モーシルちゃんといた日々


0日目(05.07.16)

HAMACON2(SF大会)から帰宅すると、一通のメールが届いていた。

『河村 塔様、初めまして。
「牛の憩い場」の管理人をやっています、まだら牛です。
貴方のサイトを次のモーシルちゃんの訪問先に指定させていただきたいと思います。
よろしくお願いします。』

ICU 代表 河村:ウヒャ━━━ヽ(゚Д゚)ノ━━━━ !!>心の叫び

ICU 経理 枕崎:やっと帰ってきたんだ(呆)。真夜中なんだから、そんな奇声あげてないで、とっとと、仕事して…

ICU 代表 河村:そんな暇あるか。直ぐにお迎えの準備をせねば。

ICU 経理 枕崎:って、あんた明日も横浜に行くんでしょー(怒)! サボってないでシナリオ書かないと、いろいろ間に合わないわよ!!

たかたかたかたかたかたかたかたか…。>耳を塞ぎ、キーを叩く河村

ICU 経理 枕崎:…もぅ!

―――数時間後 日付も変わって07.17未明

モーシル:今日からお世話になる、モーシルだモー。>胸がつかえない角度でお辞儀

ICU 代表 河村:と言う訳で、今日から暫くうちに泊まる事になったから。よろしく。

ICU 経理 枕崎:それはいいけど誰が面倒見るの? 貴方、明日もSF大会よね。

ICU 代表 河村:連れて行くよ。当日登録出来るし。色々見て回るのも旅の楽しみだろ。ね。

モーシル:横浜! みなとみらい! えすえふ! 行った事無いモー。

ICU 代表 河村:彼女は、身体が弱いウラシルちゃんの細胞(白血球)だから、余り出掛けた事無いんだよ。なぁ、いいだろ。ちょっと位。

ICU 経理 枕崎:なら、普通に観光させたら。何もSF大会でなくとも。

ICU 代表 河村:普通の経験じゃ、つまらないだろ。それにSF大会じゃないと、寧ろ目立つぞこの格好。

モーシル:むぐむぐむぐ……>昨日取り込んだDNAを反芻中

ICU 経理 枕崎:解った。その代わり、毎晩必ず原稿書きなさいね。

ICU 代表 河村:よっしゃ!

モーシル:楽しみモー!

ICU 経理 枕崎:所で、その語尾がモーってのは仕様?

モーシル:そうだモー。

ICU 代表 河村:公式サイトでもそう喋ってるモー。

ICU 経理 枕崎:………私、今夜はもう寝るね。出掛ける時に声かけて。>頭痛に顔をしかめて退室

モーシル&河村:解ったモー。

こうして、モーシルちゃんとの奇妙な生活が始まった。


1日目(05.07.17)

AM9:30 SFファンで沸き返るHAMACON2@パシフィコ横浜。

河村:登録終わったか?

モーシル:終わったモー。でも、交通費や登録料、奢って貰って本当に良いのかモー?

河村:こう言うのは、ホスト・ファミリーの当然の役目だからな。細かい事、気にするより、楽しめー!

モーシル:有難うだモー。

河村:んじゃ、最初はサイバーパンクの部屋から行くぞ。

モーシル:わーい…って所で、サイバーパンクって何だモー?

河村:チバシティで電脳で偽アジアンでゴシックでサングラスなモノだ!

モーシル:チバシティで電脳で偽アジアンでゴシックでサングラスなモノって何だモー?

河村:予習させてる余裕無かったからなぁ…。ま、その辺は部屋行きゃ解るから。5F急ぐぞ!

モーシル:合点承知だモー!

―――約10時間後

河村:只今ー。

モーシル:これお土産モー。>肉饅と月餅を枕崎に渡す

枕崎:有難う、モーシルちゃん! SF大会はどうだった?

モーシル:楽しかったけど、大会そのものがSFだったモー。

枕崎:言い得て妙ね。

河村:暗黒星雲賞二部門をタイムテーブルが制覇だからな。まぁ、でも、これもSF大会の醍醐味だし。

モーシル:何事も楽しめモー!

枕崎:なるほど(溜息)。で、横浜観光はどうだった?

河村:花火大会の混雑が凄くて、土産買うので力尽きた。明日、何処か連れて行ってやってくれないか?

枕崎:待ってました! モーシルちゃん、何処か行きたい所ある?

モーシル:仁青通りモー。

枕崎:2005年の千葉市には未だ無いから、それは無理ね。

モーシル:じゃ、今夜ふたりで一緒に決めるモー!

枕崎:OK! お勧めのスポット、いーっぱい用意してあるからね。>パンフ、ガイド、DVDの類を山程広げる

河村:おい、何かこれ量…って言うか、何で京都とか広島とかあるんだよ!

枕崎:本当は泊まりで行きたいけど、次の宿泊先から何時メール来るか解らないしね。その前に、行ける所行っとかないと。

モーシル:時間は有限だモー。

河村:って言うか、その前にその金は何処から…。

枕崎:取材費って事で、伝票処理としとくから。>河村の眼前に通帳を投げる

河村:あー、今、ウチ定期収入(連載とか)無いっつーのに!

