少年非行

 

少年事件は、群れと個人の関係がわかりやすく現れる。

例えば、ある集団の構成員が、他の集団の構成員から暴行を受ける。それに対して、報復をするため、集団的に、その集団に対して殴り込みをかけ、乱闘になる。負傷者もでるという事件があったとする。

これは、暴行罪や狂気準備集合罪に該当する刑事犯である。国家の規範、ルールを破る行為である。国民として、制裁を受け、秩序の回復をされなければならない違法な行為である。当該少年たちも、違法であることは認識している。しかし、あえてそれを破っているのである。彼らは、無法者なのだろうか。

実は必ずしもそうではない。彼らは、国に、自分が守られているという意識が極端に低い。むしろ、国というか大人社会が自分を苦しめているという意識を持っている。自分が尊重されていないという意識である。当然、国に対して帰属意識が弱い。このため、国のルールである法律に重きを置かないのである。

これに対して、彼らは、集団に対しては帰属意識を持っている。ある程度、自分という個性を尊重してくれる。いざとなったら自分を守ってくれる。だから、集団の危機は自分の危機であり、この危機を打開しなければならないということになる。国のルールは守らなくても、集団の掟は守るのである。

要するに帰属意識が、国に対してあるのか、少年グループなのかの違いである。存外、国に対する帰属意識というのは、対象が大きすぎて、自然発生的には生まれないものである。また、それでいいのだと思う。むしろ、家族だったり、職場だったりに対する帰属意識が、国家という抽象的な観念を想起させ、遵法を動機付けるのではないだろうか。合法的な群れに帰属させ、尊重されていることを感じることが、成長の鍵になるはずである。


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