ながら結論は出ませんでしたので、引き続き情報を集めていきたいと思います。1パーティの最大人数を5人以下に設計した場合、コミュニティの規模はより小さく、消滅しやすくなるとかあるかも。

MEMO
・コミュニティの活動はゲームの内or外?
・フレンドリストとリンクシェルの違い
・フレンドリストの改善案(ログイン状態、現在の居場所が分かるだけ)
・LS=Web上の一般的なコミュニティとは限らない。(作成の目的が人集めになっているケース)


・参加を促し、常連を作らない仕組み  2009/1/4

 ひろゆきさんの話 興味深かったのはこの2つ。

 『5人のバイク好きが1年間話をして仲良くなったところに、1人のバイク好きが新たに参加するのは難しい。なので、属人情報を無くすことで参加しやすくしている。』
 『コミュニティはだいたい2,3年で潰れる。常連が幅を利かせるようになるから。これをシステム的にいじって解決できないか試行錯誤中。』

 問題意識としては全く同感です。常連が幅を利かせたくなるのは分かるのですが、それが新規メンバの参入を妨げ、結局はコミュニティ衰退の原因となります。
 MMOではサービスが7年続くこともありますから、2・3年で潰れてしまっては困るのです。「誰が居るか分からないけど目的は同じだよね」という集団をMMOに作るとしたら、どうなるでしょうかね。考えてみます。
 元記事の試行錯誤の部分は「ロビー>サロン>ニュー速>VIP」という流れがあるようなんですが、よく分からないので調べます。




■問題解決型と馴れ合い型

 そもそもコミュニティのタイプには何があるのか調べていませんが、問題解決型、馴れ合い型の2つを取り上げます。それぞれの特徴はこんな感じだと予想。
 
 問題解決型:目的は問題発見・解決
 馴れ合い型:目的は同じ時間を過ごすこと
 
 で、この2種類について、ニコニコ動画、FF11を例に考えてみます。
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 [ニコニコ動画では]
 サービス開始初期から現在までの人気動画を見たところ、次のような印象を持ちました。

 (1)コミュニティが問題解決型と馴れ合い型のどちらになるのかを決めるのは、コミュニティのメンバの性質(当たり前かもしれないですが)。
 (2)時間の経過とともに問題解決型は減少し、馴れ合い型が増加する。これはおそらく既存のコミュニティの性質が変化するわけではなく、性質の異なるユーザが増えるから。
 (3)性質の異なるユーザが増えるのは、初期にシステム・機能面での改善が行われ、中後期にコンテンツが充実してくるから。

 初期の問題解決型のコミュニティは何を問題と捉えるかというと、既存の動画共有サービスそのものだと思います。日本向けのサービスが欲しいとか、既存のサービスが物足りないという人たちの集まりです。
 サービス中後期にも問題はあるでしょうが、とりあえず区別しようと思います。今のニコ動では黒字化しない、一般化しない↓とかなんでしょうが、ユーザの興味とは離れていそうですので。
 [“一般化”を目指すニコニコ動画の戦略]

 一方で、最近力を入れている「ニコニコ生放送」は同じ時間を過ごすための仕掛けと言えるかもしれません。
 この話題の終着点は、問題解決型・馴れ合い型のどちらが良い悪いではなく、問題解決型の人たちの残した資産をどう活用するか、活用の計画をどう立てるかではないかと思っています。
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 参考になった動画はこれ↓
 【ニコニコ動画】新・豪血寺一族 -煩悩解放 - レッツゴー!陰陽師 かつての繁栄
 >>今、陰陽師を見ても何これ?ですが、当時の様子を見ると人気がよく分かります。注目すべきはただの感想や批評的なコメントが無いこと。「動画にコメントを付けられる」という新機能を使って面白いことやろうぜ!という雰囲気が伝わってきます。
 (【ニコニコ動画】ニコニコ動画(β)とは

 【ニコニコ動画】ニコニコランキングSP4 年の瀬ですね、わかります。スペシャル Part3
 >>最近は特定の嗜好に偏ったランキングになってきていることが分かります。ランキング工作(馴れ合いの一種なのでは?)疑惑の話題もチラホラ。
 (テキスト版ランキング
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 次回はFF11の変化について書いていく予定です。



■コミュニティの五角形モデル

 コミュニティの五角形モデル(会話、指導、オフ会、他ゲーム勧誘、他ゲーム情報)の元ネタ本を読みました。内容をまとめるとこんな感じです。

 ・コミュニティのリーダーは1人ではなく3分業制
   (コミュニティ内活性化、情報収集・発信、オフ会・他ゲーム勧誘)
 ・他ゲームへの移民現象はオフ会参加がきっかけ
   (ゲーム外での友人関係があると発生しやすい)

 FFXIでは9人以下のLSは1人リーダーあるいはリーダー不在で、10人以上で長持ちしているLSは分業制ができているという感じなのかもしれません。分業制がコミュニティの維持・発展に欠かせないということであれば、運営としては当然サポートしなくてはいけないということに。
 難しいのはオフ会・他ゲーム勧誘リーダーの扱いでしょうね。実はこの人たちの意見が重要という可能性もあります。



■コミュニティの価値

 (プレイヤーはMMOのコンテンツ・目新しさよりも、他人との体験に価値を見出しているようです。他人は「知らない人」と「知り合い」に分けられますが、全く知らない人と楽しく遊ぶことを前提に作られているMMOは少ないため、知り合いどうしのコミュニティの価値を高めることが重要と考えられます。)

 野島氏の話。ユーザは価値に対してお金を払うという前提です↓

 『オンライゲームの価値は「一緒に冒険をした」「一緒に戦った」という“体験”であり“活動”にある。』

 感覚的にもそうだろうと思うので、お金を使うとしたら、(1)「一緒に」をサポートしてくれる何か、(2)「冒険」「戦い」(コンテンツ)、(3)その他の活動に対する何かとなります。
 この中で有力なのはやっぱり(1)ですかね。追加ディスクやアイテムを買ったところで、ゲームが面白くはならないよなあと思ってますし。
 ただ、FFXIの「冒険」や「戦い」は何か違うというか満足できなかったので、(2)を突き詰める余地は十分ありそうですが。



■コミュニティの構造化

 (コミュニティがフラットに作られている場合、それぞれが関わり合うことで、マイノリティは排除されていくと考えられます。これを、コミュニティを構造化(階層化など)することにより、防げないかというのが一つ(そもそもワールド・チャンネルを分けてしまうという方法がありますが)。もう一つは、コミュニティ内の役割・立場が同じ人たちを横断的につなぐことで、新しいコミュニティが生まれるのではないかと考えています。)

 mixi招待制廃止はユーザ数拡大が狙いだそうですが、人には「特定の人と関わりたくない」という欲求?があります。
 私の上司の×3上司が、「バブルの頃は周りに低レベルな人が多くてやる気が出なかった。今は優秀な人に囲まれて楽しい。」とよく言っていますし、コミュニティも人が増え過ぎると特徴が無くなって面白くなくなるということがあります。
 MMOのコミュニティに階層(縦のつながり)や横のつながりを取り入れるとどうなるのかなあ、なんてぼんやり考え中。FFXIのコミュニティは同じアイテム(自分用)が欲しい人の集まりだったりしますし、プレイヤーが価値を生み出すことはあまり無かったわけで。