Space
新定常宇宙理論によれば、宇宙は無限の過去を溯る事が可能で、約400億年の周期で膨脹と収縮を繰り返しながら、
次第に大きくなっているという。
定常宇宙モデルに必要な物質の生成については、
宇宙の収縮運動が止まり、膨脹に転じる時に
物質が集中的に生成され、現在は膨脹の段階にあるという。
そして、前に収縮運動が停止してから、 140億年程経過したとみられている。
無限の過去を持つという事は、無限の未来を持つという事になるので、宇宙は永遠(という概念が定義できるならば)に誕生と消滅を繰り返し、宇宙の内部そのものもまた誕生と消滅を繰り返すと考える事ができる。
曾て、泡宇宙モデルが考案されていた時代もあったが、ハイボールの泡沫のように、現れては消えというのを想像すれば、より具体性を帯びるであろうか?
更には、この考えをもってすれば
ビッグバン理論では説明するのが困難であった「宇宙の始まる前」がどうであったかという問いにも、
答えられるというのである。
だが、ビッグバン理論に固執する訳ではないのだが、これではその宇宙そのものが、どのようにして立ち顕れたかについては、結局、満足な解答を得られないままである。
ある者はこの問いについて
「始まりとは何を以て始まりとするか。
また、始まりとは万象の『始まり』であるから、これを証明する術も無く、その必要も無い。
何故ならこの問いそのものが無意味だから。」
としている。
禅宗の問答の如き『非合理』に拠るという感が否めない。
だが、科学と宗教の違いは
言葉の意味の捉え方の違いによるらしい。
言葉というのは本来、遺伝子レベルで組み込まれた脳の配線基板の個人差を埋め、情報を概念として整理・分類・記憶し、処理された情報を効率的に、また共通のものとして解釈する為に生成された『幻想』を背後に伴う、実に曖昧かつ危険なものである。
一説によれば、宇宙モデルを信じる者は、 聖書を信じる者と同じであるという。
全容を提示しえず、只、少ない証拠を信じるのみだからだそうである。
その点で言えば、或る種の科学者は優れた宗教家であると言えるし、或る種の宗教家は優れた科学者と言えるかも知れない。
2001.01.10→2002.07.31