Good Morning


 意識が回復すると、少年は薄暗い密室に隔離されていた。

 室内は正体不明の液体で充たされ、機密性が高い割に非常に落ち着く印象を受ける場所でもあった。少年は快く我が身を委ねる事にした。

 そもそも何でこの様な場所にいるのか?

 当初の目的は何であったのか?

 少年にはもうどうでも良かった。彼はただ隙間無く己が肉体を預けているに過ぎないのだった。

 やがて、少年の収められた容器一杯にあの奇妙な球体が成長すると、内圧によって容器が破壊された。すっかり水溶性になった肉体はアメーバ状の様相を呈し、えも言われぬ醜悪な塊をさらけ出していた。

 少年はもう一切の感情を喪失し、自分が生きているのか死んでいるのかさえ判別不可能に陥っている。

 そして、少年は自らを尚も肥大させ、全てを飲み込んでいった。


1999.11.092000.03.30