枕崎:と言う訳で、お仕事頑張ってねv

モーシル:何事も楽しめモー。

河村:うおおおおおおおおおおおおおおおお(血涙)。

こうして、モーシルちゃんとの(便宜上)最初の夜は、血の海に沈んでいった―――。

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2日目(05.07.18)

気絶しながらキーボードを叩いたり、本を読む河村。

河村:うおー、腹減った…。あいつら何処まで行ったんだ?>書き置きを一瞥する

『捜さないで下さい。 モーシル&枕崎』

河村:今時こんなメモ、漫画でも見ねぇっての。帰るまで夕食待つ気だったけど、出前取るかな(苛)。

モーシル:只今モー。

枕崎:はい、これお土産。

河村:早売りコミックス…て、事は!

モーシル:神田書店街に行ったモー。

枕崎:昨夜、OAV版『R.O.D』を観せた影響かしら。他にも鳳学園見学とか、葛西で観覧車とか、河原でキャッチボールとか、天王洲アイルでワールド・シェイキング、広島・尾道ツアーって案があったんだけど。

モーシル:半蔵門線接続列車に乗って、二子玉川の方にもちらっと行ったモー。

河村:アニメ版『LOVELESS』も観せたのか。じゃ、一日都内聖地巡礼か?

枕崎:N駅とか、K駅の方も行ったわ。

河村:中央線沿線聖地ツアーか。他の宿泊先の人も連れて行きそうだけどなぁ。

モーシル:だから、敢えて秋葉原は外したモー。発売したらイヤでもそこに行くからモー。

河村:そりゃそうだ。ま、それはともかく、明日、朝早いからさっさと寝なさい。

枕崎:朝早い?>眦がきらりと光る

モーシル:はーい、お休みなさいだモー。

河村:はい、お休み。後でご挨拶もあるからなー。

モーシル:解ったモー。>ぱたぱたと部屋(仮眠室)に戻る

枕崎:所で、明日朝早いって何?

河村:(゜o゜;)/ギク

枕崎:明日、取材も打ち合わせも無かったわよねぇ。

河村:ああ、早朝散歩に行こうって話。徹夜明けで良く行くじゃん、仕事場の前の公園。

枕崎:ふーん……。

だが、枕崎はこの時、河村の肘の下にニ体の光合成生物が描かれたチケットが敷かれているのを見逃さなかった。

枕崎:じゃ、私、ノートPCのメンテしておくから。

河村:お、珍しいじゃん。有難う。

枕崎:まぁね、たまにはね。今日、遊びに行けたのも、あんたのお陰だしね。

こうして、モーシルちゃんとの二日目の夜は、交錯する思惑の波に呑まれていった―――。

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3日目(05.07.19)

AM4:00 夜も明けきらぬモーシルの寝室に影が忍び寄る。

河村:起きろ。5時にタクシー迎えに来るから、顔洗って支度しろ。>ゆさゆさ

モーシル:(目を擦りながら)支度って…何処行くモー? 夜逃げかモー?

河村:愛・地球博だ。

モーシル:愛・地球博って何だモー?

河村:1851年イギリス発祥の国際博覧会だ。国際博覧会条約によれば『二以上の国が参加した、公衆の教育を主たる目的とする催しであって、文明の必要とするものに応ずるために人類が利用することのできる手段又は人類の活動の一若しくは二以上の部門において達成された進歩若しくはそれらの部門における将来の展望を示すものをいう』ものだが…まぁ、簡単に言えばデカイ祭りだな。

モーシル:祭り! 国際博覧会! コスモ星丸に逢えるかモー?

河村:光合成する禁断の二人、木殺と森憎には逢えるぞ。

モーシル:じゃ、行くモー!>即決

河村:よしよし。前売りと新幹線の切符は用意済だ。行くぞ!

枕崎:何処行くの?

河村:)))))))))))(゜o゜;)/ギク

枕崎:あんた、まさか今日も遊ぶつもりじゃないでしょうね。>詰め寄る

河村:めめめめめ滅相も御座らん。今日は社会科見学で御座る。

枕崎:なら、私が同行してもいいわね。>前売と新幹線の切符を振る

モーシル:うわ、同じ切符だモー。

河村:ぬな、何時の間に!

枕崎:ノートPCのバッテリは充電済。車内でも勿論仕事するわよね。>眦が鋭く光る

河村:……はい。>しくしくしく

かくして、二人と単細胞の日帰り旅行が敢行された。

―――約20時間後

モーシル:ただいまモー。

河村:マジ疲れた。鼠王国やコミケ以上に消耗するイベント、久し振りだよ。

モーシル:木殺と森憎は、3Dより2Dの方が可愛いモー。

河村:そこは大人の事情で察してやれ。

枕崎:日帰り強行軍だと、企業パビリオンは2つか3つが限度ね。ト ヨ タ 館の整理券が瞬殺だったのが悔しいなー。夏冬の外周以上の激戦ね。

河村:俺は押井守&川井憲次の『めざめの方舟』観られたからいい。DVDもパンフも絵本も買ったし。

モーシル:海外パビリオンも面白かったモー。

河村:モーシルちゃんは何処が気に入った?

