第十七話
―感染症編―

毎年恒例のインフルエンザの予防接種も始まり、クリニックも冬モード。冬はインフルエンザを代表とする冬型のウイルスが猛威を振るうこともあり、感染症で受診する方がが多い季節です。
多くのみなさんは、感染症で病院に行くと「食事は消化にいいものを」と言われることでしょう。では、「消化にいいもの」とはどんな食事なのでしょうか。
また、病気のときに望ましい食事とはどういったものでしょうか。

 基本は水分と糖分

水分
:病気のときに忘れてならないのは水分です。
熱があったり、食欲がなかったりするときは、普段の1.5倍〜2倍の水分が必要です。
(具体的な量は年齢や体重、そのときの状態によって異なります。主治医に確認しましょう。)
食事を摂れない場合は一日の必要量を、まさに飲み物だけから摂らなくてはなりません。そして特にそのような時は、ただの水やお茶よりも糖分や電解質(ナトリウム、カリウムなど)を含んだもののほうがよいでしょう。もちろん、味噌汁や野菜スープも水分に入ります。乳児の場合は果汁、イオン飲料はお湯で割って薄めたほうが飲みやすく、体にもいいと思います。炭水化物:食事はお米、小麦、いも類といった炭水化物(でんぷん)を主体にし、体にやさしい形にして摂ることが大切です。つまり、よく加熱するということです。
たとえば、芋がゆや煮込みうどんはその代表例です。ただし、ソバやパスタは好ましくないので避けたほうが無難です。

:下痢のときに糖分の高いものを大量に摂ると悪化することがあるのは事実ですが糖は短時間でエネルギーになり、緊急時や病初期には意識的に多めに摂るべきだと思います。(特に子供の場合)乳児以外は飴玉でもいいですから、糖分を摂りましょう。


 脂肪は大敵!
   体の具合が悪いとき(特に病初期や下痢・嘔吐があるとき)、食欲がないときに脂肪分の多い食事は禁物です。
食材そのものに脂肪が多いものも同じです。
栄養的には大きなエネルギー源ですが、消化・吸収の面では体に負担となります。
ただし乳児期の栄養主体である母乳、粉乳等の乳脂肪は制限しません。また、下痢をしているときは、繊維の多い食材も消化しにくいので避けます。(れんこん、たけのこ、乾物類等)たんぱく質を摂る場合は、なるべく植物性(とうふなどの大豆製品)のものを選び、動物性たんぱく質の脂肪を避けるようにします。ただし、卵はアレルギー素因がないならかまいません。

 ビタミンは自然な食事から
最近ではいわゆるサプリメントが多く出回り、常時摂取している子供もいるほどです。
確かにビタミン類は体に必要なものですが、吸収の点からもできるだけ天然の形で摂ることをお勧めします。
各ビタミンの必要量はそれほど多くはありません。
食事が進まないときは積極的に果物を食べましょう。缶詰めでも大丈夫です。また、ビタミンB群は少量の油と調理することでさらに吸収がよくなります。さらに、野菜をたっぷり入れて作ったスープの上澄みでもビタミンの補給はできます。

 食欲は健康のバロメーター!

特にお年寄りや子供の場合、食欲は心身の健康状態を表すよい指標となってくれます。
食べないときは食べられないときで、体が欲していないか受け入れる能力がないからだと思って対処すべきでしょう。
一般的に子供は体の要求に素直に従う傾向があります。
先入観で決めつけずに、素朴な食事を与えてみる価値はあると思います。
やっと治ってきて、久しぶりに口にした食事は、普段口にしないものでもおいしく感じ、新しい発見があるかもしれません。


 お医者さんに聞こう!

医者は栄養士さんではありませんが、きちんと栄養の知識を持っています。
わからないことは遠慮なくどんどん尋ねてみてください。