林冠・キャノピー

Canopyとは空と森との境界面で林冠の事。樹の梢の葉が一番繁った所で太陽光を受け光合成も最も盛んだし、花も咲き実も稔り昆虫や動物達が活動する最も生命溢れる所だ。その重要生が認識され1980年代よりキャノピーの研究が盛んになって来ている。
Sarawak Malaysia
地上55メートルのフタバガキの林冠より魚眼レンズで撮影。普通キャノピーに達し充分な光を得られるようになった木はそれ以上高く成長するのは止めるというが、ボルネオでは林冠を突き抜ける超高木がある。林冠の木々の葉はいずれも小さく大きな葉は例外的にしか見当たらない。強い光による水分の蒸発を避けるため小さい葉が有利だと思われる。
Sarawak,Malaysial
光を求めて成長してきたはずの樹達がキャノピーに達するとその光により大きなパラドックスを抱える事になる。光合成を行う時二酸化炭素を吸収し酸素を吐き出すのに葉の気孔を開くが光が強すぎるとそこから水分が蒸発して樹は乾燥してしまう。また光は必要だがDNAを傷つけてしまう紫外線は植物にとっても有害だ。その紫外線と乾燥にも対処しなければならない。
Cameroon,Africa
キャノピーは光合成が盛んなだけでなく花が咲き実がなり昆虫や動物が活動する場で地上の数倍もその密度は高い。キャノピー研究が始まるに連れ数え切れないほど新種の昆虫がぞくぞくと見つかり未だ名前も付けられず登録待ちの状態が何時までも続いている。
 キャノピーにヤシの蔓植物の籐が登り着いている。一般に蔓植物は水分を吸い上げる導管が太く大量の水分を補給出来乾燥に強いようだ。

光の獲得競争 1

  植物には光は無くてはならない絶対に必要なものだ。その光を求め植物は様々な戦略をとる。上へ上へと成長しキャノピーを形成するもの、寄るらば大樹の影と他者を利用するちゃかり者、熱帯の植物は種の数も生き方も多種多様だ。

隣より高く

Cameroun Africa
熱帯雨林のキャノピー(林冠)の高さは所により差はあるが40〜60メートルも有る。13〜20階建てのビルに当たる高さだ。隣の木の影では充分な光は得られないので隣よりより高く成長したほうが有利だ。長い時間をかけて高くそびえる大木に進化して来た木達がキャノピーを形成する。
Gabon Africa
ほとんどの熱帯雨林の土壌は豊かではく栄養に富む腐葉土は10〜20cm程の深さで根は地中深く張らず地表近くを這っているに過ぎない。高い大木は体を支えるために板根や杖根の地表上に出ている気根を張り出して幹を支えている。
Amazon French Guyana
見事なまでに大きな板根を発達させた樹。樹高は約20m、幹は直径約1.5mと小ぶりなのに板根は高いところで3m、半径6〜7mの範囲に拡がっている。幹を支えるのには充分すぎるほど大きい。だがこの様な支柱根を持たない大木もあり、杖根や板根の役目が本当の所は分からないと言う学者も中にはいる。


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