モーシル:イ エ …

枕崎:それ以上言っちゃ駄目っ!>モーシルの口を塞ぐ

河村:会期始まっても工事終わらなかった事を、TV取材された館か。俺も好き。

モーシル:杜撰な内・外装、展示物は密室に隠蔽、VOW級の日本語表記、館内9割のスペースを占める値札無し+電卓叩き合い市場、溢れる商人、ある意味、一番御国柄が出ていた気がするモーv

枕崎:こら! 無用に国際問題の火種をまかない(怒)!

モーシル:ぴんぽんぱんぽーん。この旅行記はフィクションです。実在のイベント、キャラクター、団体、国家などとは一切関係ありませんモー。

―閑話休題―

河村:正直な話、飯は美味かったよな。紫トウモロコシジュースとか。ワニバーガーとか。

モーシル:ロイヤルミルクティーとか、スイスチーズも良かったモー。

河村:俺的には、乳製品はモーシルちゃんの方が断然…ぐわ!

枕崎:(ヒールでぐりぐり踏み躙りながら)あんた何時の間にそんな……(怒)

河村:やだなぁ、そんな。公式未発表部分は弄るのが普通だろ。

枕崎:限度ってものがあるでしょ!

河村:いや、でも真面目な話、うちに来てもう3日だし。何時、次の宿泊先が見付かるか解らないからさ、俺としてはその…良い思い出作りになれば…ってな。

枕崎:そうね。まだ引き受け先のメールが来ないとは言え、あの娘は旅の途中なんだもんね。

河村:そ。と言う訳で、引き続き、次の宿主さん募集中でーす。

モーシル:宜しくだモー。

次回宿泊先希望メール 0通


4日目(05.07.20)

と、PR文を出して数時間後。

河村のメールボックスに一通のメールが届けられた。

河村:遂に来たか…。

枕崎:次の宿泊先希望のメール?

河村:ああ。>眉を顰める

枕崎:良かったわね、モーシルちゃん。

モーシル:なかなか優しそうな人だモー。>サイトを見ながら

枕崎:何、仏頂面してんのよ。気に入らない所でもあるの?

河村:無いよ…。

枕崎:この日が来るのは、企画に乗った段階から解ってた事でしょ? 今更、小学生みたいに駄々こねたって…

河村:ぶわ。

枕崎:ちょっ…あんたねぇ。

河村:いや、何かさぁ、頭の中でドナドナがリフレインして…。

モーシル:え、まさか私、売られて行くのかモー?

枕崎:そんな訳無いでしょ、縁起でも無い。ちょっと、あんたの所為でモーシルちゃんが不安がってるでしょ。フォロー入れなさいよ。>脇腹を肘打ちする

河村:あ、ああ。

モーシル:短い間だったけど、お世話になったモー。>ぺっこりあ

河村:新しいサイトに行っても、元気でやれよ。

モーシル:発売日が来ても、生産中止になっても、この4日間は忘れないモー。

河村:ぶわ。

枕崎:あんたは、花嫁の父か!

河村:だ、だってさー、うううううううううう。ずびずび。ぐしゅぐしゅ。

モーシル:別れを惜しまれるのは嬉しいけど、泣かれると、やりにくいモー^^;

枕崎:ウチから居なくなったって、この世から消えて無くなる訳じゃないんだから。

モーシル:そうだモー。2ヵ月後には、また逢えるモー。

河村:……そうだな。(涙と鼻水を拭いて)原稿でも書きながら、黒猫でウチに来る日を待ってるよ。

モーシル:じゃ、そろそろ行くモー。

河村:またな。

枕崎:身体に気をつけて元気でね。保険証のコピーは持った? くれぐれも、生水は飲んじゃ駄目よ。おやつは300円まで。いい?

モーシル:解ったモー。

河村:お前はおかんか?

モーシル:9月30日になったら、また遊んでモー。

こうして、怒涛の4日間が過ぎ、モーシルは次の宿泊先『季刊 葉月日記』さまへ旅立って行った。

だが、モーシルの旅はまだまだ続く。

頑張れ、モーシル。

例え、ウサギに追い付けなくとも。

頑張れ、モーシルちゃん。

例え、ネコに離されても。

頑張れ、モーシルちゃん。

例え、カニが猛追しても。

モーシルちゃんはモーシルちゃんなりに、歩いて行けば良い。

我々はそんなモーシルちゃんを、生温かく見守り、生優しく愛しているから。

モーシルといた日々:完

次回宿泊先希望メール1通
※次回宿泊先は「季刊葉月日記」さまです。御応募有難う御座いました。


2005.07.25

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